2018年06月10日

夜の浜辺でひとり  英題:On the Beach at Night Alone

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監督・脚本:ホン・サンス
出演:キム・ミニ、ソ・ヨンファ、クォン・ヘヒョ

女優ヨンヒ(キム・ミニ)は既婚男性との恋に疲れ、ハンブルクにやってきた。この地に住む女友達ジヨン(ソ・ヨンファ)と街を散策中、自分がほんとうに求めるものは何か確かめたかったと語る。ジヨンの友人ポールの家では、ポール夫妻を観察しながら、韓国語で男と女の関係について言いたい放題。ポールたちと出かけた海で、韓国の恋人を思い出し、浜辺に彼の似顔絵を描く。
帰国したヨンヒは、東海岸の江陵(カンヌン)を訪れる。先輩のジュニ(ソン・ソンミ)との約束までの間、映画館を訪れたヨンヒは、昔馴染みのチョンウ(クォン・ヘヒョ)とミョンス(チョン・ジェヨン)に会う。一緒に飲みに行き、ほろ酔い気分で話すヨンヒは、女優に復帰してもいいなと考え始める。夜、ホテルのそばの浜辺に横たわるヨンヒ。声をかけられ、顔をあげると顔見知りの映画スタッフたちだった。ヨンヒの恋人だった映画監督サンウォン(ムン・ソングン)の次回作のロケハンに来ているという・・・

ヨンヒの不倫相手はサンウォン監督。とあっては、キム・ミニとホン・サンス監督の思いが反映された物語なのでしょうか。
出会う人たちとの会話で綴られるホン・サンスのスタイル。皆が思い思いに勝手なことを言ってるのも楽しい。(咲)


第67回ベルリン国際映画祭 主演女優賞(銀熊賞)

2017年/韓国/101分/ビスタ/5.1ch/カラー
配給:クレストインターナショナル
公式サイト:http://crest-inter.co.jp/yorunohamabe
★2018年6月16日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷他にて全国順次ロードショー




posted by sakiko at 21:33| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

それから   英題:The Day After

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監督・脚本:ホン・サンス
出演:クォン・ヘヒョ、キム・ミニ(『お嬢さん』)、キム・セビョク、チョ・ユニ

アルム(キム・ミニ)は、大学教授の紹介で著名な評論家でもあるボンワン(クォン・ヘヒョ)が社長をつとめる小さな出版社“図書出版 カン”に勤めることになった。
ボンワンは、毎朝4時半に起きて出勤し夜遅くまで帰らない。妻は浮気を疑っている。
アルムが初出勤した日、浮気の証拠を見つけたボンワンの妻(チョ・ユニ)が事務所に乗り込んでくる。アルムは夫の愛人と勘違いされ、殴られてしまう。今日が初出勤だと言っても信じない妻に、ボンワンは、浮気相手は会社を辞めて外国に行ったと打ち明ける。
夜、ボンワンはお詫びにアルムを食事に誘う。アルムは仕事を辞めると言うが引き止められる。そこに、ボンワンの浮気相手のチャンスク(キム・セビョク)が前触れもなくやってくる。愛を確かめ合い、また一緒に仕事をしようと抱き合う二人。結局、出版社を辞めて欲しいと頼まれる。ボンワンから好きな本を持っていっていいと言われ、アルムは数冊の本を選んで出版社を後にする。
その後、ボンワンの評論が有名な賞を受賞する。アルムはお祝いを伝えるために、“図書出版 カン”を訪れる・・・

朝早く、台所に立つ男のシルエット。配役を見てなかったのですが、あ、クォン・ヘヒョだ!と、すぐにわかりました。男の哀愁漂う姿に、この男、どんな悩みを抱えているのかと思わせられました。
ホン・サンス監督が本作を撮ろうと思ったのは、この撮影に使った小さな出版社の社長が、家から逃げるために早朝4時に出勤し、深夜過ぎまで帰らないという生活を送っているということに衝撃を受けたから。想像を膨らませて、こんな話を作ってしまったのですね。
これまでの作品でも脇役に起用してきたクォン・ヘヒョを主役に物語を作りたかったとも。
『それから』というタイトルは、ホン・サンス監督が敬愛する夏目漱石の作品から取ったそうです。出版者の本棚に並んでいる本のタイトルがハングルで読めないのですが、夏目漱石作品がずらりと並んでいるのでしょう。
乗り込んでくるボンワンの妻を演じたのは、クォン・ヘヒョの実の妻である女優チョ・ユニ。そんな配役に、遊び心も見えます。
モノクロで描かれる雰囲気ある独特の世界。(咲)


第70回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品

2017年/韓国/91分/モノクロ/ビスタ/5.1ch
配給:クレストインターナショナル
公式サイト:http://crest-inter.co.jp/sorekara/
★2018年6月9日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷他にて全国順次ロードショー




posted by sakiko at 21:28| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ホン・サンス監督×キム・ミニ『それから』『夜の浜辺でひとり』『正しい日 間違えた日』『クレアのカメラ』一挙連続公開 ★予告編

1996年、『豚が井戸に落ちた日』で長編デビューしたホン・サンス監督。
『ハハハ』『アバンチュールはパリで』『教授とわたし、そして映画』など、ほんの数人の登場人物の会話で男女の関係を語る独特のスタイル。ソウルの北村など、伝統的な風情が漂う場所での撮影も印象的です。
『正しい日 間違えた日』(2015年)でキム・ミニを起用して以来、彼女を主役に映画を撮り続けるホン・サンス監督。『それから』(2017年)が、第70回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された折の公式記者会見で、「キム・ミニは僕の愛する人、僕の心に入って来て、たくさんのインスピレーションをくれる人」と、二人の幸せな関係を公言しました。
この度、ホン・サンス監督がキム・ミニとタッグを組んで撮った4作品が、ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷他にて一挙連続全国順次公開されます。
配給:クレストインターナショナル

★4作品の予告編
『それから』6/9ロードショー 
http://crest-inter.co.jp/sorekara/

『夜の浜辺でひとり』6/16ロードショー
http://crest-inter.co.jp/yorunohamabe/

『正しい日 間違えた日』6/30ロードショー 
http://crest-inter.co.jp/tadashiihi/

『クレアのカメラ』7/14ロードショー 
http://crest-inter.co.jp/sorekara/crea/

それぞれの作品紹介ば、個別にお届けします。





posted by sakiko at 21:26| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

榎田貿易堂

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監督・脚本:飯塚健
撮影:山崎裕典
音楽:海田庄吾
出演:渋川清彦(榎田洋二郎)、森岡龍(落合清春)、伊藤沙莉(真木千秋)、滝藤賢一(萩原丈)、諏訪太朗(小島渚)、片岡礼子(永井柊子)、根岸季衣(萩原の母)、余貴美子(志摩ヨーコ)

榎田洋二郎は高校卒業後上京したが、何者にもなれず。39歳で故郷の群馬県渋川市に戻ってきた。町外れにゴミ以外何でも扱うリサイクルショップ“榎田貿易堂”を開いて4年。バイトの人妻・千秋、クールな同僚の清春、常連客のヨーコ、自称チーフ助監督の丈たちとだらだらと穏やかに日々を送っていた。ある夏の日、風もないのに店の看板の一文字が落っこちてきた。「予兆だよ。なんか凄いことがおきる予兆」とつぶやく洋二郎。その後、言葉通り彼らの日常に変化が現われる。それぞれが抱えてきた秘密や悩みが露呈し、少しずつ動き出していくのだった。

ダメダメなのに、どこか憎めない男をやらせたらこの人!の渋川清彦さん(私の中では)が、愛する故郷渋川市を舞台に、同郷の飯塚監督とタッグを組んで、送り出した作品です。のっけからひゃ〜〜なシーンでした。子どもから小銭稼ぎ(あれは18禁でしょう)をしてしまう渋川さん、いや洋二郎ったら『下衆の愛』のテツオよりひどい(誉めています)。
昨年インタビューさせていただいた森岡龍さん、注目中の伊藤沙莉さん、大好きな余さんに滝藤さんも出ています。これは観るっきゃありません。ひとくせある役がよく似合う実力派が揃って、力のぬけ具合と入れ具合が好みの作品でした。テンポの良いセリフ回しと、次々明らかになる真実。たらたらしていそうに見えて、やってくる意外な展開も笑わせてくれます。キャストの仲の良さと作品への愛がよくわかる“初日舞台挨拶記事”はこちら。ぜひ拡散させて、第2弾ができるように応援してくださいませ。(白)


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2018年/日本/カラー/シネスコ/110分
配給:アルゴ・ピクチャーズ
(C)2017 映画「榎田貿易堂」製作委員会
https://enokida-bouekido.com/
★2018年6月9日(土)より新宿 武蔵野館、6月16日(土)よりシネマテークたかさき、テアトル梅田ほかロードショー 
posted by shiraishi at 13:04| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

終わった人

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監督:中田秀夫
原作:内館牧子
脚本:根本ノンジ
撮影:斉藤幸一
音楽:海田庄吾
出演:舘ひろし(田代壮介)、黒木瞳(田代千草)、広末涼子(浜田久里)、臼田あさ美(山崎道子)、今井翼(鈴木直人)、ベンガル(工藤元一)、清水ミチコ(山下正美)、温水洋一(山下良夫)、高畑淳子(桜田美雪)、岩崎加根子(田代ミネ)、渡辺哲(川上喜太郎)、田口トモロヲ(青山俊彦)、笹野高史(二宮勇)、野澤しおり(山崎麻衣)

大手銀行に勤め、出世間違いなしと目されていた田代壮介はライバルに負けて、子会社への出向を命じられた。そのまま本社に戻ることはなく、定年を迎えた。娘はすでに結婚し、美容師の妻・千草と2人の生活になったが、毎日仕事に出かける妻と違って、趣味を持たなかった壮介にはやることがない。家事もできず、帰宅した千草に向かって愚痴をこぼす毎日。長く勤め上げたことに感謝していた千草も、ついに耳を傾けてくれなくなってしまった。再就職先を探すも、高学歴と職歴が邪魔をしてなかなか決まらない。それでも、試しに行ってみたカルチャースクールで、受付をしている浜田久里と知り合ったことで明るい光がさす。スポーツジムで知り合ったIT企業家の鈴木直人には、仕事の話を持ちかけられて人生が再び輝くかと思われた。

ホラー映画の監督として知られる中田秀夫監督が原作にほれ込み、自ら企画して映画化した作品。素材は違うものの、映画の構成や俳優の生かし方など、そう変わりはないのかもしれません。舘ひろしさんがどんなにしょぼくれて見せても、カッコ良すぎる片鱗は残り、黒木瞳さんは娘と姉妹に見えるほど若々しく美しすぎます。だからといって、リアルそのままの夫婦などお金払ってまで見たくありません(それは鏡の中に)。そんな「わがままな映画ファン」にも、定年後をシミュレーションしてくれたことで、納得していただけるのではないでしょうか。
ちょうど何十年ぶりかの修学旅行(クラスの有志)の企画が持ち上がっていたところだったので、壮介の旧友たちのいろいろな生き方に自分たちの来し方・行く末を重ね合わせました。定年前に亡くなった知人も、うんと若くして無念の死を迎えた級友もいます。「定年は生前葬」と思えるまで生き延びたことを幸いと思って、この先の日々を大事にしましょう。一日もムダにできませんよ〜(と脅かす)。(白)


2018年/日本/カラー/シネスコ/125分
配給:東映
(C)2018「終わった人」製作委員会
http://www.owattahito.jp/
★2018年6月9日(土)ロードショー
posted by shiraishi at 00:35| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする