2014年08月31日

イヴ・サンローラン(原題:Yves Saint Laurent)

yvessaintlaurent.JPG

監督:ジャリル・レスペール
出演:ピエール・ニネ(イヴ・サンローラン)、ギョーム・ガリエンヌ(ピエール・ベルジェ)、シャルロット・ルボン(ヴィクトワール)、ローラ・スメット(ルル・ド・ラ・フェレーズ)、マリー・ドゥ・ヴィルパン(ベティ・カトルー)、ニコライ・キンスキー(カール・ラガーフェルド)、マリアンヌ・バスレール(ルシエンヌ・サンローラン)

1957年パリ。10代のうちに才能を現し、ディオールに認められたイヴ・サンローラン。ディオールの死去により弱冠21歳で後継者に指名される。周囲の危惧はあったものの初のコレクションが大成功、華々しいデビューを飾った。26歳の実業家ピエールはイヴに出会ってたちまち2人は恋に落ちいっしょに暮らし始める。
ピエールのバックアップを得て、イヴは自身のブランドをたちあげ次々と革命的なコレクションを発表する。ピエールは繊細なイヴを守り、全ての雑事を引き受けてイヴがデザインだけに没頭できるように献身的に尽くした。

2011年4月公開のドキュメンタリー『イヴ・サンローラン』(2011年/ピエール・トレトン監督)を見て、ハンサムな彼の素顔に驚いたものでした。
本作ではピエール・ニネが繊細なイヴに扮しています。ジャリル・レスペール監督は、ドキュメンタリーではすくいきれなかった部分を脚色で補い、ピエールという生涯のパートナーに出会ってもなお孤独な心を抱えていた天才を描き出しています。パリの社交界とオートクチュールを舞台に有名なデザイナーたちも登場(俳優ですが)するので、会話に思わず聞き耳を立ててしまいました。
イヴが仕事を成功させ、華やかな世界に住みながらも薬や酒で酩酊したかったのはなぜなのでしょう。これで満足ということがないから高みを目指せるのでしょうが、なんと孤独で辛い道かと思います。凡人でよかった。(白)


イブ・サンローランの生涯を描いた映画と聞いて、私のもっぱらの関心事は、イブ・サンローランが晩年を過ごしたモロッコ時代がどのように描かれているか・・・でした。
ところが、冒頭に映し出されたのは、地中海に臨むオランの町。1936年、当時フランス領だったアルジェリアのオランで彼は生まれたのでした。(勉強不足で知らなかった!)サンローランがデザイナーを志してパリに移ったのが、1954年。ちょうどアルジェリアでフランスからの独立戦争が勃発した年。母親たちが、「アルジェは戦火?」「オランは大丈夫」などと話しています。その後、独立戦争は激しくなり、サンローランも1960年、フランス陸軍に撤兵されるのですが、1ヵ月も経たないうちに、神経衰弱で入院。最終的に除隊。翌年、すぐにピエール・ベルジュと<イブ・サンローラン>を設立しています。
ピエールに支えられながら、華やかに活躍し、2002年1月22日のパリでのオートクチュールコレクションを最後に引退。その後、2008年に亡くなるまで、モロッコのマラケシュでほとんどを過ごしました。映画には、マジョレル庭園と呼ばれる緑溢れる素敵な邸宅も映し出されました。世界の注目をあびるだけの功績をあげただけに、愛する人とひっそりと暮らしたかった彼の思いを感じました。
サンローラン自身のこと以上に印象に残ったのが、アルジェリア独立後、故郷を去らなければならなかった彼の両親のこと。父シャルル・マチュー=サンローランは、1988年にモナコで亡くなっています。父親が海を観てアルジェリアを想う姿をサンローランが眺める場面がありました。縁あって植民地で生まれ育った支配者側の民族の人々も、植民地支配の犠牲者であることに思いが至りました。(咲)


2014年/フランス/カラー/106分/シネスコ
配給:KADOKAWA
(C)WY productions - SND - Cinefrance 1888 - Herodiade - Umedia
http://ysl-movie.jp/

★2014年9月6日(土)角川シネマ有楽町、新宿武蔵野館、シネマライズ他全国ロードショー
posted by shiraishi at 17:47| Comment(0) | TrackBack(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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