2014年04月27日
ダーク・ブラッド(原題:DARK BLOOD)
監督:ジョルジュ・シュルイツァー
脚本:ジム・バートン
撮影:エドワード・ラックマン
出演:リヴァー・フェニックス(ボーイ)、ジョナサン・プライス(ハリー)、ジュディ・デイヴィス(バフィー)
映画俳優の夫婦、ハリーとバフィーは、ドライブ旅行に出かけて砂漠地帯で立ち往生してしまった。戻るも進むもできず、誰かが通りかかるのを待とうというハリー。バフィーは遠くに見える明かりを頼りに一軒の小屋にたどりつく。現れた「ボーイ」は妻に死なれて1人住まい。バフィーは自分の女っぷりを試すようにボーイに近づき、ハリーは苦々しく思う。もうすぐ世の終わりが来ると信じるボーイは、美しいバフィーと生きたいと望むのだが。
1993年薬物の過剰摂取のため、23歳の若さで突然逝ってしまったリヴァー・フェニックス。 撮影中だったこの映画は、主役が亡くなったため中止に追い込まれてしまいました。その後大病を患ったジョルジュ・シュルイツァー監督は、未完のままお蔵入りしていたこの作品の編集を再開、ナレーションを加え2012年ついに完成させました。
『スタンド・バイ・ミー』(1986)を初めて観たときに、ティーンエイジャーのはかなさと色気を併せ持った彼に釘付けになりました。キアヌ・リーブスと共演した『マイ・プライベート・アイダホ』も鮮烈な印象を残しました。
遺作となったこの作品のリヴァーは鋭利なナイフのような、それでいてもろく危うい感じがします。実弟のホアキン・フェニックスの活躍を見るにつけ、リヴァーが生きていたらどんな俳優になっていたことかと、今さらながら惜しくてなりません。最後の彼の姿が見られる作品をどうぞお見逃しなく。(白)
2012/アメリカ、イギリス、オランダ/カラー/86分/ビスタ/
配給:マジックアワー)
http://www.dark-blood.com/
★4月26日(土)東京・ユーロスペースほか、全国順次ロードショー
公開を記念して、ユーロスペースでは『アメリカンレガシー』(1992)『マイ・プライベート・アイダホ』(1991)を特集上映。
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック