出演:シュリデヴィ、アディル・フセイン、アミターブ・バッチャン、メーディ・ネブー、プリヤ・アーナンド
シャシは、お菓子づくりが得意で贈答用に売ったりもしているけれど、二人の子どもと忙しいビジネスマンの夫に尽くす平凡な主婦。家族の中で1人だけ英語ができず、娘からは、恥ずかしいから学校の面談に来ないでと言われる始末。そんなシャシが、姪の結婚式準備を手伝うため、家族と離れ、1ヵ月ニューヨークで過ごすことになった。見知らぬ町でコーヒーも頼めなくて途方に暮れていたら、「4週間で英語が話せる」という広告が目に入る。さっそく問い合わせて、英会話学校に通い始める。目標は、4週間後に英語でスピーチすること! フランス人、メキシコ人、韓国人、パキスタン人、タミル系インド人・・・ 様々な国の人たちと一緒に猛特訓が始まる・・・
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普通の主婦が外の世界に飛び込み、いつしか自信を持って輝いていく姿を描いた爽やかな物語。インド映画でヒロインが美女というのは定番ですが、女性自体が主役の映画は実は珍しいのです。監督も女性。1974年生まれのガウリ・シンデーによる初監督作品ですが、映画は大ヒット。インドの情報サイト、レディフ・ドットコムの「2012年版ボリウッドの監督ベスト5」にも選出されるという快挙です。
シャシを演じたシュリデヴィは、1963年生まれ。4歳で子役デビューして以来、出演作は265本以上というスーパースター。97年にプロデューサーのボニー・カプールと結婚し女優業は休業、今作が15年ぶりの映画復帰となりました。
そして、シャシがNYに向かう飛行機の隣の席に、なんとアミダーブ・バッチャン! 英語のわからないシャシの為に、映画を同時通訳。思わず感情がこもって、まわりは迷惑顔という楽しい場面です。
初監督にして、国民的俳優二人の並ぶ姿を撮ってしまったシンデー監督、凄いです。
ガウリ・シンデー監督
監督のお母様はピクルス作りの名人で商売にもしているのに、英会話が苦手。多言語社会のインドでは英語のできることがステイタス。なぜ英語ができないのと母を見下していた反省の思いが映画に反映されているそうです。
最初、NYでコーヒーも頼めなかったシャシ。教室に通ううち、クラスメートと自然に会話がはずむようになり、自分の意見もちゃんと言うようになります。パキスタン男性が偏見に満ちた発言をした時には英語でなくインドの言葉で注意するという配慮も。(シャシの話すヒンディー語と、パキスタン男性が話すウルドゥー語は、文字で書くと全く違って見えますが、文法は同じで、語彙は違うものもあるけれど、会話は成り立ちます。)
シャシがサリー姿でニューヨークの街を闊歩する姿に、伝統を大事にしながら、新しいことにも挑戦する自信に溢れた女性像を監督は描きたかったのだなぁと感じました。(咲)
スタッフ日記ブログ インドのトップ女優シュリデヴィ来日記者会見
http://cinemajournal.seesaa.net/article/398312187.html
シュリデヴィ来日レポートは、特別記事でご覧ください。
http://www.cinemajournal.net/special/2014/madame/index.html
2012年/インド/ヒンディー語・英語/スコープサイズ/134分
後援: 駐日インド大使館
協賛: エアインディア
提供・配給: 彩プロ
公式サイト:http://madame.ayapro.ne.jp
★2014年6月28日より、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開