2015年04月11日

海にかかる霧(原題:海霧 Haemoo)

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監督:シム・ソンボ
脚本:シム・ソンボ、ポン・ジュノ
撮影:ホン・ギョンピョ
出演:キム・ユンソク(カン・チョルジュ)、パク・ユチョン(ドンシク)、ハン・イェリ(ホンメ)、ムン・ソングン(ワノ)、キム・サンホ(ホヨン)、イ・ヒジュン(チャンウク)、ユ・スンモク(ギョング)

不漁続きで乗組員の給料も滞り、頼みの綱の船チョンジン号を手放すかどうかまで追い詰められた船長。とうとう闇ルートの仕事に手を染める羽目になってしまった。中国から密入国者を海上で受け入れ、こっそりと陸へ運ぶのに船員たちも協力する。しかし不法移民たちを乗せてすぐに海上警察に乗り込まれ、予定になかった悪天候に見舞われ、次第に窮地に追い込まれていく。

2001年に韓国で実際に起こった「テチャン号事件」を題材にした舞台劇「海霧(ヘム)」を映画化。真面目に働いてきた船長たちが、思いもよらなかった展開に動転してしまうのには共感できますが、最初の判断を誤ったばかりに、どんどん悪いほうに転がっていく予感に目をつぶりたくなってしまいました。凄惨なシーンの続く中で、泥田の蓮のように清浄な空気をまとっているのが、「JYJ」のユチョン演じるドンシク。狂気の満ちる船内で、密入国してきた女の子ホンメを守ろうとします。
すごくいい役回りで、ベテラン俳優たちを向こうに回しての熱演を高く評価されました。韓国の主要映画祭の新人賞を総なめにしています。(白)


『ほえる犬は噛まない』『殺人の追憶』『母なる証明』のポン・ジュノが、今回は製作・脚本を務め、『殺人の追憶』の脚本を担当したシム・ソンボが監督デビュー。凄い作品が出来上がりました。
キム・ユンソク(『哀しき獣』)演じる凄味のある船長はじめ、乗組員たちもどこかで観ている名優が顔をそろえています。
一度みたら忘れられないちょっと太っちょのキム・サンホ。ドラマ「棚ぼたのあなた」や「本当に良い時代」、映画では『ワンドゥギ』『ソウォン/願い』『きみに微笑む雨』などで個性的な姿を見せている名脇役。
船の中で唯一の若い女性ホンメに欲望をむき出しにする船員チャンウク役のイ・ヒジュンは、ドラマ「棚ぼたのあなた」や「オフィスの女王」でシャイな人柄を演じて人気者になった人。
そんな中で、ユチョン演じる新米猟師のドンシクの誠実さが光ります。
密入者の女の子ホンメとカップラーメンをわけあって食べる場面で、「海の男たちのラーメンでは取れたての海産物を入れた最後に青い唐辛子を入れるんだよ」と語ります。へぇ〜青唐辛子を入れるんだ〜と思ったのですが、これが、すごいキーポイントになってます。(咲)


2014年/韓国/カラー/シネスコ/111分
配給:ツイン
(c)2014 NEXT ENTERTAINMENT WORLD Inc. & HAEMOO Co., Ltd. All Rights Reserved.
http://www.umikiri-movie.com/
★2015年4月17日(金)より、TOHOシネマズ新宿にて先行公開!
 4月24日(金)より、全国ロードショー!
posted by shiraishi at 22:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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