2014年02月23日

僕がジョンと呼ばれるまで

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監督:風間直美、太田茂
プロデューサー:太田茂
構成:武田浩、ロジャー・パルバース
撮影:松本克己

アメリカ・オハイオ州にある高齢者介護施設。平均年齢80歳以上の入居者の多くが認知症である。スタッフの青年ジョンは毎日「僕の名前を知っていますか?」と尋ねる。いつも答えは「いいえ」。名札を見せて、繰り返してもらうけれど、5分も経つともう忘れている。施設では2011年5月、認知症を改善する取り組みを始めた。トライアル期間は6ヶ月。
エブリンは93歳。アルツハイマー型の認知症。日々の生活も困難で、簡単な質問にもはっきり答えられない。エブリンの娘と息子は「母であったころの母」は、お洒落で手作りが得意で、皮肉なジョークで笑わせていた。その母はもういなくなったと涙ぐむ。スタッフは一番簡単なプログラムから始めた。短い文章を音読・計算問題・1から30までの数字が書かれたコマを紙に印刷された同じ数字の上に置く、など。根気良く説明し、誉めるスタッフ・・・。

この「学習療法」は、東北大の川島隆太氏教授(DS「脳トレ」の先生)らが開発したもの。数や文字といった記号を扱う行為は、それがどんなに単純であっても脳が活発に働くのだそうだ。それを繰り返すことで記憶力の他、理解や判断、処理など他の能力も向上していくという。
これまでの認知症についての映画は、現状を受け入れて穏やかな日々を送る、というラストが多かった。脳が萎縮していく病気なので、それをできるだけ遅らせるか、介護者のストレスを少なくするほか解決策はないのだと思っていた。将来の自分かもしれないおばあちゃんたちの表情の変化、言葉のはしばしに、プログラムの成果と希望を見出してほっとした。ひかえめに寄り添うカメラワークも優しい。(白)
 

2013/日本・アメリカ合作/カラー/82分/ドキュメンタリー
配給:東風
(C)仙台放送
http://doyouknow.jp/
★2014年3月1日(土)より東京都写真美術館にてロードショー
posted by shiraishi at 13:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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