監督・製作・編集:フレデリック・ワイズマン
ロンドンの中心地トラファルガー広場に面してナショナル・ギャラリーがある。1824年の設立から190年、英国が誇るこの国立美術館で3ヶ月間に渡って撮影したドキュメンタリー。収蔵・展示された名画の数々、学芸員たちの会議から、ギャラリートーク、ワークショップ、絵画の修復作業、多くの来館者の表情などが目の前に繰り広げられる。
『パリ・オペラ座のすべて』(2009)『クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち』(2012)のフレデリック・ワイズマンが長年撮影を切望していたというナショナル・ギャラリー。一人の銀行家のコレクションが基礎になったのだそうです。王族、貴族所蔵の美術品ではないところがほかとは違いますね。3時間もの作品ですが、名画を間近に見せてもらえるほか、来館者の目が触れることのない絵画の修復作業のようすも紹介されています。
日本の美術館で特別展を催すと、行列のうえ人人人で何重もになった人の頭越しに観ることもあります。めったに観られないからこその混雑なのですが、無料でゆっくり名画鑑賞ができる外国の美術館を羨ましく思っていました。海外に出かけずに体験できるこの機会、お見逃しなく。私は長さを感じることなく、ワクワクしながら観られました。(白)
2014年/フランス・アメリカ合作/カラー/181分
配給:セテラ・インターナショナル
http://www.cetera.co.jp/treasure/
★2015年1月17日(土)よりBunkamuraル・シネマほか全国順次公開