2018年10月21日

ザ・アウトロー(原題:Den of Thieves)

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監督:クリスチャン・グーデガスト
製作:ライアン・カヴァナー、マーク・キャントン
脚本:クリスチャン・グーデガスト、ポール・シェアリング
出演:ジェラルド・バトラー、パブロ・シュレイバー、オシェア・ジャクソン・Jr、カーティス”50 セント”ジャクソン

ロサンゼルス郡保安局の重犯罪特捜班を率いるニック(ジェラルド・バトラー)は、恐ろしいほど冷静なレイ・メリーメン(パブロ・シュレイバー)が率いる集団が銀行強盗を企てていることを突き止める。彼らは特殊部隊に従軍したことがあり、刑務所で刑期を終えたばかりの強者揃い。連邦準備銀行のロサンゼルス支店を襲い、米国通貨として不適当な3000万ドルがシュレッダーにかけられる前に強奪する計画を立てていた。ニックたちはメリーメンたちを少しずつ追い詰めるが、ドラマは予想しない結末へと進展していった。

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作品冒頭の説明では、ロサンゼルスでは48分に1回、銀行強盗が発生しているという。想像できないレベルの危険性に驚いていると、さっそく派手な銃撃戦が始まった。緊張感あふれるスタートに期待が高まる。
そこに登場するのが、ロサンゼルス郡保安局特別班を率いるニック。「これでも刑事?」というワイルドなアウトローぶりをジェラルド・バトラーがヤニ臭さ満載に体現する。武闘派の印象だ。一方、強盗集団リーダー・メリーメンは「非武装の民間人は撃つな」と厳命し、人を傷つけずにミッションの完遂を目指す。こちらはむしろ知性が感じられる。
ニックたちは強盗集団の銀行襲撃計画を阻止するために奔走するが、メリーメンは先手先手でかわす。本能と知能の対決である。この過程で双方のバックボーンがしっかり描かれ、ただのクライムアクション作品とは一線を画す。
ラストの派手な銃撃シーンは一騎打ちにもつれ込むが、矜持をかけた戦いに胸が熱くなった。
ところが本作はそこでは終わらない。伏線をきっちり回収。まさかの勝者に驚くとともに、気持ちよく騙されたと爽快さが残るだろう。(堀)


2018年/アメリカ/カラー/140分
配給:プレシディオ
(C) Motion Picture Artwork (C) 2017 STX FINANCING, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
https://the-outlaw.jp/
★2018年10 月 20 日(土)新宿バルト9ほか 全国ロードショー
posted by shiraishi at 02:45| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

マイ・プレシャス・リスト(原題:CARRIE PILBY)

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監督:スーザン・ジョンソン
原作:カレン・リスナー(Caren Lissner)著(2003年)
出演:ベル・パウリー、ガブリエル・バーン、ネイサン・レイン、ヴァネッサ・ベイアー、ジェイソン・リッター、ウィリアム・モーズリー、コリン・オドナヒュー

ニューヨークのマンハッタンで暮らすキャリー(ベル・パウリ―)はIQ185、ハーバード大学を飛び級で卒業した天才だが、友達も仕事も持たず、読書ばかりしている【コミュ力(りょく)】ゼロの屈折女子。話し相手はセラピストのペトロフ(ネイサン・レイン)だけ。ある日彼はキャリーにリストを渡し、そこに書かれた6つの課題を1か月間でクリアするように告げる。「何のために?」「それで問題はすべて解決するの?」半信半疑ながらも、まずは金魚を2匹飼い始め、昔好きだったチェリーソーダを飲み、新聞の出会い広告でデート相手を探し…と1つずつ項目を実行していくキャリー。そして、人と関わり打ち解けたり傷ついたりする中で、徐々に自分の変化に気づいていく。キャリーは果たしてリストを全てクリアして、幸せを手にすることができるのか――?

セラピストがキャリーに出した課題は次の6つ。
・ペットを飼う
・子供の頃に好きだったことをする
・デートに出かける
・友達を作る
・一番お気に入りの本を読む
・誰かと大晦日を過ごす
こんなことで本当に幸せになれるのか。疑問を感じるキャリーだが、人と関わるうちに仲間と呼べる存在を得て、多様な価値観を受け入れられるようになっていく。キャリーを演じたベル・パウリーはストーリーが進むにつれて笑顔が増え、感情表現も豊かに。これも人と関わるようになったからか。一人でいたら笑えない。「ちょっとやってみようかな」という気がしてくる。
ところで、キャリーが人とコミュニケーションが取れないのは、すべて本人のせいだろうか。IQが高く、飛び級でハーバード大学を卒業した天才は私たちとは違うと、こちらも壁を作っているのかもしれない。多様な価値観の受け入れが必要なのは私たちにもいえること。誰に対してもフラットな気持ちを持つことがコミュニケーションの基本と、作品は見ている者にも気づきを与えてくれる。(堀)


2016/アメリカ/英語/カラー/ビスタ/98分
配給:松竹
(C) 2016 CARRIE PILBY PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED. http://my-precious-list.jp/
★2018年10月20日(土)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー
posted by shiraishi at 02:43| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

テルマ (原題:THELMA)

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監督・脚本:ヨアキム・トリアー
出演:エイリ・ハーボー、カヤ・ウィルキンス、ヘンリク・ラファエルソン、エレン・ドリト・ピーターセン

ノルウェーの人里離れた田舎町で、信仰心が深く抑圧的な両親のもとに育った少女テルマ。なぜか彼女には、幼少期の記憶がない。オスロの大学に通うため一人暮らしを始めたテルマは、同級生のアンニャと初めての恋におちる。募る欲望と罪の意識に引き裂かれながらも、奔放な彼女に強く惹かれていくテルマ。だが、それは封印されたはずの“恐ろしい力”を解放するスイッチだった―。 テルマは不可解な発作に襲われるようになり、その度に周りで不気味な出来事が起こる。そんな中、アンニャが忽然と姿を消してしまう。果たして、テルマの発作とアンニャ失踪の関係は? 両親が隠し続けてきたテルマの悲しき過去が明かされる時、自分すら知らない“本当の自分”が目覚め始める―。

父が幼い娘に銃を向ける。作品冒頭から不穏な空気が漂う。大学生になった少女にてんかんの発作が起こると、人知を超えた能力が目覚め、北欧の風景をスタイリッシュに切れ割くように怪奇現象が現れる。少女は神か、悪魔か。じわじわと蝕むように広がる不安感。静謐な不気味さが画面を支配する。抑圧的な親から解放された本人的ハッピーエンドの先に阿鼻叫喚の修羅場が見えた。(堀)

2017 年/ノルウェー・フランス・デンマーク・スウェーデン/カラー/シネスコ/5.1ch デジタル/116 分
配給:ギャガ・プラス
(C) PaalAudestad/Motlys
https://gaga.ne.jp/thelma/
★2018年10 月 20 日(土) YEBISU GARDEN CINEMA、ヒューマ ントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開
posted by shiraishi at 02:35| Comment(0) | 北欧 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ごっこ

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監督:熊澤尚人
原作:「ごっこ」小路啓之(集英社ジャンプコミックス デラックス刊)
脚本:熊澤尚人・高橋泉
撮影:今村圭佑
照明:織田誠
音楽:安川午朗
出演:千原ジュニア、優香、平尾菜々花、ちすん、清水富美加、秋野太作、中野英雄、石橋蓮司

大阪の寂れた帽子店には、40歳目前にも関わらずニートの城宮と、5歳児・ヨヨ子の親子が仲睦まじく暮らしていた。
実はこの二人、他人に知られてはいけない秘密を抱えた親子だった。
十数年ぶりに城宮が実家に戻ったことを知る幼馴染で警察官のマチは、突如現れたヨヨ子に疑いの目を向ける。
ごっこ生活のような不安定な二人のその日暮らしはある日突然、衝撃の事実によって崩壊してしまう……。
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社会から孤立していたニートな男性が守らなくてはいけない存在を得たことで変わっていく。ただ、行き過ぎた責任感が悲劇をもたらすことに。幼児虐待、年金の不正受給、ひとり親の子育てなどの社会問題がうまく盛り込まれている。子役の平尾菜々花ちゃんの目力に圧倒された。主演の千原ジュニアは始終不機嫌だが、最後に見せた笑顔に救われる。清水富美加が出演していたとは!(堀)

2017/日本/カラー/5.1ch/ビスタサイズ/114分
配給:パル企画
(C) 小路啓之/集英社 (C)2017楽映舎/タイムズ イン/WAJA http://gokko-movie.jp/
★2018年10月20日(土)より、ユーロスペースほか全国順次ロードショー
posted by shiraishi at 02:32| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

恋のしずく

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監督:瀬木直貴
脚本:鴨義信
主題歌:和楽器バンド「細雪」
出演:川栄李奈、小野塚勇人、宮地真緒、中村優一、蕨野友也、西田篤史、東ちづる、津田寛治、小市慢太郎、大杉漣

東京の大学でワインソムリエを目指す“日本酒嫌い”のリケジョ・橘詩織(川栄李奈)の実習先は、意に反して東広島・西条の日本酒の酒蔵に決まる。この実習単位が取得できないとワインの本場フランスでの海外留学への道も閉ざされてしまう。渋々実習先の乃神酒造へ訪れた詩織だったが、今年は実習生の受け入れ予定はないと言われる。実は、蔵元(大杉漣)が受け入れを断ったにも関わらず、息子である莞爾(小野塚勇人)が父親への反抗心から勝手に進めていたのだった。どうしても単位が欲しい詩織は食い下がり、酒蔵で修行に近い「実習」が始まった。人々との出会いや日本酒造りを通じて、今までにない喜びを見出す詩織。そんな時、蔵元の体調が急変し、思わぬ転機が訪れる。詩織は好きになった日本酒、西条の街や人々、そして思いがけず抱いた莞爾へのほのかな思いをどう決断していくのかー。

主演は川栄李奈。2018年だけでも『嘘を愛する女』『プリンシパル 恋する私はヒロインですか?』『センセイ君主』とすでに3本の作品に出演し、この後も『人魚が眠る家』の公開が控えているなど最近の活躍が目覚ましいが、意外にも本作が初主演作だという。瀬木直貴監督は憑依型の女優と評し、全幅の信頼を寄せている。日本酒嫌いでワイン好きのリケジョが酒蔵へ実習に行き、日本酒の魅力に気づいていく姿を伸びやかに演じた。
日本酒は温度、合わせる料理により、その美味しさは何倍にもなる。フレンチにはワインというのも思い込み。銘柄を選べば、日本酒でも合う。作品の中で主人公が美味しさに驚いた「熱燗にトンカツ」の組み合わせは試したくなった。瀬木直貴監督はこれまでもラーメン、唐揚げといった生活に根差した食材をテーマに取り上げてきたが、今回も日本酒について綿密なリサーチが行われていたのを感じる。
ストーリーは蔵元の父と息子の確執にも焦点にあてている。反発する息子を陰で認める父に、本作が遺作となった大杉漣。(堀)


2018年/日本/カラー/100分
配給:ブロードメディア・スタジオ
(C) 2018「恋のしずく」製作委員会 http://koinoshizuku.com/
★2018年10月20日(土)全国ロードショー
posted by shiraishi at 02:27| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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