2015年03月01日

妻への家路(原題:帰来 Coming Home)

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監督:チャン・イーモウ
脚本:ヅォウ・ジンジー
原作:ヤン・ゲリン
撮影:チャオ・シャオティン
音楽:チェン・キーガン
出演:コン・リー(馮婉玉フォン・ワンイー)、チェン・ダオミン(陸焉識ルー・イエンシー)、チャン・ホエウェン(丹丹タンタン)、チェン・シャオイー(コン・スーチン)、イエン・ニー(リ主任)

1977年、文化大革命が終結した。強制労働に従事していたルー・イエンシーは家族の元に戻ってくる。迎えに来たのは娘タンタンだけであった。一度脱走した折に危険を顧みず会いにきた妻フォン・ワンイーは家にいるという。ようやく再会した妻には20年前の夫の記憶しかなかった。イエンシーは夫として受け入れられず、他人として向かいの家に住み、妻に思い出してもらえるように心を砕く。

ものすごく稀有な夫婦愛の物語。チャン・イーモウ監督とコン・リーが久々に映画をときいたら観なくちゃ、チェン・ダオミンが夫!観なくちゃ、です。
毎日妻の元に通い、自分の書いた手紙を読み聞かせるイエンシー。何百通もの手紙の束に長い歳月と2人の思いの深さが読み取れます。それなのに、夫の顔がわからないということがあるのでしょうか?年取っても声はそう変化しないはず。夫とわかるものが何か残っているのでは?実際にこういうことが起こりうるのか?とそこだけが疑問です。仲たがいもせず一生恋しい妻のそばにいられるなら、それもまた良いのかもしれませんが。
中国最高の俳優2人に娘役で加わった新星のチャン・ホエウェン。彼女もまたイーモウ監督に見い出され、世界的な女優となったコン・リーやチャン・ツィイーの後に続くのでしょうか。この先がとても楽しみです。(白)

チェン・ダオミン演じる陸焉識が捕えられたのは、文化大革命(1966-1976)より前の反右派闘争。1957年に毛沢東が発動した中国共産党に反対する右派分子を摘発する闘争だ。自由主義的思想傾向のある知識層の多くが、辺地に送られ強制労働をさせられた。文化大革命の時代を経て、やっと解放された人々・・・ 待ち続けた妻が、夫を認識できなくなるほどの長い年月。国家権力によって人生をないがしろにされたことに涙が出る。
反右派闘争として、知識人が弾圧されたことを初めて知ったのは、今はなき千石の三百人劇場で開催された中国映画の全貌で観た映画だが、タイトルが思い出せない。
最近では、ワン・ビン監督の『無言歌』があるが、反右派闘争を真正面から描いた映画は少ない。文革が4人組の誤りとされ、間違いだったと公式に認められる一方で、反右派闘争は毛沢東自身の誤りである為、公式に誤りだと認められてないそうだ。チャン・イーモウ監督は、少年時代から無念な思いを味わってきたとのことで、『初恋のきた道』でも、憧れた先生が町に連れ戻されたのは右派とされたから。カレンダーの1958年という年号で文革ではないことがわかるとのこと。 (プレス資料 水野衛子さんの解説)
『HERO』や『王妃の紋章』で、チャン・イーモウ監督、どこへ行く?という思いだったけど、今回は回帰し過ぎ! でも、きっと、いつか反右派闘争を正面から描きたいのでしょうねぇ。(咲)


2014年/中国/カラー/シネスコ/110分
配給:ギャガ
(C)2014, Le Vision Pictures Co.,Ltd. All Rights Reserved
http://cominghome.gaga.ne.jp/

★2015年3月6日(金)TOHOシネマズシャンテほか全国順次公開


posted by shiraishi at 18:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 中国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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