2018年03月31日

ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男(原題:Darkest Hour)

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監督:ジョー・ライト
脚本:アンソニー・マクカーテン
撮影:ブリュノ・デルボネル
音楽:ダリオ・マリアネッリ
出演:ゲイリー・オールドマン(ウィンストン・チャーチル)、クリスティン・スコット・トーマス(クレメンティーン・チャーチル)、リリー・ジェームズ(エリザベス・レイトン)、スティーヴン・ディレイン(ハリファックス子爵)、ロナルド・ピックアップ(ネヴィル・チェンバレン)、ベン・メンデルソーン(国王ジョージ6世)

1940年5月、第二次世界大戦初期。戦局はナチス・ドイツが圧倒的な勢力でフランスに侵攻、イギリスにも脅威が迫っていた。そんな国難の時期に内閣不信任案が出されたチェンバレン首相の後任として、前海軍大臣のウィンストン・チャーチルが就任した。ドイツとの和平交渉を主張する元首相と外相ハリファックスに陰口を叩かれながらも、徹底抗戦を誓う新首相のチャーチル。そんなときドイツ軍に追い込まれた英国軍が、フランス・ダンケルクの海岸まで撤退し孤立状態となった。30万人もの兵士を救出する術はあるか?

国民に愛されながら、度重なる失策で政党内では“嫌われ者”であったというチャーチル。英国王ジョージ6世も当初はチャーチルに懐疑的だったそうです。この作品では、朝からウィスキーを片手にウィットとユーモアに富んだセリフを吐くチャーチル、妻クレメンティーンに叱咤激励されながら難局に挑むチャーチルの姿を描きだします。
さきごろのアカデミー賞ではチャーチルを演じたゲイリー・オールドマンが主演男優賞を受賞しました。そのゲイリー・オールドマンの指名を受けて復帰した特殊メーキャップ・アーティスト辻一弘も、みごとアカデミー賞メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞。一躍話題になりました。
メイクアップのできばえは、大きな画面にアップになってもなんの違和感もなく、驚嘆するばかりでした。顔の幅や目と目の間の差など動かせないものの上にどうやってメーキャップを施していくのか、動画を探せばいくつか見つかります。
また昨年公開の『ダンケルク』、そのエピソードを映画化する映画『人生はシネマティック』もあわせてご覧下さい。(白)


2017年/イギリス/カラー/ビスタ/125分
配給:ビターズ・エンド、パルコ
(c)2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.
http://www.churchill-movie.jp/
★2018年3月30日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 23:40| Comment(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ヴァレリアン 千の惑星の救世主(原題:Valerian and the City of a Thousand Planets)

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監督・脚本:リュック・ベッソン
原作:ピエール・クリスタン(作)、ジャン=クロード・メジエール(画)
撮影:ティエリー・アルボガスト
音楽:アレクサンドル・デスプラ
出演:デイン・デハーン(ヴァレリアン)、カーラ・デルヴィーニュ(ローレリーヌ)、クライヴ・オーウェン(フィリット司令官)、リアーナ(バブル)、イーサン・ホーク(客引きジョリー)、ハービー・ハンコック(国防長官)、クリス・ウー(ネザ軍曹)、サム・スプルエル(オクト=バー将軍)、ルトガー・ハウアー(世界連邦大統領)
声の出演:ジョン・グッドマン(アイゴン・サイラス)

西暦2740年。銀河パトロールの敏腕エージェント、ヴァレリアンとローレリーヌは、超巨大宇宙ステーショ“千の惑星の都市アルファ”に向かっていた。しかし水面下で銀河の存亡に関わる陰謀がうごめき、全種族が絶滅の危機に瀕していることを知る。真実を公にはできない。極秘で回避せよ、とのミッションが下る。それも10時間以内に解決しなくてはいけない。ローレリーヌを口説いている場合ではなくなった。

バンド・デシネ巨匠ジャン=クロード・メジエールの伝説的グラフィック・ノベル「ヴァレリアンとローレリーヌ」シリーズが原作。1967年に世に出たものだそうです。なんと斬新な!
リュック・ベッソン監督が長年の悲願だった実写映画化を実現。原作の持つ世界観を表現できる技術が追いつくまで、じっと待っていたのだとか。冒頭に登場する美しい惑星パールを始め、舞台となる様々な惑星、奇妙キテレツなクリーチャーたち、変幻自在のリアーナ・・・映像美とアクションがすばらしい!予算もさぞ膨大だったことでしょう。SFアドベンチャー大好きな方はぜひ!
ファンの皆様、チャラくて可愛いデイン・デハーンと賢く強いカーラ・デルヴィーニュの恋の駆け引きもたっぷり観られます。この超大作を2D、IMAX3D、4Dなどご予算に合わせてお楽しみくださいませ。日本語吹き替え版もあり。(白)


2017年/フランス/カラー/シネスコ/137分
配給:キノフィルムズ
(c)2017 VALERIAN S.A.S. - TF1 FILMS PRODUCTION
http://valerian.jp/
★2018年3月30日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 23:19| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

レッド・スパロー(原題:Red Sparrow)

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監督:フランシス・ローレンス
原作:ジェイソン・マシューズ
脚本:ジャスティン・ヘイス
撮影:ジョー・ウィレムズ
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演:ジェニファー・ローレンス(ドミニカ・エゴロワ)、ジョエル・エドガートン(ネイト・ナッシュ)、マティアス・スーナールツ(ワーニャ・エゴロフ)、シャーロット・ランプリング(監督官)、ジェレミー・アイアンズ(コルチノイ)

ボリショイバレエのプリマとして人気絶頂だったドミニカ・エゴロワは、最も大事な足を怪我してしまいバレリーナの道を断念せざるを得なくなった。これまでバレエ団から受けていた支援も打ち切られ、病気の母の治療を続けるための資金に苦慮する。ロシア情報庁に勤める叔父に、母の世話と交換条件を提示され、ロシア政府の極秘施設に入ることになった。そこでは、ターゲットの欲望を操り、ハニートラップで任務遂行を図るスパイ“スパロー”の養成学校だった。ドミニカは厳しく過酷な訓練に耐え続ける。
ロシア情報庁内部では、アメリカに情報を流す二重スパイ“モグラ”がいることをつかむも、いまだ特定できずにいた。優秀な成績を収めたドミニカは、モグラを探し出す重要任務を与えられる。モグラと通じているCIA工作員ネイト・ナッシュはモスクワからブタペストに飛び、ドミニカはネイトの後を追う。

元CIA工作員として33年間勤めたジェイソン・マシューズの同名小説が原作。ハヤカワ文庫から刊行されています(上下巻)。何もかもさらけ出してはいないのでしょうが、内側にいたからこその実態の描写にはドキドキさせられます。
養成学校の冷徹な監督官シャーロット・ランプリングは怖くて震えそうでした。これまで映画で観た新兵の訓練も似たようなもの、まず徹底的に自我を否定し捨て去るところから始まっていました。上官の命令を絶対とし、自分の考えを持つことは許されません。優秀な道具になるわけですね。ハニー・トラップの手練手管は「ほぉ〜」と感心するだけにとどめておきましょう。使う機会がないことを祈ります。
ドミニカを演じるジェニファー・ローレンスとフランシス・ローレンス監督は『ハンガー・ゲーム』シリーズ3作でタッグを組んでいます。充分な信頼関係があってこそのシーンがあります。使用するか否かはジェニファーに選択権があったとか。叔父役のマティアス・スーナールツはベルギーの俳優ですが、プーチン大統領にそっくりで若き日を演じられそうです!
冒頭のバレエのシーン、ドミニカの相手役はセルゲイ・ポルーニンです。背中のタトゥーがなかったので、そこはスタントか、それとも消したのかも?(白)


2018年/アメリカ/カラー/シネスコ/140分
配給:FOX
(C)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation
http://www.foxmovies-jp.com/redsparrow/
★2018年3月30日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 23:00| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月25日

獄友

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2018年3月24日 ポレポレ東中野ロードショー!(順次全国公開)

監督:金聖雄(キム・ソンウン)
プロデューサー:陣内直行
撮影:池田俊己
現場録音:池田泰明
録音:吉田茂一
編集:野村太
編集助手:池田剛
音楽:谷川賢作
語り:金聖雄
制作デスク:沢口絹枝
スチール:村田次郎
イラスト:千葉佐記子
出演
桜井昌司
杉山卓男
菅家利和
石川一雄
袴田巌

冤罪を戦ってきた獄友(ごくとも)たち

『SAYAMA みえない手錠をはずすまで』(2013)『袴田巖 夢の間の世の中』(2016)など、数々の冤罪事件を追ってきた金聖雄監督のシリーズ第三弾が『獄友』である。
布川事件の桜井昌司さんと杉山卓男さんは(獄中29年)2009年再審開始後、2011年無罪が確定。足利事件の菅家利和さんは(獄中17年6ヶ月)再審後、2010年無罪が確定。狭山事件の石川一雄さんは(獄中31年7ヶ月)1994年仮釈放、現在第三次再審請求中で無実を訴え続けている。袴田事件の袴田巖さんは(獄中48年)2014年にようやく再審決定され釈放されたが、検察が即時抗告したため、今も死刑囚のまま姉の秀子さんと浜松市で暮らしている。
無罪が確定した布川事件と足利事件。今も戦っている狭山事件と袴田事件。冤罪被害者の横の繋がりはほとんどなかったが、足利事件の菅家さんの釈放をきっかけに、同じ痛みを抱えるもの同士、お互いを支え合うようになった。
無実の罪を着せられ獄中で長い時を過ごした自分たちを「獄友」と呼び、なぜ自白したのか、獄中での出来事、生活を懐かしそうに語り笑いあい、娑婆に出てからの人生を語る。何を失い、何を得たのか。同じ殺人犯という濡れ衣を着せられた冤罪被害者だからこそわかり合える。そこから伝わるのは、司法の闇、人間の尊厳への希薄、命の重さ。奪われた時間は決して取り戻すことはできないが、絶望の縁にいた彼らは「不運だったけど、不幸ではない、我が人生に悔いなし」、
「獄中」は生活の場であり、学びの場であり、仕事場でもあったと語る。

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製作 2018年 日本
配給 Kimoon Film
公式HP


posted by akemi at 22:30| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

グレート・アドベンチャー 原題 侠盗聯盟  英題 The Adventurers

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劇場公開日 2018年3月31日
アジアンムービーセレクション2018 第2弾!
狙った獲物は必ず落とす!
ルーブル美術館から盗まれた中国の至宝”ガイア”を巡り繰り広げられる
世界をまたにかける怪盗アンディ・ラウVSスゴ腕刑事ジャン・レノの華麗なるバトル!

監督:馮コ倫(スティーブン・フォン)
脚本:スティーヴン・フォン、ロウ・ユウファイ、ハーヂーチャオ、チャン・シーグアン、ホアン・シャオチュアン
製作:劉徳華(アンディ・ラウ)
   馮コ倫(スティーヴン・フォン)
   張家振(テレンス・チャン)
キャスト
劉徳華/アンディ・ラウ:ダン
楊祐寧/トニー・ヤン:ポー
舒淇/スー・チー:レッド
ジャン・レノ:ピエール
張靜初(チャン・ジンチュー)
曾志偉(エリック・ツァン)

香港のアンディ・ラウとフランスのジャン・レノの豪華共演で贈るクライム・アクション。オール・ヨーロッパ・ロケを敢行した本作、アンディが世界を股にかけて国宝級のお宝ばかりを狙う伝説の怪盗ダン、それを追うフランス人刑事ピエールをジャンが演じている。
最新テクノロジーの電子機器を駆使する華麗でスマートな盗みの手口、意表をつく道具の数々、痛快な怪盗団のチームワークとそれを追う警察との、息もつかさぬ派手な追跡劇。
怪盗ダン(アンディ・ラウ)は5年前、3つのピースで構成される首飾り“ガイア”の一部「森の瞳」をルーヴル美術館から盗み出したが、直後に襲われ宝を奪われてしまった。さらに、何者かの裏切りで警察の手に落ち、投獄されてしまった。5年の刑期を終え、愛する人の為に足を洗おうと決意したダンだったが、足を洗う前に自分を陥れた人間を探し出すため、再び盗みの世界へ舞い戻り、最後の大仕事へとむかう。相棒ポー(トニー・ヤン)と、新たに加わったレッド(スー・チー)とともに、ターゲット“ガイア”の残りの二つのピース「命の翼」と「魂の泉」を狙う。フランス警察とピエール(ジャン・レノ)の追っ手が迫るなか、一触即発の危険すぎる盗みがいよいよ始まる!はたしてダンは、ピエールたちの操作網を潜り抜け、宝を手に入れ、裏切り者を探し出すことができるのか・・・
『黒衣の刺客』のスー・チー、『僕の恋、彼の秘密』『コールド・ウォー 香港警察 堕ちた正義』のトニー・ヤン、『インファナル・アフェア』『カンフー・ヨガ』のエリック・ツァンら豪華なキャストが脇を固める。監督は『ドラゴン・プロジェクト』『太極(TAI CHI)-ゼロ-』のスティーヴン・フォン。
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新宿武蔵野館にて
去年(2017)9月、香港に行った時、ちょうど公開されていて観にいった。広東語はわからず、字幕を追って内容確認。それでも追いきれず、残念に思っていたけど、10月には中国映画週間で上映され日本語字幕で観ることができた。日本公開はされないかなと思ったけど、公開されることになってとてもうれしい。それにしてもフランスだけでなく、ヨーロッパ各地で撮影していて、すてきな景色も観ることができた。これを観ながら、同じく怪盗物でヨーロッパが舞台だった周潤發(チョウ・ユンファ)、張国栄(レスリー・チャン)、鍾楚紅(チェリー・チェン)主演の『狼たちの絆』を思い出しました。(暁)

製作年 2017年  製作国 中国  配給ハーク
「2017東京 / 沖縄・中国映画週間」では『ザ・アドベンチャーズ』のタイトルで上映された。


posted by akemi at 21:37| Comment(0) | 中国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする