監督:イ・ソクフン(『ダンシング・クイーン』)
出演:キム・ナムギル、ソン・イェジン(『私の頭の中の消しゴム』『ザ・タワー 超高層ビル大火災』 、ユ・ヘジン、イ・ギョンヨン、キム・テウ、オ・ダルス
時は14世紀末。高麗が滅亡し、イ・ソンゲが朝鮮王朝を創始した激動の時代の物語。
明の皇帝から贈られた朝鮮建国の証し「国璽」を運んでいた使節船が、夜間航行中に巨大クジラと衝突。海上に放り出された国璽が、クジラにひと飲みにされてしまう。この事件が世に知れ渡れば国中がひっくり返る事態となってしまう! 王の側近は、国璽を海賊に奪われたと王に報告。この作り話を信じた王イ・ソンゲは、海賊を討伐して国璽を取り戻すよう命じる。猶予は15日。
一方、クジラが金銀財宝を食ったとの噂に、海など見たこともない山賊までもが海に乗り出してくる。すべてを知り尽くした海で謀略に巻き込まれる海賊、国璽を取り戻さないと死罪を免れない水軍。荒海で三つ巴の争いが始まる・・・
イ・ソクフン監督は、朝鮮建国初期に高麗の国璽を明国に返却した後、新しい国璽が1403年までおよそ10年間なかったという歴史的事実に発想を得て、映画に仕立てあげたとのこと。そも、国璽とは、「国家の表徴として押す璽(印章または印影)」のこと。それを朝鮮は中国の国家から頂いていたということは??? 歴史を勉強しなおさなくては!!!
それはさておき、ドラマ「サメ〜愛の黙示録〜」で共演したキム・ナムギルとソン・イェジンが映画で再び共演と思ったら、実は、映画のキャスティングの方が先に決まっていたそう。「サメ」では、蔭のある役どころのキム・ナムギルの渋さにグッときましたが、『パイレーツ』では、明るくて、ちょっとお茶らけなところもあるキャラ。実はこっちのほうが本来の姿らしいです。これもまた素敵です。
そして、しとやかなお嬢様がぴったりと思っていたソン・イェジンが、ワイヤーアクションにも挑戦。今回は海賊の副船長から船長へと出世する、凛々しく力強い女性を演じています。
脇を固める俳優陣も、オ・ダルス、パク・チョルミン、アン・ネサンなどなど個性派揃い。なんといっても場を盛り立てているのが、海賊なのに船酔いしてばかりいるチョルボン役のユ・ヘジン! この人、出てくるだけで笑えます。第51回大鐘賞映画祭で、助演男優賞を受賞しています。 あ、ソン・イェジンも、主演女優賞受賞しています・・・
韓国で866万人を動員した本作。海を舞台にした愉快なアクション時代劇です。(咲)
2014年/韓国/129分
配給:ツイン
公式サイト http://www.pirates-movie.info/
★2015年5月22日(金)より、TOHOシネマズ新宿ほか全国ロードショー