監督・脚本:ユッカ・カルッカイネン、J=P・パッシ
出演:ペルッティ・クリッカ、カリ・アールト、サミ・ヘッレ、トニ・バニリタロ、カッレ・パジャマー
「ペルッティ・クリカン・ニミパイヴァト」は、フィンランドの知的障害者4人のパンク・バンド。ギターのペルッティ、ヴォーカルのカリ、ベースのサミ、ドラムのトニが自分達で作ったオリジナルの曲を演奏する。歌詞には彼らの社会の偏見、身近な施設への不満など、率直なアピールが込められている。これまでにテープ、CD、7インチのレコードなどを発売し、ほぼ完売。障害者・健常者の別なく受け入れられている人気のバンドなのだ。彼らの日常に密着し、練習風景、海外ツアー、メンバー一人ひとりのつぶやきも紹介する。
このバンドは障害のある成人向けのワークショップから生まれました。撮影当時、メンバーは20代後半から50代ですが、みな率直に言いたいことを言い合ってケンカしたり、うまく行かなければ口惜しくて泣いたりと全く自然そのものです。しかし、いったんステージに上がればパワフルな歌唱を聞かせ、聴衆もノリノリ。元気の出るこの作品は、2013年の山形国際ドキュメンタリー映画祭で「市民賞」を受賞しています。
一昨年の東京国際映画祭のサクラグランプリは『ウィー・アー・ザ・ベスト!』。スウェーデンの女子中学生3人がパンク・バンドを作る話でした。北欧はパンクが盛んなのでしょうか。社会の批判や不満を歌にぶつけるなら、福祉国家の北欧より今の日本のほうがよほどネタが豊富です。日本のバンドは何を歌っているのか門外漢だけれど気になってきました。(白)
2012年/フィンランド・ノルウェー・スウェーデン合作/カラー/ビスタサイズ/88分/フィンランド語
配給:エスパース・サロウ
(C)Mouka Filmi oy
http://punksyndrome.net/
★2015年1月17日(土)シアター・イメージフォーラム他にて全国順次公開