2015年04月19日

Mommy/マミー(原題:Mommy)

mommy.jpg

監督・脚本・編集:グザヴィエ・ドラン
出演:アンヌ・ドルヴァル(ダイアン・デュプレ)、スザンヌ・クレマン(カイラ)、アントワン=オリヴィエ・ピロン(スティーヴ・デュプレ)

ダイアン・デュプレの一人息子スティーヴが施設から戻ってくる。ADHD(注意欠如・行動障害)と診断された彼は、激昂すると自分の感情をコントロールできない。矯正施設をたらいまわしにされた挙句、母親の元に戻された。新しい家でやり直しを図る母と息子の向かいに、ストレスのため吃音になったカイラが住んでいた。元高校教師だったカイラは、ダイアンと友だちになりスティーヴの勉強を見るうちに、言葉を取り戻していく。

17歳で脚本を書き、19歳で監督した『マイ・マザー』がカンヌ映画祭で賞賛を受け、以来全ての作品が注目の的となっているグザヴィエ・ドラン監督の5作目。カンヌ映画祭のコンペティション部門に選出され、「審査員特別賞」を受賞しました。これまでの作品のうち『トム・アット・ザ・ファーム』は同名戯曲を映画化したものですが、ほかは自身を映し出したポートレイトのような作品。どれも観た後に痛々しい感じが残りました。若くて溢れる才能と美貌にも恵まれた彼の内側が見えるようでした。
本作はこれまでにも描かれた濃密な母と息子の愛憎を芯に、隣人の女性を加えてそれぞれの強さと弱さを1:1の画面でくっきりと切り取っています。3人の幸福なシーンだけがワイド画面に映し出され印象的。パワフルでめげない母と息子のストーリーで、これまでで一番好きな作品になりました。クレジットにありませんがドラン監督自身もほんのちょっと出演していますのでお見逃しなく。
スティーヴのADHDという行動障害については、ネットで検索すればたくさん見つかります。症状の特徴など見ると、自分もその半分以上の項目に合致しているのに気づいて「え」と驚いたり納得したり。程度が問題か?(白)


2014年/カナダ/カラー/138分/DCP/1:1
配給:ピクチャーズ・デプト
(C)2014 une filiale de Metafilms inc.
http://mommy-xdolan.jp/
予告編はこちら

★4月25日(土)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほかにて全国順次公開
posted by shiraishi at 03:53| Comment(0) | TrackBack(0) | カナダ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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