2015年05月03日
国際市場で逢いましょう(原題:国際市場 英題:Ode to My Father)
監督:ユン・ジェギュン
脚本:パク・スジン
撮影:チェ・ヨンファン
音楽:イ・ビョウン
出演:ファン・ジョンミン(ドクス)、キム・ユンジン(ヨンジャ)、オ・ダルス(ダルグ)、チョン・ジニョン(ドクスの父)、チャン・ヨンナム(ドクスの母)
1950年、朝鮮戦争の興南撤収の際、少年だったドクスは大混乱の中で父と妹と生き別れてしまう。ドクスの背中におんぶしていた妹が乗船の混雑で落ちてしまい、父が探しに戻ったのだった。母と幼い弟妹とともに釜山へ避難し、長男の責任を感じつつ成長する。自分の夢は胸にしまいこんで父の代わりに家計を支え、ドイツの炭鉱への出稼ぎ、ベトナムへの技術者派遣にも応募する。危険な職場で命拾いしながらもいつも家族のために笑顔で生き抜いてきた。父との約束を守るために。
韓国の現代史を一気に見せてもらった作品でした。ファン・ジョンミン演じるドクスが体験したことは同世代の多くのお父さん、お母さんたちの体験そのままなのでしょう。朝鮮戦争で、南北に分かれてしまった隣国。後に離散家族を探すために拡がったテレビ番組も作中で再現され、涙なくしては観られません。
ユン・ジェギュン監督は、主人公たちにご両親の名前を与え、激動の時代を生きてきた方々への感謝の気持ちをこめています。昨年12月に韓国で公開されて以来、前作の『TSUNAMI-ツナミ-』を超える1410万人の動員数(歴代第2位)を記録しました。力強く生きてきた祖父母、両親を演じたベテラン俳優たちに加えて、ベトナム戦争に従軍した有名歌手ナム・ジンを演じた東方神起のユンホ、健気な子役たちの好演も見所です。
公開に先立ち来日したユン・ジェギュン監督インタビューを「特別記事」に掲載しましたので、そちらもご覧下さい。(白)
まさに、歴史に翻弄された人たちに涙した1作でした。
KBS前で離散家族を探す人たちの姿を観て、イム・グォンテク監督の『キルソドム』を思い出しました。製作されたのが1985年。まだまだ離散家族探しが生々しい時代でした。でも、今も会えないままの離散家族が大勢いることと思うと、ほんとに悲しくなります。
ドクスが後に伴侶となるヨンジャと知り合ったのは西ドイツ。ヨンジャは、国策でドイツに派遣されていた看護士でした。女性までもが大勢出稼ぎにいかないといけなかった時代があったことを知りました。
そして、ベトナム戦争。ドクスは派兵ではなく、お金を稼ぐため技術者として遠征するのですが、危険と隣り合わせなのには変わりません。韓国から大勢ベトナムに派兵され、映画でも時折語られます。日本がベトナムに派兵しなくて済んだのは、憲法9条のお蔭であることを今さらながら思います。
映画の最初や最後に飛んでいる白い蝶・・・ 家族に平和をもたらすシンボルのように感じました。監督の思いは??(咲)
2014年/韓国/カラー/シネスコ/127分
配給:CJ Entertainment Japan
(C)2014 CJ E&M Corporation, All Rights Reserved.
http://kokusaiichiba.jp/
★2015年5月16日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町、シネマート新宿ほか全国順次ロードショー
★「国際市場」新大久保店期間限定で開店
映画の大ヒットにより、観光客が殺到し賑わう釜山・国際市場の雰囲気が味わえるコンセプトショップ。
韓国ならではの雰囲気が感じられる店内には、『国際市場で逢いましょう』の撮影スチールパネルなどを多数展示。映画の世界観が味わえるほか、本作のロケ地情報や釜山のおススメ観光地などの情報がたくさん!
さらに、トッポッキ、ブルゴギドッグ、ビビンダンミョン、キムチチヂミなど釜山の名物料理や韓国料理が日替わりで楽しめるコーナーも。映画を観る前も観た後も楽しめるスポットです。
◆オープン期間:5月14日(木)ー6月7日(日)
◆営業時間:平日(月〜木、日)午前11時から午後8時まで
週末(金、土) 午前11時から午後10時まで
◆場所:新宿区大久保1ー13ー6 (イケメン通り沿い)
詳細は 映画公式HPまで
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