監督:フィリップ・ウィチュス、ヴァレリー・ベルト
黙々と野菜の皮をむく人たち。じゃがいも、人参、ニンニク・・・
チャパティを何枚も何枚も焼き続ける人たち。
そして大勢で一斉に食事をする姿。
裏方では、食器を洗う人々。 時に、ステンレスの皿が飛び交う。
大きなお鍋に入って、鍋を洗う男・・・
シク教の総本山、インド北西部アムリツァルにある黄金寺院(ハリマンディル・サーヒブ)。ここでは、毎日10万食の豆カレーが無料で提供されている。
映画は、ナレーションなしに、人々の姿を映し出す。
食器の触れあう音や、水の音が響いてくる・・・
監督のフィリップ・ウィチュスとヴァレリー・ベルト夫妻は、ベルギー出身。『Sarega』(2010年)というインドの伝統音楽についてのドキュメンタリー製作の過程で、2004年にパキスタンのラホールに行くことになり、国境近くのアムリツァルに滞在する。その折に、黄金寺院で途方もなく大勢の人たちが無料で食事の提供を受けている姿を目の当たりにし驚く。写真や映像を撮り、帰国後、すぐに『黄金寺院』という5つの短編にまとめる。この素晴らしい光景を世界に見せなければならないと、黄金寺院を再訪して許可を取り、1ヵ月かけて撮影したのが本作。
1回で10万食?と驚いたら、1日24時間体制で、1回5千人分が20回。
それにしても半端な量じゃない。それも毎日!
シク教の巡礼者だけでなく、人種や身分や宗教に関係なく、誰しもがお腹を満たすことのできる聖なる場所。
公開を前に、監督の一人フィリップ・ウィチュス氏が来日。
撮影:宮崎暁美
監督を囲む会で、日本在住のシク教徒の方にお話を伺ったら、振る舞われる料理は、辛くないし、塩も控え目、ギー(バターオイル)もあまり使わない、そして、お肉も使わないと教えてくれました。どんな宗教の人でも食べられるし、子どもにもOKという次第。
こんな場所が世界の隅々にあれば、飢える人を救えるのになぁ〜 (咲)
特別記事 『聖者たちの食卓』フィリップ・ウィチュス監督来日レポート
http://www.cinemajournal.net/special/2014/seija/index.html
配給: アップリンク
2011年/ベルギー/65分/カラー/16:9
公式サイト:http://www.uplink.co.jp/seijya/
★2014年9月27日(土)より渋谷アップリンク他、全国順次公開