監督:渡辺謙一
プロデューサー:セルジュ・ゲズ、クリスティーヌ・渡辺
撮影:エマヌエル・ヴァレット
編集:マチュー・オーギュスタン
録音:渡辺顕、岸本宗司
音楽:ジェローム・クレ
歴史監修:クリスチャン・ソテール
語り:ブリジット・ベルジュ
音響効果:ロジェ・デュピュ グラフィック:シリル・プル
映像技術:アルノ・ランベール
技術顧問:ジル・ラビエ
キャスト
ピエール=フランソワ・スイリ
バラク・クシュナー
ミカエル・リュッケン
白井聡
山本太郎
喜納昌吉
世界的にナショナリズムの嵐が起こっている中、2015年『天皇と軍隊』(製作2009年)が日本公開され、話題を呼んだフランス在住の渡辺謙一監督が、この映画では、国際関係史・地政学の観点から、国内外の論客によるイ日本人にとってナショナリズムとは
日本社会の「今」を映し出すフランス発のドキュメンタリー
ンタビューを加え、日本社会を覆う政治の正体、「日本人にとってナショナリズムとは」と問いかける。
国益の名の下に強行採決し法律を変えたり、反対意見に耳を貸さず、嘘を通すのがまかり通る、そんな政治の実情の行く末。本当に知る必要があるものは何か。今、起こっている日本の政治の現状を紐解く。
どうなっているの?と、思っている間に、日本の社会、政治は戦前の様相に似てきてしまっている。そんな実情を、太平洋戦争に至った歴史を振り返り、軍隊の台頭で、立憲主義が終わり、天皇の統帥権を盾に軍が主導する政治に変わっていったことを、丁寧に検証する。日中戦争前夜の日本と今、どこか似ていると感じた監督は、「人々の政治に対する意識が醸し出す空気」を国家主義の誘惑と呼び、題名にしたという。
憲法9条を切り口に天皇制の護持と関連付け、戦後史を紐解いたのが『天皇と軍隊』でしたが、天皇の退位のビデオメッセージは衝撃的だったそうで、結果的にこの天皇メッセージが、政権の改憲プログラムを少なくとも1年遅らせたとし、「国家主義の誘惑」に対する唯一権威ある防壁が、「天皇」であるというパラドクスという観点から日本の政治を語っている。
協賛:フランス議会TV
制作:アルテ・フランス、クレッシェンド・メディア・フィルム、
カミ・プロダクション
日本語翻訳:渡辺謙一
字幕制作:平井かおり
予告編制作:石川翔平
宣伝美術:追川恵子
配給:きろくびと
フランス/2017 年/54 分
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