監督・脚本・撮影・編集:キム・ギドク
出演:チョ・ジェヒョン(父)、ソ・ヨンジュ(息子)、イ・ウヌ(母/女)
夫婦と一人息子の裕福な家庭は、互いに言葉も交わさず冷え切っていた。夫と近所の若い女との情事を知った妻は激しい嫉妬にかられ、寝込んだ夫の性器を切り取ろうとする。夫に気づかれて失敗すると、彼女の怒りは同じ性器を持つ息子へと向かった。妻はそのまま出奔し、夫は血まみれの息子を病院へ運びこむ。
キム・ギドク監督作品は好きな人と、受け付けない人とはっきり分かれそうです。痛いのがダメな私は苦手なほうで(それでも10本は観ていた)、この作品もひええ〜と思いながら観終えました。セリフも音楽も廃して、ひたすら俳優の動きと息遣いを追うカメラは監督自身が担当。男と女、欲望を生む性器、そこから産まれる家族・・・みな表裏一体で、繋がっては元に戻って終りがない「メビウス」の輪なのだという監督。
嫉妬に狂う母と浮気相手の女性を同じ女優さんが演じているとは、プレスを見るまで気づかず。この妻がアップになる迫力あるポスターは、一家に一枚あると男性への「浮気封じ」になりそう。疚しいところがなくても怖すぎるのが難。(白)
2013年/韓国/カラー/83分/R18+
配給:武蔵野エンタテインメント
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http://moebius-movie.jp/
★2014年12月6日(土)より新宿シネマカリテほか全国公開