2014年04月13日

そこのみにて光輝く

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監督:呉美保
原作:佐藤泰志「そこのみにて光輝く」河出書房新社刊
脚本:高田亮
撮影:近藤龍人
出演:綾野剛(佐藤達夫)、池脇千鶴(大城千夏)、菅田将暉(大城拓児)、高橋和也(社長)、伊佐山ひろ子(母)、火野正平

ヤマで働いていた達夫は事故をきっかけに仕事をやめ、パチンコや通いで無為の日々を過ごしていた。たまたま知り合った人懐こい拓児に家まで誘われ、拓児の姉の千夏と出会う。寝たきりの父親を母と介護する千夏は、工場の仕事だけでは家族を養えず、夜の店で身体も売る。愛人の社長は千夏に慰めを見出していながら暴力を振るわずにいられない。達夫は人生をあきらめたようにみえる千夏に次第に惹かれていく。
傷害事件を起こして仮出所中の拓児は、千夏の愛人の経営する造園会社でいいように使われていたが、達夫と一緒にヤマへ戻ることを夢見る。

夏というのに人一人いない浜のそばのバラックが千夏と拓児の家。浜と同じく忘れられたような底辺の人たちの生活がある。いわゆる綺麗なシーンなど一つもなく、カメラと美術が過酷な暮らしを目の前に見せていく。呉監督が描きたかった様々な形の「不器用な愛」を表現する俳優たちは、きっと代表作となるだろう。達夫は千夏を一途に愛していく。人が人を愛するときそこには光がさしているのだ、と思う。
佐藤泰志原作の2本目の映画化(1本目は2010年の『海炭市叙景』)。1989年にこの小説で三島由紀夫賞候補となったが受賞ならず、翌年自ら命を絶っている。達夫と千夏のように一緒に生きていきたい人がいなかったのだろうかと、せんないことを考える(白)。


☆『そこのみにて光輝く』完成披露試写会報告はこちら
http://cinemajournal.seesaa.net/article/390569902.html
配給:東京テアトル
2014年/日本/カラー/120分/シネスコ
(C)2014佐藤泰志/「そこのみにて光輝く」製作委員会
http://hikarikagayaku.jp/
★4月19日(土)テアトル新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国ロードショー

「ミッキーの毎日映画三昧」はこちら
http://mikki-eigazanmai.seesaa.net/article/394287689.html


posted by shiraishi at 16:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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