2018年09月30日

あまねき旋律(しらべ)   原題:kho ki pa lü  英題:Up Down & Sideways

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監督:アヌシュカ・ミーナークシ、イーシュワル・シュリクマール
製作:ウ・ラ・ミ・ル プロジェクト

インド東北部ナガランド州ペク県。急な斜面に作られた棚田や、山間の道には、いつも歌が轟いている。農作業をする時にも、重い荷物を運ぶ時にも、そして恋をする時にも、ここの村人たちの生活は歌と共にある。
ミャンマー国境近く位置するこの地に住む民族「チャケサン・ナガ」の民謡で、「リ」と呼ばれる歌は、南アジアの音楽文化では極めてまれなポリフォニー(多声的合唱)で歌われる。二部合唱から最大では混成八部合唱。
共同監督の、アヌシュカ・ミーナークシとイーシュワル・シュリクマールは、インドの南部出身。インド各地の踊りや歌のパフォーマンスを取材する中で、ナがランドの労働歌に魅せられて、1本のドキュメンタリーに仕立て上げた。


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イーシュワル・シュリクマール監督(左)とアヌシュカ・ミーナークシ監督 (撮影:宮崎暁美)
監督のお二人が来日されたのは、8月初め。暑い熱い真っ只中でした。「私たちは、もっと暑いところから来ましたら大丈夫」とにっこり。

プレス資料に、この映画に魅了され、日本公開に一役買った大澤一生さんによる、詳細なインタビューが掲載されていて、取材時間をいただいたものの、さて、それ以上に何をお伺いすればいいのかと思いながら、お二人にお会いしました。
(大澤さんの充実のインタビューの掲載されたパンフレットが、劇場でも入手できます。)
インタビューの詳細は別途お届けしますが、印象的だったことを、ここで少しだけ披露します。(咲)

*キリスト教のはたした役割
村の中で、ひときわ目立つ白い大きな教会。キリスト教が入ってきて、冠婚葬祭はキリスト教式のものにすっかり変わっています。ですが、決してキリスト教が伝統を壊してしまったわけではなく、価値ある伝統は何なのかを気づかせてくれた存在になっていると思います。また、民族祭り開催に資金的サポートをしています。
一番人口の多いのがバプテスト教会。リバイバル(復興)教会の会派の人たちは伝統的なことを歌に歌ってはいけないので旋律だけ残しています。

*伝統的衣装を写真に残す意味
写真家が外国からきた歴史が英国統治時代からありました。民族衣装のまま畑仕事をしている写真が出たりしていますが、年に1回くらいは正装することはありますが、日常は違います。
「撮る」と言うと、着がえてくる! インド軍がナガランドの80%を焼き尽くした時に、民族衣装やアクセサリーがずいぶん消えてしまったので、ナガランド独自のものを写真に残すことは大きな意味があります。

アヌシュカ&イーシュワル監督インタビュー 全容はこちらで!
http://cineja-film-report.seesaa.net/article/462148044.html



◆ポレポレ東中野 トークイベント
(※トークは全て上映後)
・10/6(土)12:30〜 アヌシュカ・ミーナークシ & イーシュワル・シュリクマール監督スカイプトーク (インドから中継)
・10/7(日)12:30〜 村山 和之 (中央大学・和光大学講師)
・10/7(日)19:00〜 今福 龍太(文化人類学者・批評家)×金子 遊(映像作家、批評家)
・10/11(木)19:00〜 望月 優大 (ライター/編集者)
・10/12(金)19:00〜 木村 真希子 (津田塾大学学芸学部准教授)
・10/13(土)19:00〜 藤井 美佳 (字幕翻訳者)
・10/14(日)12:30〜 松岡 環 (アジア映画研究者)
・10/15(月)19:00〜 鎌仲 ひとみ (映像作家)
・10/19(金)19:00〜 纐纈 あや (映画監督)
・10/20(土)17:00〜 井口 寛 (レコーディングエンジニア) ×大石 始 (ライター/エディター)


山形国際ドキュメンタリー映画祭(日本)・アジア千波万波部門 奨励賞/日本映画監督協会賞

2017年/インド/83分/チョークリ語/16:9/カラー
配給:ノンデライコ
公式サイト:http://amaneki-shirabe.com/
★2018年10月6日(土)よりポレポレ東中野ほか全国順次公開





posted by sakiko at 22:10| Comment(0) | インド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

かごの中の瞳(原題:ALL I SEE IS YOU)

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(c)2016 SC INTERNATIONAL PICTURES. LTD

監督・脚本:マーク・フォースター
出演:ブレイク・ライヴリー、ジェイソン・クラーク、ダニー・ヒューストン

子供の頃に交通事故で視力を失ったジーナ(ブレイク・ライヴリー)は保険会社に勤める夫のジェームズ(ジェイソン・クラーク)の献身的に支えられ、何不自由なくタイのバンコクで暮らしていた。ある日、評判の高いヒューズ医師(ダニー・ヒューストン)の勧めで角膜の移植手術を受け、右目の視力を取り戻す。しかし、ジーナの瞳に映ったのは、想像していたナイトのように頼もしい素敵な夫ではなく、地味で平凡な中年男の姿だった。心の奥底に眠っていた好奇心や冒険心が目を覚ましたジーナは、髪を染め、流行のファッションで着飾り、外の世界へと飛び出していく。一方のジェームズは、徐々に嫉妬と疑念の思いを抱き始めていた。ところが突然、ジーナが再び視力を失い始める。

地味な装いとすっぴんに見えるメイク。ファッションアイコンのブレイク・ライヴリーとは思えない姿に驚かされた。そして、ぼやけた感じの映像がスクリーンに広がり、揺らめく。見えないとはこういうことなのか。
視力を取り戻したジーナは人生も取り戻したかのように、積極的に行動し始める。そんな妻に不安を覚えるジェームズ。視力は幸せではなく、すれ違いをもたらしたようだ。互いに疑い深くなり、ストーリーはサスペンス性を帯びてくる。
「大切なものは目に見えない」。星の王子様の言葉を思い出した。(堀)


2016年/アメリカ/英語/カラー/シネマスコープ/5.1ch/ 1時間49分/ R-15 日本語字幕:佐藤恵子
配給:キノフィルムズ|木下グループ
http://www.kagonaka.jp/
★2018年9月28日(金)より、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
posted by shiraishi at 22:04| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

劇場版「フリクリ オルタナ」、劇場版「フリクリ プログレ」

劇場版「フリクリ オルタナ」
監督:上村泰
副監督:鈴木清崇
脚本:岩井秀人
声の出演:新谷真弓、美山加恋、吉田有里、飯田里穂、田村睦心、小西克幸、永塚拓馬、鈴木崚汰、伊藤美紀、真坂真帆、森功至、松谷彼哉、青山穣

モヤついている高校生・河本カナ。
嵐のごとく登場するハル子。その時カナの額にお花が生えた!
煙を吐きがら街をぶっ潰すアイロン。
毎日が、毎日毎日続いていくと思っていた・・・
力を手に入れたカナはアイロンをぶっ飛ばせるのか!?
(135分)
★2018年9月7日(金)より公開中

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c︎ 2018 Production I.G / 東宝

劇場版「フリクリ プログレ」
監督:荒井和人、海谷敏久、小川優樹、井端義秀、末澤慧、博史池畠
脚本:岩井秀人
声の出演:林原めぐみ、沢城みゆき、水瀬いのり、福山潤、村中知、中澤まさとも、黒沢ともよ、井上喜久子、大倉孝二、菅生隆之、浦山迅、鈴木れい子

ありとあらゆる命題に明確な答えを用意せず、生理的欲動の充足のみをシコシコ満喫しその日暮らすような説得力ゼロ青少年たち。
その中でなんてことない日常を過ごすヘッドフォンの少女ヒドミ。
彼女が轢かれた夜、クラスメイトの少年・井出の額から巨大ロボットが出現した!
ハル子から分裂したラハルとジンユと出会い、特別なことなんてない日常≠ェ終わりを告げる―!!!!!
(136分)
★2018年9月28日(金)より公開

2000年に発表されたOVA「フリクリ」全6巻は世界中のアニメファンを熱狂させた名作と言われている。その「フリクリ」の続編として作られたのが、劇場版「フリクリ オルタナ」劇場版「フリクリ プログレ」である。アメリカではCARTOON NETWORK Adult Swim で、それぞれ全6話として放送されたが、国内では6話を1本に繋いで劇場で公開された。
今回公開された2作品、どちらもSF的世界観はOVA「フリクリ」と同じだが、舞台やメインの登場人物は異なっている。OVA「フリクリ」全6巻を未見だったが問題はなかった。アニメファンには賛否両論あるようだが、独立した作品と思ってみれば、見えてくるものがある。

(世界観といっていいのか、わからないが、宇宙の偏執的な平等化を目的とする組織メディカルメカニカによって、世界各地にビルのように巨大なアイロンが置かれ、その巨大なアイロンが起動すると惑星が平らにされる)

先行して公開された劇場版「フリクリ オルタナ」は高校2年生のカナ、ペッツ、ヒジリー、モッさんの女子高生4人が主人公。「フリクリ」に登場したハルハラ・ハル子がこの作品にも顔を出し、カナたちを振り回す。しかし、ベースになっているのは彼女たちの青春群像劇。年上の男性との恋、恋なのか友情なのかわからない想い、将来に向けての夢など、思春期ならではの悩みを通じて、仲良しといいつつ、お互いが感じている距離感の違いを炙り出した。思っていることははっきり言わなきゃダメというメッセージを感じる。

続いて公開された劇場版「フリクリ プログレ」は6人の監督が1話ずつ担当するが、その話も中学2年生のヒドミ、井出、マルコ、吾郎を中心に話は展開。本作ではハルハラ・ハル子がラハルとジンユという2人に分裂し、それぞれの立場で関わってくる。「フリクリ オルタナ」よりもアクションシーンが多く、スピード感のある印象を受けた。

その一方で、ぐだぐだな日常を過ごす井出、マルコ、吾郎の3人の見ていると、『男子高校生の日常』(2013年)を思い出す。こちらは高校生だが、彼らの頭の中は根本的に変わらない。大人の女性にはいちばん遠い存在だが、考えていることは意外に単純なのかもしれないと思えてくる。(堀)


公式サイト:http://flcl-anime.com/progre/
posted by shiraishi at 21:57| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

パーフェクトワールド 君といる奇跡

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監督:柴山健次
原作:有賀リエ「パーフェクトワールド」講談社Kiss連載中
脚本:鹿目けい子
撮影:板倉陽子
音楽:羽毛田丈史
主題歌:E-girls「Perfect World」
出演:岩田剛典(鮎川樹)、杉咲花(川奈つぐみ)、須賀健太(是枝洋貴)、芦名星(長沢葵)、マギー(渡辺剛)、大政絢(雪村美姫)

インテリアデザインの会社で働くつぐみは取引先の会社との飲み会で、高校時代の先輩である鮎川樹に再会する。樹は昔からの夢の1級建築士になり、変わらぬ笑顔でいた。つぐみは秘かに思っていた初恋の人だったが、樹が車椅子に乗っているのを見て胸をつかれる。打ち合わせでまた会えたつぐみに、樹は大学生のときに事故に遭い、以来車椅子生活なことを淡々と打ち明ける。つぐみは仕事に打ち込んで熱を出した樹のもとにかけつけ、それからたびたび樹の手助けをするようになった。樹への気持ちがあふれてくるつぐみは、ついに告白するのだが。

人生は誰にでも容易じゃないけれど、途中でハンデを負った人にはさらに過酷なものになります。目の前に山積みする問題をひとつひとつ丁寧に片付けていくしかありません。そんな登場人物に選ばれたキャストがぴったり。やさしくてまっすぐ、でもそれだけでもいけない。岩田剛典さんの爽やかさ、杉咲花さんの素直さ、周りのどの人も物語を支える核になり、花になっています。
公式サイトに樹のモチーフとなった車椅子の1級建築士、阿部一雄さんのエッセイが掲載されています。健常者から障がい者になり、双方の気持ちがわかる阿部さんの言葉は率直で響きました。「不便だけど不幸じゃない」いいね。不便は不幸よりも目に見えて改善しやすいですから。車椅子体験の機会をつかまえて試してみます。(白)


不器用なくらい自分の気持ちに真っ直ぐなつぐみに、交通事故で下半身不随になり、幸せを諦めていた樹が心を開いていく。付き合い始めた頃に女性が感じる不安。それを察して、樹はつぐみにさりげない気遣いをする。岩田剛典が爽やかに示すのはカッコよすぎでしょう。
事故をきっかけに別れた元カノが結婚する。つぐみに諭され、祝いに出向いた樹に気がついた元カノが流した涙に事故後の2人の苦しみが見えたよう。また、感覚がない危険性や合併症の怖さを作品で知る。付き合うには覚悟が必要というヘルパーの厳しい言葉は決して意地悪からでない。元カノやヘルパーを主人公にしたスピンオフが作れそうなくらい、人物設定がしっかりされているのを感じた。(堀)


2018年/日本/カラー/シネスコ/102分
配給:松竹、LDH PICTURES
(C)2018「パーフェクトワールド」製作委員会
http://perfectworld-movie.jp/
★2018年10月5日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 19:35| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

あのコの、トリコ。

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監督:宮脇亮
原作:白石ユキ
脚本:浅野妙子
撮影:川口次男
出演:吉沢亮(鈴木頼)、新木優子(立花雫)、杉野遥亮(東條昴)、水上剣星(酒井)、大幡しえり(咲)

鈴木頼は、幼馴染の立花雫と同じ東京の高校に転入してきた。子どものころから女優を目指している雫は、今も明るくてよく目立つ女の子だ。ひょんなことから雫の付き人になってしまった頼(より)は、雫のために役立つことが嬉しい。雫と広告撮影に行ってみると売れっ子の東條昴が帰ってしまい、中止のはめに。カメラマンは、頼に気づいて急遽代役に立てる。頼は雫が降板しなくてすむように、思い切ってカメラの前に立つ。結果は上々だった。ふたりの広告は好評だったが、いつも目立たず地味なメガネ男子の頼は少しも気づかれることはない。東條昴は自分の相手役に雫を指名、しかも雫への愛を告白する。

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昨年は5本、今年はこれで8本の映画公開という吉沢亮さんはまさに旬の人。イケメンひしめく同世代の男優さんの中にあっても目が止まるこの美貌は、前髪やメガネくらいで隠せるもんじゃありません。ストーリーは王道青春で先の予想がついてしまうのですが、広告撮影のシーンはファン悶絶です。王子様ルックも必見と眼福な作品。SUPER★DRAGONの面々も出演しています。
吉沢亮さんは2009年のアミューズの新人発掘オーディションで特別賞。デビューのきっかけをつかみました。このときグランプリを獲得したのは野村周平さん。『男子高校生の日常』(2013)でのおバカな高校生トリオがその野村さん、菅田将暉さん、吉沢亮さんだなんて。最近歌とダンスもいけてることがわかりました。安田顕さんと共演のチョコレートのCMも最強です。(白)


吉沢亮が魅力を封印して冴えないメガネ男子を演じる。猫背な感じでボソボソ喋っていたが、好きな女の子のステップアップを助けることで自分も俳優として覚醒する。ラストに背筋を伸ばし、くっきりと話した途端、いつものカッコいい吉沢亮が現れた。姿勢の良さって大事なのね。これは男女問わず参考になるかも。(堀)

2018年/日本/カラー/ビスタ/99分
配給:ショウゲート
(C)2018 白石ユキ/小学館・「あのコの、トリコ。」製作委員会
http://toriko-movie.jp/
★2018年10月5日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 18:56| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

イコライザー2(原題:The Equalizer 2)

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監督:アントワン・フークア
脚本:リチャード・ウェンク
撮影:オリバー・ウッド
音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
出演:デンゼル・ワシントン(ロバート・マッコール)、ペドロ・パスカル(デイブ・ヨーク)、アシュトン・サンダース(マイルズ・ウィタカー)、ビル・プルマン(ブライアン・プラマー)、メリッサ・レオ(スーザン・プラマー)

CIAを退き、今は一介の運転手として暮らしているマッコール。ホテル前で乗せた女性客の姿に異変を感じ、乗り込ませた若い男の部屋を訪ねていく。数人の男たちはたちまちマッコールに叩き伏せられてしまう。彼は誰に命じられたわけでもなく、見過ごせない悪人を1人成敗しているのだった。そんな彼を心配するのはかつてCIA時代上官だったスーザン。唯一の理解者で友人の彼女が、ある日何者かに殺されてしまう。
もう2度とCIAに関わるまいと思っていたマッコールだったが、真犯人を探すため何年ぶりかで元の同僚の前に姿を現す。

『イコライザー』は2014年10月に日本公開されています。元はテレビドラマのシリーズ「ザ・シークレット・ハンター」。equalizerを訳せば「等しくする人」で、普通に使っている「イコール(=)」から?目には目をで、ひどい目に合わせた人に仕返す、ってことなんでしょうか。それもストップウォッチを使って「ほんの数十秒のうちに」です。
デンゼル・ワシントンは正義の人というイメージがありますが、アントン・フークア監督との初タッグの『トレーニングデイ』でそれまでのイメージを覆し、主演男優賞を獲得しました。今回は製作にも名を連ね、倍返しくらい思い切りやっちゃっているマッコールです。血なまぐさいだけでなく、運転手として縁があった人のいいエピソードも盛り込んでいます。(白)


一瞬で状況判断し、そこにあるものを使って悪を抹消する主人公。表の姿が前作のホームセンター店員からタクシー運転手へ変わったが、か弱き存在の無念を晴らすのは同じ。友人の死の謎を解き、まさかの敵と対峙する。嵐の中の死闘は見応えたっぷり。デンゼル・ワシントンがキャリア初の続編出演とのこと。3作目も期待したい。(堀)

2018年/アメリカ/カラー/シネスコ/121分
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
http://www.equalizer2.jp/
★2018年10月5日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 17:32| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

僕の帰る場所

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監督・脚本・編集:藤元明緒
プロデューサー:渡邉一孝,吉田文人
共同プロデューサー:キタガワユウキ
撮影:岸建太朗
音楽:弥栄裕樹
出演:カウンミャットゥ、ケインミャットゥ(母)、アイセ(父)、テッミャッナイン、來河侑希(ユウキ)、黒宮ニイナ(先生)、津田寛治(店長)

東京のアパートでつましく暮らしているアイセとケイン夫婦はミャンマーから来日し、難民申請中だ。6歳のカウンと3歳のテッは日本育ちで、母国語がほとんど話せない。ある日アイセが入国管理局に捕まってしまい、ケインは必死で子どもたちとの生活を支える。ようやくアイセが戻されてきたが、ケインは不安が嵩じて体調を崩し、子どもたちを連れてミャンマーへ帰っていく。カウンはこれまでいた東京とは何もかも違うミャンマーでの生活に馴染めない。実家に戻って元気になった母親にも反発する。日本に戻りたいカウンは、リュックを背負って1人で空港へと向かう。

繁華街を歩くと外国の方々が多くなったなぁと感じます。観光客でなく、実際に暮らしている人がどのくらいいるのか、法務省の統計で2017年12月で256万人とあり、これまで最多です。東京にはその5分の1の53万人が暮らしています。
本作のミャンマー人家族は母国の政情不安から難民申請をしていますが、認定されるまでただ待っているわけにいかず、生活のために働いています。就労にも条件があって(複雑なのでここでは書ききれず)、父親が連れていかれるのもそれが理由のようです。そんな事情をほとんど知らなくて「すみません」と言いたくなってしまいました。
家族が一緒に暮らしたい、という誰にもある共通の願いをこの映画は丹念に描いています。大人の世界の事情、それについていかねばならない子どもの心情を胸痛めながら観ました。それを本当に6歳と3歳の子が見せてくれています。カウンくん、テッくんの嘘のない眼差しが心に刻まれます。ほぼドキュメンタリーのように自然なので、アイセさんが実はこの映画だけのお父さん(役)というのに驚きました。この関係性を作るのに、じっくりと時間をかけたそうです。映画の成り立ちや、子どもたちへの演出などについて、藤元監督に伺いました。インタビュー記事はこちらです。
映画と別に印象的なエピソードがありました。
藤元監督は、ヤンゴンでたまたま会った物売りのおばあちゃんに無事を祈られたそうです。第2次大戦で家族が日本兵に殺されたという人なのに。心が豊かってそういうことですよね。(白)


2017年/日本、ミャンマー合作/カラー/1:1,85/98分
配給:株式会社E.x.N
(C)E.x.N K.K.
http://passage-of-life.com/
★2018年10月6日(土)ポレポレ東中野ほか全国順次公開
posted by shiraishi at 15:25| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

あの頃、君を追いかけた

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監督:長谷川康夫
原作:ギテンズ・コー(九把刀)「那些年,我們一起追的女孩
脚本:飯田健三郎、谷間月栞
撮影:柴主高秀
音楽:未知瑠
主題歌:Thinking Dogs「言えなかったこと」(Sony Music Records)
出演:山田裕貴(水島浩介)、齋藤飛鳥[乃木坂46](早瀬真愛)、松本穂香(小松原詩子)、佐久本宝(大野陽平)、國島直希(町田健人)、中田圭祐(秋山寿音)、遊佐亮介(杉村一樹)

卒業を控えているというのに、まだバカばかりやっている水島浩介。担任はついにクラスの優等生早瀬真愛をお目付け役にした。ありがた迷惑だったが、真愛は人気ナンバー1の美少女。真愛の親友の詩子は幼馴染、浩介の仲間も嫉妬半分で、ふたりの一挙一動を見守っている。教科書事件をきっかけに真愛と浩介との距離がぐっと縮まった。真愛手作りの問題を解き続け、試験の成績はかなり上昇する。7人は海で一日遊び、それぞれの将来を語る。10年後自分はどうなりたいのか?どうなっているのだろう?

オリジナルの台湾映画『あの頃、君を追いかけた』(2011/日本公開は2013年9月)はギデンズ・コー監督の自伝的作品。台湾中西部の町・彰化が舞台でした。10人に1人が観た!というくらい大ヒットしました。オリジナルの英語題名は“You Are the Apple of My Eye”は日本だと「目の中に入れても痛くない」でしょうか。「あなたはかけがえのない人」という愛の言葉でもあります。キーワードですよ、贈りたい人がいますか?
日本版の本作、舞台を現代寄りにしていますが流れる感覚は同じ。オリジナルの肝は忠実に、キャストを十分に生かしています。誰もが重ねられるキラキラだったり、かっこ悪かったりする懐かしい青春時代がそこにありました。「ほんとにチャリで走りながら好きな子の名前を叫んだ」ことがあるという山田裕貴さん。制服姿もこれが最後かなぁ。(白)


完成披露試写会の様子はこちらのスタッフ日記で。

2018年/日本/カラー/シネスコ/114分
配給:キノフィルムズ
(C)「あの頃、君を追いかけた」フィルムパートナーズ
http://anokoro-kimio.jp/
★2018年10月5日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 15:15| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

愛と法

2018年9月22(土)より大阪のシネ・リーブル梅田、9月29日(土)より東京のユーロスペースにて公開 ほか全国順次ロードショー
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(C)Nanmori Films

監督:戸田ひかる
プロデューサー:エルハム・シャケリファー
アソシエイトプロデューサー:秦岳志
撮影監督:ジェイソン・ブルックス
編集:秦岳志

出演者
南和行(カズ)
吉田昌史(フミ)
南ヤヱ
カズマ
ろくでなし子

それ、罪じゃありません!
溢れるやさしさとユーモア 明日を生きるヒントと勇気

「大胆かつ軽いタッチで、多様性、個性、勇気、愛について、力強いメッセージを届けた」と、2017年の東京国際映画祭・日本映画スプラッシュ部門の作品賞を受賞したこの作品は、ゲイカップルの弁護士を描いたドキュメンタリー。

第30回東京国際映画祭(2017)にて
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戸田ひかる監督
 
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日本映画スプラッシュ部門作品賞受賞

目立ちたがりのカズ(南和行)としっかり者のフミ(吉田昌史)は大阪の下町で法律事務所を営む弁護士夫夫(ふうふ)。カズは1976年大阪生まれ。大学農学部、大学院卒業後就職したが、恋人のフミとともに弁護士になることを目指し会社を退職。2009年弁護士登録。フミは1978年大阪生まれ。大学法学部を卒業し法科大学院を経て2007年弁護士登録。二人は2011年結婚式を挙げ、2013年「なんもり法律事務所」を開設した。
家族になった二人は仕事も生活も二人三脚。二人のもとには、自分らしさのために闘う「困っている人たち」が全国から相談にやってくる。セクシュアル・マイノリティ、明治からの民法規定で戸籍を持てずにいる人、大阪府立高校の卒業式での国歌斉唱時に起立しなかったとして減給処分を受けた元教諭・辻谷博子。女性器をモチーフに日本社会のタブーや矛盾をテーマにした作品を発表する芸術家兼漫画家のろくでなし子の作品が罪に問われた裁判等、自分に正直に生き、社会のしくみや慣習の中で孤立し、葛藤を抱える人たちとともに日々闘っている。二人も法律上は他人同士のまま。
ある日、居場所を失った少年カズマくんが二人の家にやってきて三人の生活が始まった。家族になれる?
監督は海外で育ち、欧州で長年活動していた戸田ひかる。そんな彼女の視点が、日本社会の現実を切り取り、鮮やかに描き出す。
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(C)Nanmori Films

ゲイカップルの弁護士がいるなんて知りませんでした。これを観てとても心強く思いました。それにしても、この二人の生き方かっこいい。東京国際映画祭で観損ない、とても残念に思っていたけど、公開されることになってとてもうれしい。皆さんぜひ観てくださいね(暁)

公式HP
製作年 2017年
製作国 日本・イギリス・フランス合作
配給 東風
posted by akemi at 01:56| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする