2018年10月15日

ピッチ・パーフェクト ラストステージ(原題:Pitch Perfect 3)

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監督:トリッシュ・シー
原作:ミッキー・ラプキン
原案・脚本:ケイ・キャノン
脚本:マイク・ホワイト
音楽:クリストファー・レナーツ
出演:アナ・ケンドリック(ベッカ)、レベル・ウィルソン(ファット・エイミー)、ヘイリー・スタインフェルド(エミリー)、ブリタニー・スノウ(クロエ)、アンナ・キャンプ(オーブリー)、ハナ・マエ・リー(リリー)、エスター・ディーン(シンシア・ローズ)、クリッシー・フィット(フロー)、ルビー・ローズ(カラミティ)

バーデン大学で結成された伝統あるアカペラグループ「バーデン・ベラーズ」。メンバーたちはこれまで歌うことの楽しさを分かち合い、数々のコンテストにも挑戦してきた。世界大会優勝で有終の美を飾り、大学を卒業して数年。輝かしい日々はいつのまにか遠のき、キャリア、恋、友情、家族と思い通りにならない現実の中にいる。そんな彼女たちにUSO(米軍慰問団)の海外ツアーでベラーズ再結成のチャンスが訪れる。しかもDJに認められれば、彼のツアーに前座として加わることができるのだ。すっかりその気で盛り上がるメンバーだったが、同じ目的のバンドが現われる。その実力ハンパなかった。

ずっと楽しみに観てきたこのシリーズ。相変わらず強気で元気なメンバーたち?かと思いきや、あちこちで挫折を経験していました。現実は甘くありません。エイミーはいつも騒ぎのネタを提供しますが、今回も期待どおり。うーん、しかしながら逮捕されるレベルですよ。
ライバルになるガールズバンドにかっこいいお姐さんが!『ジョン・ウィック:チャプター2』『トリプルX:再起動』などに顔を見せていたルビー・ローズでした。シリーズ最終ということで、海外ロケやら爆発やら派手ですが、やはり聞かせどころ、見せどころはアカペラのパフォーマンス。これだけ歌えたら、何も胸の谷間を見せる衣装でなくてもと思うのですが、男性ファンへサービス?
本作のメガホンをとったトリッシュ・シー監督は、元はプロのダンサーと振付師だったそうで、06年に実弟のロックバンドのMVの監督としてデビューしています。それが07年のグラミー賞で「ベスト・ショート・フォーム・ミュージックビデオ」賞を獲得。メジャーに躍り出ました。この作品にぴったりの女性監督さんですね。(白)


2017年/アメリカ/カラー/シネスコ/93分
配給:パルコ、シンカ
(C)2017 UNIVERSAL STUDIOS
http://pitchperfect-last.jp/
★2018年10月19日(金)TOHoシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
posted by shiraishi at 20:48| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

止められるか、俺たちを

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監督:白石和彌
脚本:井上淳一
撮影:辻智彦
音楽:曽我部恵一
出演:門脇麦(吉積めぐみ)、井浦新(若松孝二)、山本浩司(足立正生)、岡部尚(沖島勲)、大西信満(大和屋竺)、タモト清嵐(秋山道男/オバケ)、毎熊克哉(小水一男/ガイラ)、伊島空(高間賢治)、藤原季節(荒井晴彦)、吉澤健 (カプリコンマスター)、高岡蒼佑(大島渚)、寺島しのぶ(前田のママ)、奥田瑛二(葛井欣士郎)

1969年、原宿のセントラルアパートに若松プロダクションがあった。33歳の若松孝二はピンク映画の黒澤とよばれ、若者達を熱狂させていた。21歳の吉積めぐみは、若松プロダクションの門を叩き、受け入れられた。助監督としてあらゆる雑用をこなし、映画青年の熱気と狂騒の渦の中にいる。彼らの語る映画が次々と形となり、世に出て行く。めぐみは「映画を撮りたい」と思いながらも「何を撮ったらいいかわからない」と焦燥感を抱く。

若松監督をこの目で見たのは2007年第20回東京国際映画祭の記者会見でした。『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)』が「日本映画・ある視点 」での作品賞を受賞されたときだったと思います。迫力のある方というのが第一印象。その後機会もなく、急な訃報を聞いたのが6年前。存命だったならどんな作品が増えていたのでしょう。どんな後輩を送り出していたでしょう。せんないことですが、つい考えます。
ほぼ50年前の「何者かになりたい」若者たちの中で、何人かが去っていき、何人かが今も映画界で活躍中。この作品は実際に当時若松監督に鍛えられた白石監督はじめ、多くの方々の熱意が集結して作られました。ものまねでもなく内輪の同窓会でもなく(ほんとに凄いメンバーなんですよ)、フィクションも織り交ぜて当時の熱気を伝えてきます。映画作りの裏側のようすも面白く見ました。この若い俳優さんたちの若松プロの日々に、そこにいたこともないのになぜか懐かしい気がしています。(白)


2018年/日本/カラー/シネスコ/119分
配給:若松プロダクション、スコーレ
(C)2018 若松プロダクション
http://www.tomeore.com/
★2018年10月13日(土)よりテアトル新宿ほか全国順次公開
posted by shiraishi at 12:10| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする