監督:ベネット・ミラー
脚本:E・マックス・フライ、ダン・ファターマン
出演:スティーヴ・カレル(ジョン・デュポン)、チャニング・テイタム(マーク・シュルツ)、マーク・ラファロ(デイヴ・シュルツ)、ヴァネッサ・レッドグレーヴ(ジーン・デュポン)、シエナ・ミラー(ナンシー・シュルツ)
1984年ロサンゼルスオリンピックに参加、レスリングで金メダルを獲得したマーク・シュルツ。同じくメダリストの兄デイヴと研鑽を積み、メダリストの栄光は得たものの、アメリカではマイナーなレスリングは収入源にはならず、生活は苦しかった。そこへ思いがけないオファーがあり、マークは一も二もなく飛びつくのだった。マークを招いたのは大企業デュポン社の御曹司、ジョン・デュポン。自ら率いるレスリング・チーム“フォックス・キャッチャー”をソウル・オリンピックで世界一にという野望を明かし、マークに共に成し遂げようと手を差し出す。マークはその主力選手として破格の年俸で迎えられ、トレーニングを開始する。
初めて観たとき、ジョン・デュポン役が判らず「これは誰?」、キャストリストを見直しました。全く元の形も印象もとどめない役作りをしたスティーヴ・カレルでした。大財閥のデュポン家に生まれながら、母に愛されず深い孤独の中で成長し、歪んでしまったジョンを演じて鬼気迫ります。
ベネット・ミラー監督作品は長い時間をかけた綿密なリサーチを重ねて作られており、『カポーティ』(2005年)、『マネーボール』(2011年)と寡作ですが、いずれも高い評価を得ています。本作もカンヌ映画祭で監督賞を受賞しました。実際の事件を再現してみせた本作はドキュメンタリーのようにも見えますが、一人ひとりを掘り下げた人間ドラマとして、重く心に刻まれました。(白)
2014年/アメリカ/カラー/135分
配給:ロングライド
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http://www.foxcatcher-movie.jp/
★2015年2月14日(土)より、新宿ピカデリー 他 全国公開