2018年12月14日

葡萄畑に帰ろう  英題:The Chair

budoubatake.jpg

監督:エルダル・シェンゲラヤ
出演:ニカ・タヴァゼ、ニネリ・チェンクヴェタゼ、ナタリア・ジュゲリ

ジョージア、国内避難民追い出し省の大臣ギオルギ。肘掛についたボタン一つで操作ができる夢のような椅子を手に入れ、要職の座り心地にご満悦だ。そんな折、首相から避難民対策の思い切った手を打つよう命じられる。力づくで避難民を追い出そうとするが大混乱に陥る。逃げ惑う女性ドナラの美しさに一目惚れし、妻を亡くして独り身のギオルギは彼女を家に連れ帰り、息子ニカの家庭教師にする。同居する義姉マグダは不満げだ。
選挙で、ギオルギの与党が野党連合に大敗。ギオルギは大臣をクビになる。大臣の要職を失ったギオルギだが、ドナラと結婚。ジョージア伝統の結婚式が繰り広げられる。幸福の絶頂にいるギオルギのもとに、財務局から家の明け渡し命令がくる。首相の口利きで不法に入手した家だったのだ。久しぶりに故郷に帰ったギオルギは、母から「あんたの居場所はここ。葡萄畑で働けばいい」と優しく声をかけられる。そうだ、葡萄畑に帰ろう。そんなギオルギのあとを、椅子はどこまでもついてくる・・・

エルダル・シェンゲラヤ監督が、自身の政治家としての経験をもとに描いたユーモアたっぷりの風刺劇。

2017年/ジョージア(グルジア)/ジョージア語/99分/カラー
配給:クレストインターナショナル、ムヴィオラ
後援:在日ジョージア大使館
公式サイト:http://www.moviola.jp/budoubatake/
★2018年12月15日(土)〜岩波ホールほか全国順次ロードショー




posted by sakiko at 11:03| Comment(0) | ジョージア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月09日

メアリーの総て  原題:Mary Shelley

mary.jpg

監督:ハイファ・アル=マンスール(『少女は自転車にのって』)
出演:エル・ファニング、ダグラス・ブース、スティーブン・ディレイン、ジョアンヌ・フロガット、

200年前、フランケンシュタインを生み出したのは、わずか18歳のメアリー・シェリーだった!

1800年代初頭のイギリス。作家を夢見る16歳の少女メアリー。有名な思想家の母は自分を生んで亡くなり、貧しく誇り高い作家の父と暮らしていた。継母と折り合いが悪いのを案じて、父はメアリーをスコットランドの友人のもとに送る。そこで開かれた読書会で、メアリーは異端の天才詩人と評判のパーシー・シェリーと出会い、恋に落ちる。義妹クレアが病に倒れたという嘘でメアリーはロンドンに呼び戻される。そんなメアリーを追いかけてくるほど、パーシーはメアリーにぞっこんだったが、彼には妻子がいた。反対を押し切り駆け落ちし、メアリーは女の子を産むが、借金の取り立てから逃げる途中で娘は亡くなってしまう。失意のメアリーは、義妹クレアに誘われてスイスの詩人・バイロン卿の別荘に赴く。そこで、「皆で一つずつ怪奇談を書いて披露しよう」と持ちかけられる・・・

孤独な怪物フランケンシュタインの物語には、メアリーの人生経験が深く投影されているとのこと。わずか18歳で、それほど波乱に満ちた経験をしていることに驚かされます。
プロデューサーのエイミー・ベアーが、数多くの脚本からこの物語を選び、さらに監督をサウジアラビア出身のハイファ・アル=マンスールを選んだことに興味津々。女性の権利が著しく奪われているサウジアラビアで育ったハイファ・アル=マンスールは、「自分を取り巻く慣習からなんとか解放されるために、自身を見つけようとしながら成長する若い女性の物語」に強く惹かれたといいます。エイミー・ベアーの思惑通り、素晴らしい作品に仕上がっているのですが、いつかまた、自身の経験を生かして、サウジアラビアを舞台に映画を紡いでほしいものです。(咲)



2017年/イギリス・ルクセンブルク・アメリカ/ 121分/ギャガ/DCP
配給: ギャガ
公式サイト:https://gaga.ne.jp/maryshelley/
★2018年12 月15日(土) シネスイッチ銀座、シネマカリテ 他全国順次ロードショー.





posted by sakiko at 19:22| Comment(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ときめき プリンセス婚活記(原題:The Princess and the Matchmaker)

tokimeki.jpg

監督:ホン・チャンピョ
脚本:イ・ソミ
撮影:イ・ヒョンドク
音楽:キム・ドンキ
出演:イ・スンギ、シム・ウンギョン、ヨン・ウジン、カン・ミンヒョク(CNBLUE)、チェ・ウシク、ミンホ(SHINee)他

英祖 29年(1753年)、王(キム・サンギョン)は深刻な大干ばつから民を救うために、あらゆる策を尽くしていた。だが雨は一向に降らない。困り果てた王は占術に頼り、陰陽の均衡の崩れを元通りにするため、婚期を迎えた娘・ソンファ姫(シム・ウンギョン)と、最高の相性を持つ男性を婿として迎え入れ、婚礼を執り行うことを決断する。姫に相応しい婿を見つけるため、朝鮮最高の監察官(占い師)ソ・ドユン(イ・スンギ)を抜擢。一大婚活プロジェクトが始動した。国中から選りすぐりの花婿候補が集い、占いによって最終的に4人に絞られる。しかしソンファは見ず知らずの男性と結婚する事はできないと、4人の素顔を知るべく、宮中を抜け出して町へ出るのだが、ソ・ドユンに見つかり…

結婚する前に相手の顔を見てみたい。主人公ソンファ姫の気持ちはよくわかる。しかし、文字通り、お姫様育ちで世間を知らないソンファ姫が臆することなく出掛けていくので、見ている方はハラハラが止まらない。そんな姫のピンチに遭遇するのが監察官のソ・ドユン。姫の身分を知らずに助け、2人が反発しあいながらも気になってしまうのは、ラブコメ、お決まりの展開である。『怪しい彼女』『サニー 永遠の仲間たち』で人気を博したシム・ウンギョンがはつらつとした明るさでソンファ姫を好演。イ・スンギも朝鮮最高の占い師を知的に演じた上に、アクションまで披露する。年末の忙しさに疲れたときに、頭を空っぽにして楽しめる作品に仕上がった。(堀)

2018年/韓国/シネスコ/110分
配給:ツイン
(C) 2018 CJ E&M CORPORATION, JUPITER FILM, ALL RIGHTS RESERVED
http://tokipuri.jp/
★2018年12月8日(土)シネマート新宿他にて全国順次ロードショー
posted by shiraishi at 16:35| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

暁に祈れ(原題:A Prayer Before Dawn) 

akatuki.jpg

監督:ジャン=ステファーヌ・ソヴェール
原作:ビリー・ムーア
脚本:ジャン=ステファーヌ・ソヴェール、ニック・ソルトリーズ、ジョナサン・ハーシュベイン
製作:リタ・ダゲール
撮影:ダヴィッド・ウンガロ
音楽:ニコラス・ベッカー
編集:マーク・ブクワ
出演:ジョー・コール、ポンチャノック・マブラン、ビタヤ・パンスリンガム、ソムラック・カムシン

ボクサーのビリー・ムーア(ジョー・コール)は、タイで自堕落な生活を過ごすうちに麻薬中毒者になってしまう。ある日、警察から家宅捜索を受けたビリーは逮捕され、タイで最も悪名高い刑務所に収容される。そこは殺人、レイプ、汚職が横行する、この世の地獄のような場所だった。死と隣り合わせの日々を過ごすビリーだったが、所内に設立されたムエタイ・クラブとの出会いが彼を変えていく。

