2014年08月23日

マルティニークからの祈り   原題:Way Back Home

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監督:パン・ウンジン(『容疑者X 天才数学者のアリバイ』)
出演:チョン・ドヨン、コ・ス

ジョンヨン(チョン・ドヨン)は、夫ジョンベ(コ・ス)が始めた小さな自動車修理工場を手伝いながら、一人娘ヘリン(カン・ジウ)を育てている平凡な主婦。人のいいジョンベが連帯保証人になっていた友人が自殺し、2億ウォンの返済義務が生じてしまう。工場も手放し、家も追い出され、途方に暮れていたところに、南米ガイアナからフランスまで「金の原石」を運べば、高額の謝礼が得られると持ちかけられる。運び屋は女性に限ると言われ、海外旅行もろくにしたことのないジョンヨンが南米に飛ぶ。そして、パリ・オルリー空港に着いたところで、麻薬密輸容疑で逮捕されてしまう。フランス語も英語もわからないジョンヨンには、何が起こったのか訳がわからないまま拘束され、3ヶ月後には中南米のフランス領マルティニークの刑務所に移送される・・・

妻の逮捕を知って、ジョンベは妻を助けようと必死になって韓国の警察や駐フランスの韓国大使館に掛け合いますが、「罪を犯した」者に対しつれない態度。ジョンヨンは、言葉も通じない刑務所暮らしに身も心もぼろぼろ、時折届く夫からの手紙や娘の写真が心の支え。運び屋の仕事を持ちかけた友人が逮捕され、ジョンヨンの無実を証言してくれるも、その大事な書類も大使館の書類の山の下に。
やがて、この事件のことをジョンベの後輩がネットに投稿したことから、テレビ局がマルティニークにジョンベを連れて取材に行きます。再会したジョンヨンの疲れ果てた姿に、申し訳ない思いでいっぱいのジョンベ。
マルティニークには韓国人がいないから通訳も付けられないと大使館員から言われていたのですが、ネットの投稿を見て、留学生が名乗りをあげてくれます。大使館員も、これだけ話題になると動かないわけにはいきません。やっとマルティニークにジョンヨンを訪ねることにするのですが、大使館員の脳裏に浮かんだのは美しいカリブ海。遊び半分なのが見え見え。(私にはマルティニークという地名は初耳でしたが、妹は映画のタイトルを見て、カリブ海の話?と言うくらい、リゾート地として有名なところなのですね。)

カンヌ映画祭で主演女優賞を受賞しているチョン・ドヨンが、突然逮捕されて途方に暮れるごくごく平凡な主婦を体現。甘い顔立ちのコ・スも、自分のせいで遠く離れた監獄にいる妻を何とか救いたいと奔走する夫を好演しています。
本作は、女優出身のパン・ウンジン監督が、2年もの間、言葉の通じない刑務所に収監されていた韓国人主婦のことを知って衝撃を受け、映画化したもの。「映画よりも映画のような事件が起きるのが、私たちが生きるこの現実世界」と語っています。

知らない間に麻薬や密輸の片棒を担いで、異国で収監された日本人の話も時折ニュースになります。思えば、私が1979年に初めて香港に行った時、駐在員の方から、あつらえた靴3足を本社の役員に届けてほしいと預かったことがありました。成田空港で、「預かり物はありますか?」と訪ねられ、正直に「あります」と答えたら、スーツケースを開けて見せる羽目に。下手をしたら、靴底まで調べられそうな勢いでした。人から物を預かることの怖さのようなものを初めて感じたひと時でした。(もちろん、駐在員の方を信用していたので、問題は全くなかったのですが)
パキスタン航空に乗った時に、ちょっとウルドゥー語を使ってみたためにパーサーに気に入られ、飲み物を足繁く届けてくれたりしたのですが、イスラマバード空港に近づいた時、「機長の荷物を持って降りてくれないか」と頼まれました。これは、絶対ヤバイ! 言葉がわからないフリをしてとぼけました。 ほいほい気楽に預かっていたら、もしかしたら収監されていたかも? (咲)


配給:CJ Entertainment Japan
2013年/韓国映画/カラー/韓国語・フランス語・英語/131分
公式サイト:http://martinique-movie.com/
★2014年8月29日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国順次ロードショー
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コピーライトマーク2013 CJ E&M CORPORATION, ALL RIGHTS RESERVED
posted by sakiko at 10:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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