監督:マイケル・ラドフォード
脚本:アンナ・パヴィニャーノ
マイケル・ラドフォード
撮影:マイケル・マクドノー
音楽:ルイス・バカロフ
出演:シャーリー・マクレーン(エルサ)、クリストファー・プラマー(フレッド)、マーシャ・ゲイ・ハーデン(リディア)、ジャレッド・ギルマン(マイケル)、クリス・ノース(ジャック)
フレッドは長年連れ添った妻に先立たれ、娘に薦められて手ごろなアパートに引っ越してきた。家政婦にいやいや世話になり、何をする気力もないフレッドに隣の老婦人エルサが何かと声をかける。エルサは息子にも頼らず、気楽な一人住まいを楽しむ陽気な未亡人だった。妄想かと思えるお喋りに最初はへきえきするフレッドだったが、彼女の明るさに頑なだった心が次第に温められていく。
デビュー60周年になるというシャーリー・マクレーンがとにかく可愛らしい作品。この方は皺は増えたものの明るい笑顔は変わらず、どんな役もこなして(氷詰めの死体にだってなる!)いまだに最前線にいます。かたやクリストファー・プラマーも『人生はビギナーズ』(2010)で、第84回アカデミー賞助演男優賞を受賞。受賞時82歳で演技賞史上最高齢の記録を作りました。姿勢もぴしっとしてとても80代には見えません。そんな名優2人が人生の黄昏時にもう一度恋に落ちるカップルを演じます。エルサが夢見たトレヴィの泉でのシーンも素敵ですが、レストランでの茶目っ気たっぷりの2人がいいです。(白)
2014年/アメリカ/カラー/シネスコ/97分
配給:アルバトロス・フィルム
(C)2014 CUATRO PLUS FILMS, LLC
http://www.torevinoizumide.com/
★2015年1月31日(土)Bunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー
『フェイス・オブ・ラブ』(The Face of Love)
監督:アリー・ポーシン
脚本:マシュー・マクダフィー、アリー・ポーシン
撮影:アントニオ・リエストラ
出演:アネット・ベニング(ニッキー)、エド・ハリス(トム/ギャレット)、ロビン・ウィリアムズ(ロジャー)、ジェス・ワイクスラー(サマー)、エイミー・ブレネマン(アン)
オシドリ夫婦だったニッキーとギャレット、結婚30周年を迎え、これからも幸せな日々が続くと思われたが、思いがけない事故でギャレットは亡くなってしまう。最愛の夫を亡くした悲しみから立ち直れないまま、5年がすぎたある日、ニッキーは夫と瓜二つの男性に出会う。思わず後をつけ、大学の美術教師トムだと知った。夫ではないとわかっても、近づきたい気持ちが抑えられず、絵画の個人指導を申し込む。
よく世の中に自分に似た人が3人いる、と言われますが、この映画は亡夫に似た人に出会ってしまった未亡人が、恋してしまうお話。好かれたほうが、その理由を知ったらどう思うでしょう。そのへんが細やかに描かれています。正直言って女性のほうが気持ちの切り替えが早くて、男性がいつまでも引きずっているような気がするけれど、まあ個人差がありますわね。
ギャレットは建築家として成功した男性なので、住まいも服装もとてもお洒落。ナイーブな画家のトムと二役を担ったエド・ハリスの演じ分けも見所です。
すぐ向かいに住む妻に先立たれ、ニッキーをひそかに思っている心優しい隣人ロジャーをロビン・ウィリアムズ。昨年亡くなってしまい、もう映像の中でしか観ることができず、それも今後増えることがないのが残念です。(白)
2013/アメリカ/カラー/92分
配給:ブロードメディア・スタジオ
(C)2014 LOOK OF LOVE,LLC
http://faceoflove.jp/
★2015年2月7日(土)有楽町スバル座ほか全国順次公開