監督・脚本:河瀬直美
撮影:山崎裕
美術:井上憲次
出演:村上虹郎(界人)、吉永淳(杏子)、松田美由紀(イサ)、杉本哲太(徹)、渡辺真起子(岬)、村上淳(篤)、榊英雄(刺青の男)、常田富士男(ジイ)
旧暦8月の奄美大島。高校生の界人(かいと)は祭りの晩に海に浮かぶ男の遺体を発見する。誰にも知らせず、その場から逃げ出す界人を、同級生の杏子が見つめていた。
界人は小学生のころ離婚した母に連れられて島に移ってきた。このごろ母が見せる女の部分がけがらわしく感じられてならない。島で生まれ育った杏子は、食堂を営む父と、ユタ神様の母イサに愛されてきたが、母は重い病で死期がせまっていた。
多感な年頃の少年少女の物語が奄美大島の自然を背景に語られます。もう一組の主人公が対照的な2人の母。都会で暮らして離婚し、現実と格闘している生身の女の岬。人の見えないものを見、神の言葉を身近に聞き、すべてをあるがままに受け入れるイサ。イサのように生きられたらいいなぁと思うものの、たいていは岬のように頑張っていくのでしょう。女手で家計を支えようとすれば肩肘はらざるをえません。
虹郎と杏子がういういしく、島の行事や歌や踊りも織り込まれています。自然と神と人が抗わずに共存しているこの島ならではの作品です。
界人役の村上虹郎くんは父親役の村上淳と歌手UAさんとの息子です。実際に離婚した母UAさんと沖縄で暮らし、カナダの高校に留学中の17歳。これが俳優デビュー作で、初の父子共演となりました。(白)
2014年/日本・スペイン・フランス/カラー/120分/シネスコ
配給:アスミック・エース
(c)2014“FUTATSUME NO MADO” Japanese Film Partners, Comme des Cinemas, ARTE France Cinema, Luis Minarro.
http://www.futatsume-no-mado.com/
映画『2つ目の窓』ブログ
http://futatsume.amamin.jp/
★7月26日(土)全国公開