2018年09月30日

イコライザー2(原題:The Equalizer 2)

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監督:アントワン・フークア
脚本:リチャード・ウェンク
撮影:オリバー・ウッド
音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
出演:デンゼル・ワシントン(ロバート・マッコール)、ペドロ・パスカル(デイブ・ヨーク)、アシュトン・サンダース(マイルズ・ウィタカー)、ビル・プルマン(ブライアン・プラマー)、メリッサ・レオ(スーザン・プラマー)

CIAを退き、今は一介の運転手として暮らしているマッコール。ホテル前で乗せた女性客の姿に異変を感じ、乗り込ませた若い男の部屋を訪ねていく。数人の男たちはたちまちマッコールに叩き伏せられてしまう。彼は誰に命じられたわけでもなく、見過ごせない悪人を1人成敗しているのだった。そんな彼を心配するのはかつてCIA時代上官だったスーザン。唯一の理解者で友人の彼女が、ある日何者かに殺されてしまう。
もう2度とCIAに関わるまいと思っていたマッコールだったが、真犯人を探すため何年ぶりかで元の同僚の前に姿を現す。

『イコライザー』は2014年10月に日本公開されています。元はテレビドラマのシリーズ「ザ・シークレット・ハンター」。equalizerを訳せば「等しくする人」で、普通に使っている「イコール(=)」から?目には目をで、ひどい目に合わせた人に仕返す、ってことなんでしょうか。それもストップウォッチを使って「ほんの数十秒のうちに」です。
デンゼル・ワシントンは正義の人というイメージがありますが、アントン・フークア監督との初タッグの『トレーニングデイ』でそれまでのイメージを覆し、主演男優賞を獲得しました。今回は製作にも名を連ね、倍返しくらい思い切りやっちゃっているマッコールです。血なまぐさいだけでなく、運転手として縁があった人のいいエピソードも盛り込んでいます。(白)


一瞬で状況判断し、そこにあるものを使って悪を抹消する主人公。表の姿が前作のホームセンター店員からタクシー運転手へ変わったが、か弱き存在の無念を晴らすのは同じ。友人の死の謎を解き、まさかの敵と対峙する。嵐の中の死闘は見応えたっぷり。デンゼル・ワシントンがキャリア初の続編出演とのこと。3作目も期待したい。(堀)

2018年/アメリカ/カラー/シネスコ/121分
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
http://www.equalizer2.jp/
★2018年10月5日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 17:32| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

僕の帰る場所

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監督・脚本・編集:藤元明緒
プロデューサー:渡邉一孝,吉田文人
共同プロデューサー:キタガワユウキ
撮影:岸建太朗
音楽:弥栄裕樹
出演:カウンミャットゥ、ケインミャットゥ(母)、アイセ(父)、テッミャッナイン、來河侑希(ユウキ)、黒宮ニイナ(先生)、津田寛治(店長)

東京のアパートでつましく暮らしているアイセとケイン夫婦はミャンマーから来日し、難民申請中だ。6歳のカウンと3歳のテッは日本育ちで、母国語がほとんど話せない。ある日アイセが入国管理局に捕まってしまい、ケインは必死で子どもたちとの生活を支える。ようやくアイセが戻されてきたが、ケインは不安が嵩じて体調を崩し、子どもたちを連れてミャンマーへ帰っていく。カウンはこれまでいた東京とは何もかも違うミャンマーでの生活に馴染めない。実家に戻って元気になった母親にも反発する。日本に戻りたいカウンは、リュックを背負って1人で空港へと向かう。

繁華街を歩くと外国の方々が多くなったなぁと感じます。観光客でなく、実際に暮らしている人がどのくらいいるのか、法務省の統計で2017年12月で256万人とあり、これまで最多です。東京にはその5分の1の53万人が暮らしています。
本作のミャンマー人家族は母国の政情不安から難民申請をしていますが、認定されるまでただ待っているわけにいかず、生活のために働いています。就労にも条件があって(複雑なのでここでは書ききれず)、父親が連れていかれるのもそれが理由のようです。そんな事情をほとんど知らなくて「すみません」と言いたくなってしまいました。
家族が一緒に暮らしたい、という誰にもある共通の願いをこの映画は丹念に描いています。大人の世界の事情、それについていかねばならない子どもの心情を胸痛めながら観ました。それを本当に6歳と3歳の子が見せてくれています。カウンくん、テッくんの嘘のない眼差しが心に刻まれます。ほぼドキュメンタリーのように自然なので、アイセさんが実はこの映画だけのお父さん(役)というのに驚きました。この関係性を作るのに、じっくりと時間をかけたそうです。映画の成り立ちや、子どもたちへの演出などについて、藤元監督に伺いました。インタビュー記事はこちらです。
映画と別に印象的なエピソードがありました。
藤元監督は、ヤンゴンでたまたま会った物売りのおばあちゃんに無事を祈られたそうです。第2次大戦で家族が日本兵に殺されたという人なのに。心が豊かってそういうことですよね。(白)


2017年/日本、ミャンマー合作/カラー/1:1,85/98分
配給:株式会社E.x.N
(C)E.x.N K.K.
http://passage-of-life.com/
★2018年10月6日(土)ポレポレ東中野ほか全国順次公開
posted by shiraishi at 15:25| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

あの頃、君を追いかけた

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監督:長谷川康夫
原作:ギテンズ・コー(九把刀)「那些年,我們一起追的女孩
脚本:飯田健三郎、谷間月栞
撮影:柴主高秀
音楽:未知瑠
主題歌:Thinking Dogs「言えなかったこと」(Sony Music Records)
出演:山田裕貴(水島浩介)、齋藤飛鳥[乃木坂46](早瀬真愛)、松本穂香(小松原詩子)、佐久本宝(大野陽平)、國島直希(町田健人)、中田圭祐(秋山寿音)、遊佐亮介(杉村一樹)

卒業を控えているというのに、まだバカばかりやっている水島浩介。担任はついにクラスの優等生早瀬真愛をお目付け役にした。ありがた迷惑だったが、真愛は人気ナンバー1の美少女。真愛の親友の詩子は幼馴染、浩介の仲間も嫉妬半分で、ふたりの一挙一動を見守っている。教科書事件をきっかけに真愛と浩介との距離がぐっと縮まった。真愛手作りの問題を解き続け、試験の成績はかなり上昇する。7人は海で一日遊び、それぞれの将来を語る。10年後自分はどうなりたいのか?どうなっているのだろう?

オリジナルの台湾映画『あの頃、君を追いかけた』(2011/日本公開は2013年9月)はギデンズ・コー監督の自伝的作品。台湾中西部の町・彰化が舞台でした。10人に1人が観た!というくらい大ヒットしました。オリジナルの英語題名は“You Are the Apple of My Eye”は日本だと「目の中に入れても痛くない」でしょうか。「あなたはかけがえのない人」という愛の言葉でもあります。キーワードですよ、贈りたい人がいますか?
日本版の本作、舞台を現代寄りにしていますが流れる感覚は同じ。オリジナルの肝は忠実に、キャストを十分に生かしています。誰もが重ねられるキラキラだったり、かっこ悪かったりする懐かしい青春時代がそこにありました。「ほんとにチャリで走りながら好きな子の名前を叫んだ」ことがあるという山田裕貴さん。制服姿もこれが最後かなぁ。(白)


完成披露試写会の様子はこちらのスタッフ日記で。

2018年/日本/カラー/シネスコ/114分
配給:キノフィルムズ
(C)「あの頃、君を追いかけた」フィルムパートナーズ
http://anokoro-kimio.jp/
★2018年10月5日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 15:15| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

愛と法

2018年9月22(土)より大阪のシネ・リーブル梅田、9月29日(土)より東京のユーロスペースにて公開 ほか全国順次ロードショー
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(C)Nanmori Films

監督:戸田ひかる
プロデューサー:エルハム・シャケリファー
アソシエイトプロデューサー:秦岳志
撮影監督:ジェイソン・ブルックス
編集:秦岳志

出演者
南和行(カズ)
吉田昌史(フミ)
南ヤヱ
カズマ
ろくでなし子

それ、罪じゃありません!
溢れるやさしさとユーモア 明日を生きるヒントと勇気

「大胆かつ軽いタッチで、多様性、個性、勇気、愛について、力強いメッセージを届けた」と、2017年の東京国際映画祭・日本映画スプラッシュ部門の作品賞を受賞したこの作品は、ゲイカップルの弁護士を描いたドキュメンタリー。

第30回東京国際映画祭(2017)にて
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戸田ひかる監督
 
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日本映画スプラッシュ部門作品賞受賞

目立ちたがりのカズ(南和行)としっかり者のフミ(吉田昌史)は大阪の下町で法律事務所を営む弁護士夫夫(ふうふ)。カズは1976年大阪生まれ。大学農学部、大学院卒業後就職したが、恋人のフミとともに弁護士になることを目指し会社を退職。2009年弁護士登録。フミは1978年大阪生まれ。大学法学部を卒業し法科大学院を経て2007年弁護士登録。二人は2011年結婚式を挙げ、2013年「なんもり法律事務所」を開設した。
家族になった二人は仕事も生活も二人三脚。二人のもとには、自分らしさのために闘う「困っている人たち」が全国から相談にやってくる。セクシュアル・マイノリティ、明治からの民法規定で戸籍を持てずにいる人、大阪府立高校の卒業式での国歌斉唱時に起立しなかったとして減給処分を受けた元教諭・辻谷博子。女性器をモチーフに日本社会のタブーや矛盾をテーマにした作品を発表する芸術家兼漫画家のろくでなし子の作品が罪に問われた裁判等、自分に正直に生き、社会のしくみや慣習の中で孤立し、葛藤を抱える人たちとともに日々闘っている。二人も法律上は他人同士のまま。
ある日、居場所を失った少年カズマくんが二人の家にやってきて三人の生活が始まった。家族になれる?
監督は海外で育ち、欧州で長年活動していた戸田ひかる。そんな彼女の視点が、日本社会の現実を切り取り、鮮やかに描き出す。
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(C)Nanmori Films

ゲイカップルの弁護士がいるなんて知りませんでした。これを観てとても心強く思いました。それにしても、この二人の生き方かっこいい。東京国際映画祭で観損ない、とても残念に思っていたけど、公開されることになってとてもうれしい。皆さんぜひ観てくださいね(暁)

公式HP
製作年 2017年
製作国 日本・イギリス・フランス合作
配給 東風
posted by akemi at 01:56| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月29日

太陽の塔

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監督:関根光才
製作:映画『太陽の塔』製作委員会

1970年3〜9月に開催された大阪万博(正式名称:日本万国博覧会)。アジアで初めて開催された国際博覧会として、「人類の進歩と調和」をテーマに、77カ国が参加。
「太陽の塔」は、そのシンボルとして、テーマプロデューサーを務めた芸術家・岡本太郎が製作したもの。高さ70メートルの太陽の塔は、万博終了後も万博記念公園に残され、2018年3月、48年ぶりに内部の「生命の樹」の一般公開が始まり、今また脚光を浴びている。
本作は、岡本太郎に影響を受けた人々をはじめ、様々な分野の29人へのインタビューから、岡本太郎と「太陽の塔」、そして日本人とアートの将来を検証するドキュメンタリー。

映画『焼肉ドラゴン』(監督:鄭義信、2018年)の中で、大阪万博見物に行ったお土産に太陽の塔のミニチュアを掲げる場面がありました。まさに、大阪万博の象徴。
万博が終わった後も、万博記念公園の正面にあって、モノレールの駅を降りて、大好きな国立民族学博物館に行くたびに、いつも太陽の塔を眺めながら高校3年生の時に行った万博を思い出していました。でも、実は万博に行った当時、太陽の塔はこんなに目立つ存在ではなかったのです。
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(C)2018 映画「太陽の塔」製作委員会
建築家丹下健三氏が設計した中央広場の大屋根を突き破る感じで、まさにこの写真の岡本太郎のように、太陽の塔の先端が飛び出ていたのです。大屋根の下では、太陽の塔の胴体しか見えず、大屋根の上の先端は、かなり遠くからでないと見えなかったのです。
単独で太陽の塔だけが万博記念公園に残されたからこそ、象徴として長く愛されているのだと思います。

そして、太陽の塔が、縄文時代の土偶にインスピレーションを受けて作ったものだと知ったのは、今年の夏に東京国立博物館で開催された特別展「縄文―1万年の美の鼓動」(縄文展)でのことでした。万博の理念の「未来に向けて」というより、一万年も前の縄文の人々のおおらかで自由な発想にこそ、岡本太郎は人間の可能性を見出していたのだと感じます。

本作は、万博当時を知らない世代の関根光才監督が作ったもの。だからこそ、大阪万博を体験していない人にも、岡本太郎の思いや、太陽の塔が人々に与えてくれることが様々な角度から伝わってくるものになっているのだと思います。(咲)


2018年/日本/112分/DCP
配給:パルコ
公式サイト:http://taiyo-no-to-movie.jp/
★2018年9月29日(土) 渋谷・シネクイント、新宿シネマカリテ、シネ・リーブル梅田他全国公開







posted by sakiko at 17:07| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする