2014年02月16日

怒れ!憤れ!─ステファン・エセルの遺言─    英題:INDIGNADOS

監督:トニー・ガトリフ (『ガッディ・ディーロ』『愛より強い旅』)

出演:ベティほか

 

一人の少女が海からあがってくる。

「アッサラーム・アレイコム。家族の皆さん、ヨーロッパから良い知らせをおくります」と手紙を書き綴る少女。

海を越えてたどり着いたギリシャ。仕事を探すがアテネの町には若いホームレスが溢れている。警察に捕まり指紋を取られ強制送還。だが、少女は諦めず、フランスを目指す。パリの裏通りでも、不法移民や貧しい人たちが炊き出しに並ぶ。バスティーユ広場では、若者たちが「真の民主主義を!」と訴えている。少女はまた警察に捕まり、指紋の記録のあったギリシャに送り返される。少女はめげずに新天地を求めて密航し、スペインを目指す・・・ 

 

空を見上げ、飛ぶ鳥を追いながら一心不乱に踊り続ける少女。

「不法移民でいるより、故郷で動物でいるほうがいい?」という言葉が痛い。

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デモはテロじゃない!

元レジスタンス闘士ステファン・エセル(1917-2013)が、93歳の時に書いた「怒れ!憤れ!」は、平和的な暴動を訴える32ページの書。全世界30ヶ国語に翻訳され、世界の若者たちの心を動かし、2011年のスペイン15-M運動に始まるヨーロッパの大衆運動INDIGNADOS〈怒れる者たち〉に繋がった。

ステファン・エセルの遺したメッセージを、トニー・ガトリフ監督が映像化。

アフリカから夢を求めてヨーロッパに渡った少女の目を通して、パリ、アテネ、イスタンブルのデモの様子が映し出される。さらに、エセルの言葉が影響を与えたといわれるアメリカのウォール街のデモ、アラブの春にも言及する。
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オレンジが坂道をころがるシーンが象徴的。チュニジアで、青果を荷車に乗せて売っていた若者が、販売許可を取ってないとして青果と秤を没収され暴力を受けたことに抗議し焼身自殺を図った。その映像がネットで流れ、全国的な反政府運動となりチュニジアの大統領は追い出された。この「ジャスミン革命」と呼ばれるチュニジアでの事件がアラブの春の皮切りだった。

トニー・ガトリフ流の激しい音楽に乗せて、自由を求める民衆の姿が映し出される力強い作品。(咲)

 

2012/フランス/カラー/1時間28/1:1.85/ドルビーSRD

配給:ムヴィオラ 

公式サイト:http://www.moviola.jp/dofun/

2014年3月1日 (土)より新宿K's cinemaほか全国順次公開

(C) Prince Production



posted by sakiko at 11:51| Comment(0) | TrackBack(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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