監督:姜秀瓊(チアン・ショウチョン)(『風に吹かれて―キャメラマン李屏賓(リー・ピンビン)の肖像』)
撮影:真間段九朗
脚本:柿木奈子
音楽:かみむら周平
出演者:永作博美、佐々木希、桜田ひより、保田盛凱清、臼田あさ美、イッセー尾形、村上淳、永瀬正敏(友情出演)、浅田美代子
故郷奥能登のさいはての海辺に戻り、焙煎珈琲店を開いた吉田岬(永作博美)。朽ちかけた舟小屋を改装し、焙煎珈琲店「ヨダカ珈琲」の営業を始める。「ヨダカ珈琲」の向かいの、今は営業していない民宿に住むシングルマザーの山崎絵里子(佐々木希)と二人の子供たち。絵里子は生活費を稼ぐため家を空けることが多く、幼い姉弟は肩を寄せ合って母のいない日を過ごしている。
絵里子は岬を毛嫌いしていたが、舟小屋で事件が起き、絵里子が岬の危機を救った。深く傷ついた岬の為に珈琲を淹れる絵里子。二人の間のわだかまりが解け、いつしか4人は家族のように支え合って暮らすようになった。
東京で焙煎店をしていた岬が、この地にやってきたのは、幼い頃に別れたまま行方不明になっている漁師の父親のことを知るためだった。そして、ついに父について衝撃の事実がもたらされる・・・
この映画の舞台である能登半島には、大学2年生を迎える春に初めて訪れ、いかにもさいはての地という風情に心を惹かれて、1年後にまた訪れてしまったという思い出があります。そんなさいはての地で、焙煎珈琲のお店?とびっくりしたのですが、物語の発端となった二三味葉子さんは、ネット販売の草分けのような方とのこと。また、二三味葉子さんご自身の人生には別の物語があって、この映画の物語は、さいはての能登でお店を開く二三味葉子さんという存在から、想像を膨らませて作り上げたのだそうです。力強く生きる女性の物語を作り上げ、それを台湾の監督さんに依頼するという突飛な発想に乾杯です!
監督の姜秀瓊(チアン・ショウチョン)さんが共同監督した『風に吹かれて―キャメラマン李屏賓(リー・ピンビン)の肖像』を東京国際映画祭で観て感銘を受けたのですが、2〜3年前のことと思ったら、なんと、2010年のことでした。とても印象深い映画で、その監督さんが日本で映画を撮ったと聞き、興味津々でした。インタビューの機会をいただき、本誌編集で超多忙だったのですが、いそいそと出かけた次第でした。
インタビューの模様は特別記事でお届けします。(咲)
2014年/日本/1時間58分
配給:東映
公式サイト:http://www.saihatenite.com/
★2015年2月28日(土)全国ロードショー