脚本:デイミアン・チャゼル
撮影:ウナクス・メンディア
音楽:ビクトル・レイェス
出演:イライジャ・ウッド(トム・セルズニック)、ジョン・キューザック(スナイパー)、ケリー・ビシェ(エマ・セルズニック)
若き天才ピアニストのトム・セルズニックは、恩師パトリック・ゴーダルーの追悼コンサートのため5年ぶりにステージに立った。かつて大きな失敗をして以来人前で演奏ができなくなっていたが、愛妻エマの支えでようやく克服できたのだ。ステージには恩師の遺したグランドピアノ”インペリアル”がある。深呼吸をして開いた譜面には「1音でも間違えるとお前を殺す」と書かれていた。誰が何のために?震えるトムはスナイパーの照準がぴたりと自分を捉えていることに気付く。彼はエマをも楯に、演奏中のトムを操る。難曲中の難曲「ラ・シンケッテ」の演奏を完璧にこなさなければエマもトムも命はない。
ステージ恐怖症になったピアニストが演奏中に様々な命令を受けながら、難曲を弾きこなすという今までになかったサスペンス。イライジャ・ウッドがこの難しい状況で、ピアノを弾きつつあの大きな目で不安や恐怖と戦う感情を表現しています。ホビットと違って孤立無援。セルフォンが大活躍です。一昔前ならこの設定は無理でしたね。ほぼコンサート会場内で、しかも演奏中です。監督は長編3作目だそうですが、この采配ぶりと、「ラ・シンケッテ」の作曲もされた音楽家でもあるというのに驚きました。(白)
2013/スペイン、アメリカ/カラー/91分/シネスコ
配給:ショウゲート
(c)NOSTROMO PICTURES SL /NOSTROMO CANARIAS 1 AIE /TELEFONICA PRODUCCIONES SLU /ANTENA3 FILMS SLU 2013
http://grandpiano-movie.jp/
★3月8日(土)より新宿シネマカリテほか全国ロードショー