危ない雰囲気が充満する路地裏。喧騒が溢れる。タイ語には字幕がつかないので、何を言っているのか、さっぱりわからず、見ていていらついた気分になる。これこそ、主人公ビリーの気持ちであろう。
イギリス人ボクサーのビリー・ムーアが再スタートを切ろうとしたタイで刑務所に服役し、汚職・レイプ・殺人が蔓延する中、ムエタイでのし上がっていったことを描いた自伝ベストセラー小説をベースにした作品である。ビリーを演じたのは、ポスト“トム・ハーディ”の呼び声高いジョー・コール。『きみへの距離、1万キロ』で演じた中東の女性に恋をするドローン・オペレーターから一転、ボクサー役を務めるため何か月も肉体改造に励み、鋼の肉体を手に入れ、過酷な30日間の撮影に挑んだ。
ビリーが服役する刑務所はまるで、映画でよく見る捕虜収容所。広めのスペースだが、収容人数を超えると思われる囚人がうごめき合う。不衛生極まりない状況だ。しかも、囚人役の大半に元囚人たちを起用。体験に基づいた迫真の演技に、思わず身の毛がよだつ。
しかし、最初こそ言葉が通じず、孤立していたビリーも次第に囚人仲間と絆を育んでいき、その絆が苦難を乗り越える力となっていく。どんな状況でも希望は捨ててはいけないのだと作品は伝えてくれる。
カンヌ国際映画祭の2017年ミッドナイト・スクリーニング部門にて大きな話題となり、批評家サイト、ロッテン・トマトでも96%という高評価を獲得した。(堀)


2017年/イギリス・フランス/英語、タイ語/シネスコ/117分
配給:トランスフォーマー  
(C) 2017 - Meridian Entertainment - Senorita Films SAS
http://www.transformer.co.jp/m/APBD/
★2018年12月8日(土)ヒューマントラストシネマ渋谷&有楽町、シネマート新宿ほか全国順次公開
posted by shiraishi at 16:31| Comment(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

おとなの恋は、まわり道(原題:Destination Wedding)

otonanokoi.jpg

監督・脚本:ヴィクター・レヴィン
撮影:ジョルジョ・スカリ
音楽:ウィリアム・ロス
出演:ウィノナ・ライダー(リンジー)、キアヌ・リーブス(フランク)

空港で同じ便を待っていたフランクとリンジーは、その後行く先々で一緒になる。イケメンだけれど偏屈で人を信じないこじらせ男のフランクと、美人なのに口を開けば毒舌が止まらないリンジーは、同じ結婚式に招かれていたことがわかった。新郎はフランクの父親違いの兄弟だが絶縁中。リンジーには元カレで、婚約までしたのに手ひどく振られた相手であった。それでも運命の相手の存在を信じるリンジーに「そんなものはいない」とバッサリ切るフランク。バトルを繰り広げながら、いつしか近づいていく二人はどうなる??

さあ、みなさま大好きなラブコメにあの二人が戻ってきました。いつのまにか50代半ばにさしかかったキアヌ、個人的にはヒゲを剃ってほしいです。ウィノナは昨年2月日本公開の『アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発』(2015)でも見かけましたが、あいかわらずスレンダーです。ほかに共演者はいるものの「台詞があるのは二人だけ」という特殊な状況の二人劇。これまでにも何度か共演している二人が、いいコンビネーションでストーリーを進めていきます。結婚願望のあるかたにはリンジーの気持ちが理解できるでしょう?まわり道ばかりのおとなの恋を見守ってあげてください。(白)

2018年/アメリカ/カラー/シネスコ/87分/R15+
配給:ショウゲート
http://koi-michi.com/
★2018年12月15日(土)ロードショー
posted by shiraishi at 15:21| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする