2015年01月18日
ミルカ 原題:Bhaag Milkha Bhaag
監督:ラケーシュ・オームプラカーシュ・メーラ
出演:ファルハーン・アクタル、ソナム・カプール、ディヴィヤ・ダッタ、プラカーシュ・ラージ、パワン・マルホトラ、アート・マリク、ジャプテージ・シン、ヨグラージ・シン
1960年、ローマオリンピック。400メートル走決勝戦で、インド代表選手ミルカ・シンは、ゴールを目前にして後ろを振りかえり4位となり金メダルを逃してしまう。帰国後、国民からバッシングを受けながらも、パキスタンで開催される陸上親善大会のインド団長に指名される。パキスタン行きを断固拒否するミルカを説得するため、ネール首相の命を受けてスポーツ大臣とミルカのコーチがミルカの住むチャンディガルに向かう。道中、コーチはシク教徒であるミルカが印パ分離独立でパキスタン領となった故郷の村からインドに避難してきた壮絶な少年時代を語り始める・・・
映画の中で心に残ったのが、ミルカがパキスタンになった故郷で幼友達に再会した時に、その友達が語った「人じゃない、分離独立のせい」という言葉。宗教や民族の違いによる対立は、政治が起こすものだということ、そして、世界の各地で歴史に翻弄される人たちがいることも思い起こさせてくれる言葉でした。
ミルカは悲しい過去を乗り越えて、自分を鍛え、アスリートとして成功します。
印パ分離独立から70年近く経ち、この映画は若い人たちや後世の人たちに当時のことを知らしめるとともに、どんなことがあっても屈しない心を教えてくれることと思います。
シク教徒のきっちりしたターバン姿は、いかにもインド人のイメージですが、実はシク教徒はインドの人口のわずか2%位。軍隊の10%がシク教徒だという状況は、体格もよく勇敢だからというだけでなく、今回、映画を見ていて、カースト制度のこともあって、シク教徒の人たちがつける職業が限定されて、軍隊に入る人が多いのではないかと思い当たりました。
競技中、ミルカは髪の毛を頭上にお団子のように丸めてドアノブカバーのような布で被っています。確か東京オリンピックの時に、ターバンは帽子とみなされ競技中は認められないけれど、宗教上、わずかな布で被うことは認めていると聞いた記憶があります。シク教徒が髪の毛を切ってはいけないと知ったのもその時のことです。私がテレビで観たインド人選手はミルカだったのかもしれません。
さて、ローマオリンピックでミルカがゴール目前に後ろを振り返った理由は? どうぞ映画をご覧ください! (咲)
公開を前に来日したラケーシュ・オームプラカーシュ・メーラ監督にお話を伺いました。
特別記事をご覧ください!
http://www.cinemajournal.net/special/2015/milkha/index.html
2013/インド/ヒンディー語・パンジャービー語/153分(インターナショナル版)
配給:日活/東宝東和
公式サイト:公式サイト:http://milkha-movie.com/
★2015年1月30日(金)、TOHOシネマズシャンテ他全国ロードショー
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