2018年02月25日

おもてなし

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監督・撮影・編集:ジェイ・チャン
脚本:ジェイ・チャン、砂田麻美
出演:田中麗奈、ワン・ポーチエ、余貴美子、ヤン・リエ、ヤオ・チュエンヤオ、藤井美菜、ルー・シュエフォン、マイケル・タオ、青木宗高、眞島秀和、木村多江 /香川京子

琵琶湖畔にたたずむ老舗旅館「明月館」。5年前に父が亡くなり、梨花(田中麗奈)は旅館を一人で切り盛りしている母・美津子(余貴美子)を手伝うため、仕事を辞めて戻ってくる。経営不振で、美津子の大学時代の恋人で、台湾の実業家チャールズ(ヤン・リエ)に旅館を売り渡すことになる。経営再建のため、チャールズの息子・ジャッキー(ワン・ポーチエ)が送り込まれてくる。大幅な改築を提案するジャッキーに、梨花は旅館に根付いている文化も大事にしてほしいと頼む。なにより、旅館を営むには、「おもてなし」の心が大事だと説くが、合理主義のジャッキーの耳にはなかなか届かない。梨花はジャッキーを木村先生(木村多江)が主催する「おもてなし教室」に誘う・・・

監督のジェイ・チャンは、台湾生まれ、アメリカ・テキサス州育ち。短編やテレビドラマ製作を経て、本作で長編映画デビュー。
日本・台湾合作で、田中麗奈が、ワン・ポーチエ演じるジャッキー相手に流ちょうな中国語を披露しています。
おもてなしの心が少しずつわかりかけたジャッキー。どんな再建案を出すのでしょう。
夫が亡くなっているから、大学時代の恋人に旅館再建を託すのもあり?と、ちょっとびっくり。
でも、その元恋人チャールズも癌で余命宣告を受けます。「人生短いって誰も教えてくれなかった」とチャールズが嘆きます。その場におよばないと実感としてわかないかも。いつ人生が終わってもいいように、一日一日悔いのないよう過ごしたいものですね。(咲)


2017年/日本・台湾合作/日本語・中国語・英語/96分/DCP/カラー/シネマスコープ/5.1ch
配給:松竹撮影所、ニチホランド
公式サイト:http://omotenashi-movie.net/
★2018年3月3日(土)より有楽町スバル座ほか全国順次公開



posted by sakiko at 21:34| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

シェイプ・オブ・ウォーター(原題:The Shape of Water)

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監督:原案・脚本:ギレルモ・デル・トロ
撮影:ダン・ローストセン
音楽:アレクサンドル・デスプラ
視覚効果監修デニス・ベラルディ
出演:サリー・ホーキンス(イライザ)、マイケル・シャノン(ストリックランド)、リチャード・ジェンキンス(ジャイルズ)、ダグ・ジョーンズ(不思議な生きもの)、マイケル・スタールバーグ(ホフステトラー博士)、オクタビア・スペンサー(ゼルダ)

1962年、冷戦下のアメリカ。政府の極秘研究所で掃除の仕事をしているイライザは、子どものころのトラウマで耳は聞こえるが声を出すことはできない。隣人のジャイルズや同僚のゼルダとは手話を使って話すことができる。ある日研究所に秘かに運び込まれたのは、これまで見たこともない不思議な生き物だった。すっかり心奪われたイライザは人目を避けて“彼”に会いに行くようになる。アマゾンの奥地で発見された“彼”は、実験動物としてストリックランドにひどい扱いをされる。

ギレルモ・デル・トロ監督があて書きし、自らオファーしたキャストがぴたりとはまって、美しく胸があたたまるファンタジー・ロマンスが完成しました。来日・会見した監督は「よそ者を排除する空気が蔓延するこんな時代だからこそ、このおとぎ話が必要だしたくさんの人に観てもらいたい」と熱をこめて語りました。
主人公のイライザ、親友のジャイルズにゼルダ、ホフステトラー博士もみなマイノリティです。彼らは不思議な生き物の“彼”と言葉を介さずに心を繋げたイライザを応援します。ロマンチックな前半から、ダークな色を帯びたスリリングな後半まで、映画賞の最多ノミネートが納得のストーリー運びに、俳優の好演、60人もが関わったクリーチャーの造形(辻一弘氏が目の部分を担当)や美術にもぜひ注目を。背景の色使いや様々な形で登場する水に監督の思いがこめられています。(白)


2017年/アメリカ/カラー/ビスタ/124分
配給:20世紀フォックス映画
(C)2017 Twentieth Century Fox
http://www.foxmovies-jp.com/shapeofwater/
★2018年3月1日(土)ロードショー
posted by shiraishi at 20:08| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ブラックパンサー(原題:Black Panther)

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監督:ライアン・クーグラー
脚本:ライアン・クーグラー、ジョー・ロバート・コール
撮影:レイチェル・モリソン
美術:ハンナ・ビークラー
衣装:ルース・カーター
音楽:ルートヴィッヒ・ヨーランソン
出演:チャドウィック・ボーズマン(ブラックパンサー/ティ・チャラ)、マイケル・B・ジョーダン(エリック・キルモンガー)、レティーシャ・ライト(シュリ)、ルピタ・ニョンゴ(ナキア)、ダナイ・グリラ(オコエ)、マーティン・フリーマン(エヴェレット・ロス)、アンディ・サーキス(ユリシーズ・クロウ)、ダニエル・カルーヤ(ウカビ)、ウィンストン・デューク(エムバク)、アンジェラ・バセット(ラモンダ)、フォレスト・ウィテカー(ズリ)

ワカンダはアフリカの中央部に位置する“主要国が気にもしない小さな農業国”・・・が、それは表向き。500年前から超絶パワーを秘めた鉱石<ヴィブラニウム>を産出、その力により今ではどこよりも進んだテクノロジーを持ち、平和な文明国家を建設していた。ヴィブラニウムが悪用されぬよう、その秘密を代々の国王は巧妙に隠し、国とその民を守りぬいてきた。父・国王の急死により王子ティ・チャラは、継承のための戦いを経て国王の座を継ぐことになった。ティ・チャラは漆黒のヒーロー<ブラックパンサー>となり、国王としての使命を遂行せねばならない。

原作はマーベルコミックス、史上初の黒人ヒーローです。出演者を見ると、CIAエージェントのマーティン・フリーマン、武器商人のアンディ・サーキスだけが白人です。監督をはじめスタッフも多くのアフリカン・アメリカンの方たちが集合したそうです。ここまで来た、と嬉しかったことでしょうね。ライアン・クーグラー監督は、地元オークランドの事件を元にした『フルートベール駅で』(2013)、ロッキーシリーズの新作『クリード チャンプを継ぐ男』(2015)とヒット。この『ブラック・パンサー』も高評価を受けています。
映画の冒頭は数十年前のオークランドの下町。各国に放っているワカンダのスパイの元に突然飛行物体が現われ、一騒動の後時が流れます。後半に繋がる事件なので記憶にとどめてください。王子様のティ・チャラに敵対するのが、因縁浅からぬエリック・キルモンガー。クーグラー監督の前作2本に続けて出演しているマイケル・B・ジョーダン。彼が演じるキルモンガーのドラマのほうに、王子と生まれたティ・チャラよりもグッときます。
隠されたワカンダが姿を現わす場面、アクション場面など凝った美術、アフリカテイストいっぱいの色鮮やかなコスチュームやメイクアップが素敵です。近衛兵が女性で、ものすごく強いのもいい!(白)


2018年/アメリカ/カラー/シネスコ/135分
配給:ディズニー
(C)Marvel Studios 2017
http://marvel.disney.co.jp/movie/blackpanther.html
★2018年3月1日(木)ロードショー
posted by shiraishi at 19:47| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

一陽来復 Life Goes On

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監督:ユンミア(尹 美亜)
撮影監督・共同監督:辻健司
ナレーション:藤原紀香、山寺宏一

2011年3月11日に起こった東日本大震災。津波で家や家族を失った人、原発事故で避難を余儀なくされた人。多くの人たちが今も深い悲しみと、どこにもぶつけることのできないやるせない思いを抱えて暮らしている。
本作は、岩手県釜石市、宮城県石巻市・南三陸町、福島県川内村・浪江町で被災した人たちの思いを追ったドキュメンタリー。

宮城県石巻市。木工職人の遠藤さん。子ども3人を津波で亡くし、奥さんと二人で暮らす。津波の犠牲になったアメリカ人英語教師テイラー・アンダーソンさんの両親から娘の名前を冠した文庫を作りたいと本棚の製作を依頼され、仕事を再開する。

宮城県南三陸町。そろばん教室に通うリサトちゃん。両親は震災の前日に結婚式を挙げたが、パパは津波の犠牲になり、写真のパパしか知らない。
毎朝「語り部バス」を運行している海辺のホテル。従業員の伊藤さんは、震災の記憶が風化していくことを懸念して、「なかったことにしたくない」と語り続ける。
借金をして個人商店を再興した酒屋さんや花屋さん。仮設の美容室にも昔の常連さんが戻ってくる。
アワビ獲りをする後藤さんは、水質検査をしてみたら、津波が汚れを一掃してくれて、海が50年若返ったと、思わぬ津波の功能を語る。

福島県川内村。原発から30キロ圏内に住む秋元さん夫婦。避難指示に従わず、有機にこだわり米や野菜を作り続けている。検査結果、放射能は検出されないものの出荷はできない。
商工会会長の井出さん。電力会社の人たちとは震災前からの付き合い。許せない人もいるだろうけど、復興のパートナーとして取り組まなければと語る。

福島県浪江町。6年経っても8万人が避難生活をしている。原発から15キロに位置する「希望の牧場」。被爆して殺処分対象の牛を今も飼い続ける吉沢さん。「殺処分した人も正しい」と複雑な胸の内を語る。

岩手県釜石市。鵜住居(うすのまい)神社の秋祭り。神輿も虎舞の衣装も流されたが、なんとか復興させた。避難所ともなった神社は町民の拠り所と神社総代の二本松富太郎さん。


一陽来復(いちようらいふく):冬が去り春が来ること。悪いことが続いたあと、ようやく物事がよい方に向かうこと。

震災で人生を一変させられてしまった人たち・・・
石巻の木工職人、遠藤さんの「子ども3人亡くしたって顔に書いてあるわけじゃない。人はそれぞれ色々背負って生きている」という言葉がぐっと胸に迫りました。
そして、3月11日の追悼式の日、ある女性の「6年目の節目と言われても、何か変わるわけじゃないけど、階段を作ってもらっているのかなと思う」という言葉に、震災の犠牲になった家族への思いを抱えながら、前に向かって生きていくしかないことをずっしり感じさせられました。
本作では、日本の美しい自然も映し出されていて、息をのみます。自然がもたらすのは禍だけでないことも感じさせられました。(咲)


東日本大震災で被災した人々を取材し続けるドキュメンタリーは、今も何作も作られているが、こんなにもたくさんの方たちに取材した作品というのはあまりないのではないかと思う。それぞれの「一陽来復」を祈らずにはいられない。
宮城県や福島県でほんとにいろいろな被災状況と、その後の生活の変遷を丁寧に取材していると思った。それにしても、こんなにたくさんの方たちの取材を続けるというのは並大抵のことではできないと思いつつ、今後もこの方たちを追い続けていってほしいと思う。(暁)


監督のユン ミア(尹 美亜)さんは、1975年生まれ、長野県出身。津田塾大学国際関係学科を卒業後、インドのタゴール国際大学でデザインを勉強。帰国後広報代理店やIT企業の広報担当後、映画の世界へ入る。2010年から、益田裕美子さんが代表を務める平成プロジェクトに参加。映画『李藝-最初の朝鮮通信使』(13)『サンマとカタール 女川つながる人々』(16/以上、乾弘明監督)制作プロデューサー、『シネマの天使』(15/時川英之監督)、『こいのわ 婚活クルージング』(17/金子修介監督)のプロデューサーを経て、本作で監督デビュー。

*本作は、復興庁「心の復興」事業の補助を受けて製作されました。

2017年/日本/81分/デジタル/5.1ch/16:9
制作・配給:平成プロジェクト
製作:心の復興映画製作委員会
(C) 2017 Kokoro Film Partners
公式サイト:http://www.lifegoeson-movie.com
★2018年3月3日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町他全国順次公開





posted by sakiko at 19:12| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

15時17分、パリ行き 原題:The 15:17 to Paris

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監督: クリント・イーストウッド
出演: アンソニー・サドラー、アレク・スカラトス、スペンサー・ストーン

2015年8月21日、15時17分アムステルダム発パリ行きの高速列車タリス#9364。ヨーロッパを旅行中だったアメリカ人の青年、アンソニー、アレク、スペンサーの3人が乗り込む。
17時49分、列車が北フランスとベルギーとの国境を猛スピードで走っていたとき、ただ一人起きていたアレクは、突如、銃声とガラスが割れるような音を聞く。乗務員が乗務員室に逃げ込んでいく。振り返ると、重装備した典型的なテロリスト風の男が自動小銃を構えていた・・・

テロリストを取り押さえた3人の青年が、本人役を演じた実話

本作は、列車に乗り合わせていたアメリカの3人の青年アンソニー・サドラー、アレク・スカラトス、スペンサー・ストーンが、イギリス人やフランス人の乗客と共に果敢にもテロリストを取り押さえ、554名の乗客をテロから救った実話に基づく物語。
事件の数日後、3人は、一緒に犯人を取り押さえたイギリス人のクリストファー・ノーマンと共にエリゼ宮殿に招待され、フランス最高の勲章を大統領から受け取る。
その後、3人は、米国スパイクTVが視聴者の投票によって選ぶ「ガイズ・チョイス賞」のヒーロー賞を受賞。イーストウッドは、プレゼンターとして3人に出会う。その折、3人が本を書いていることを知り、本が出来上がったら読ませてくれと頼む。約束通り、書き終えてすぐゲラをイーストウッドに送る。その本には、武装した男に挑んだ向こう見ずな行動と共に、3人が幼い頃から築いてきた友情について書かれていた。校長室に呼び出される常連だったことも! しかも、3人は、イーストウッドも青年期を過ごしたカルフォルニア州サクラメントの郊外で育った幼馴染だった。
3人のうち、アレクとスペンサーは、壁一つ隔てた家で、ともにシングルマザーに育てられた、5歳の頃からの友達。中学に入り、アンソニーが仲間に入る。きっかけは、ファミリーネームのアルファベット順に並ばされて隣だったから。(実に、私の高校時代からの親友も、50音順で席を決められて、隣だったから!)

イーストウッドは映画化権を獲得。有名な俳優をキャスティングすることも考えたそうだが、3人と映画の詳細について話すうち、本人たちに自身を演じて貰うことが最善だと、出演をオファーする。演技経験もない3人だったが、イーストウッドは幼いときからの憧れのスターであり監督。これは引き受けるしかないと思い切る。

それぞれの道を歩んでいた幼馴染の3人。軍人としてアフガニスタンに駐留していたアレクの引き上げ時期と、ポルトガルのラジェス航空基地に駐留していたスペンサーの仕事明けが偶然一致。大学生のアンソニーにも声をかけ、実現した3人のヨーロッパの旅。
3人は、撮影を通じて、その旅も追体験する。3人とも、とても爽やかで、ほんとに自分自身を自然に演じていて、そのまま役者になれそう。
幼い頃のエピソードも、丁寧に語られている。勇気ある人になりたいと密かに思っていたことも。

「この映画はごく普通の人々に捧げた物語である」と、クリント・イーストウッド。
テロに出会うことも、今の世の中、誰しもに起こりうること。その時、どう対処するのか、瞬発力が試されることになる。そんな目にあいたくないけれど! この映画を観て思い出したのが、韓国映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』。あちらはありえないゾンビ発生に逃げ惑う話だけど、理屈は同じ。協力しあって対処することが、助かる道だと、本作も教えてくれました。(咲)


2018年/アメリカ/94分/スコープサイズ/5.1chリニアPCM+ドルビーサラウンド7.1(一部劇場にて)
配給:ワーナー・ブラザース映画
公式サイト:http://1517toparis.jp/
★2018年3月1日(木)より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国ロードショー




posted by sakiko at 19:04| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

生きる街

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(C)2018「生きる街」製作委員会

監督:榊英雄
原案:秋山命
脚本:清水匡・秋山命
企画プロデュース:秋山命
キャスト
夏木マリ:佐藤千恵子、佐津川愛美:野田佳苗、堀井新太:佐藤哲也
イ・ジョンヒョン:カン・ドヒョン、岡野真也:仲村みゆき

5年の時を経て生きる人々

佐藤千恵子(夏木マリ)は生まれ育った海のそばの町で漁師の夫と2人の子どもと幸せに過ごしていた。しかし、その生活は2011年3月11日に一変した。海のそばの自宅は津波で流され、その日から夫は帰ってこない。5年後、千恵子は避難所生活を経て、海辺ではなく少し高いところにある別荘を借りて民泊をやっている。東日本大震災で被災した宮城県石巻市に暮らす家族それぞれの現在と、周囲の人びとが未来を信じて生きる姿を描いた。
千恵子は、夫は戻って来ると信じ地元を離れずに生きている。娘は、ボランティアに来ていた人と結婚し地元を離れたものの、被災のトラウマから子どもを持つことを恐れる。水泳をやっていた息子は怪我を負い、何でも震災のせいにして人生から逃げている。それぞれ、震災で心に傷を負ったまま生きていて、もう一歩を踏み出せずにいた。それでも漁師町のご近所さんは、そんな家族を温かく見守り、なにかと力を貸してくれる。
そんな彼らの前に、かつてこの町に暮らしていたドヒョンが、亡くなった父親が書いた手紙を持って韓国からやって来た。
その手紙には、これまで千恵子たちが知ることのなかった夫の姿が語られていた。
千恵子たちは、その手紙に託された想いに触れ、止まっていた時間がゆっくりと動き出す気配が…
『生きる街』は、宮城県石巻市で撮影された。東日本大震災から5年以上の時を経て、その地を去る人、とどまる人、帰ってくる人がいる。そして街は未来を信じて生きている。
そんな人々と街の姿を映し出す。
夏木マリが約10年ぶりの映画主演を務めている。ドヒョン役を韓国のロックバンド「CNBLUE」のイ・ジョンヒョンが演じる。監督は『捨てがたき人々』『木屋町DARUMA』『アーリーキャット』などを製作し、俳優としても活躍する榊英雄。

今年は、東日本大震災から7年。この作品は5年後の話として撮影されたけど、被災し大きな心の傷を負った人にとって、いくら時間が解決するといっても、何年たっても時間が進められない。そんな人たちが何かのきっかけで止まっていた時間が動きだす。そのきっかけというのは人によって様々だろうと思うけど、この作品では手紙がきっかけだった。夫の死を受け入れられないでいた主人公にとって、その手紙の中の思いを受け止めたことで、夫の死を受け入れ、前に進んで行こうという気持ちになる。そんなやさしい作品でした(暁)

2018年3月3日(土)より新宿武蔵野館(03-3354-5670)、ユーロスペース()、イオンシネマ石巻ほか全国順次ロードショー

オフィシャルサイト
2018年 日本 上映時間 124分
配給 アークエンタテインメント、太秦
posted by akemi at 18:23| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ザ・シークレットマン(原題:Mark Felt: The Man Who Brought Down the White House)

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監督・脚本:ピーター・ランデズマン
原作:マーク・フェルト、ジョン・オコナー
撮影:アダム・キンメル
出演:リーアム・ニーソン(マーク・フェルト)、ダイアン・レイン(オードリー・フェルト)、マートン・ソーカス(L. パトリック・グレイ)、アイク・バリンホルツ(アンジェロ・ラノ)、トニー・ゴールドウィン(エド・ミラー)

1972年5月、長年FBIに君臨してきたフーバー長官が急死、長官代理には次期長官かと思われていたマーク・フェルト副長官ではなく、ニクソン大統領に近いパトリック・グレイが就任した。
6月17日、ワシントンDCの民主党本部に侵入した男たちが逮捕された。盗聴器を仕掛けた彼らは再選を前にしたニクソン大統領政権と関わりのあることがわかる。フェルトを中心に捜査が始まるが、ホワイトハウスは無関係としてグレイ長官代理を通じて捜査に圧力をかけてくる。これに反発するフェルトは、秘かにマスコミに捜査情報を流し始める。

1974年8月9日にリチャード・ニクソン大統領が辞任するまで、機密情報を提供し続けた者は「ディープスロート」と呼ばれ、長く正体不明でした。事件からおよそ30年経った2005年、当時FBI副長官だったマーク・フェルトが自分だと雑誌の記事を通じて公表しました。ホワイトハウスはフェルトがディープスロートであることを突き止めながら、波及を怖れて口を閉ざしていたそうです。それほどFBIが握っていた重要人物の秘密が多かったということでしょう。いやはや闇は深い。
フェルトのプライベートな部分も描かれていたので本人の画像を探してみましたら、銀髪のスマートな方で、演じたリーアム・ニーソンのイメージも近いです。彼は60代半ばというのに最近アクションものの出演が目立ちますが、誠実で頼りがいがありそうだからでしょう。『シンドラーのリスト』(1993)も忘れられません。彼が出てくると安心という点でトム・ハンクスと双璧の男優さん。

ウォーターゲート事件を題材にした作品をあげておきます。
『大統領の陰謀』(1976)アラン・J・パクラ監督。
主人公は事件を取材する記者たち、ダスティン・ホフマン、ロバート・レッドフォード主演。
『ニクソン』(1995)オリバー・ストーン監督、アンソニー・ホプキンス主演。
『フロスト×ニクソン』(2005)ロン・ハワード監督

3月30日に公開のスティーヴン・スピルバーグ監督最新作『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』(2017)はニクソン政権の1971年、ベトナム戦争を分析・記録したアメリカ国防総省の最高機密文書を暴露したジャーナリストの実話を元にしています。合わせてご覧ください。(白)


2017年/アメリカ/カラー/シネスコ/103分
配給:クロックワークス
(c)2017 Felt Film Holdings.LLC
http://secretman-movie.com/
★2018年2月24日(土)新宿バルト 9 ほか全国ロードショーー
posted by shiraishi at 16:27| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

花は咲くか

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監督:谷本佳織
原作:日高ショーコ
脚本:高橋ナツコ
撮影:上野彰吾
音楽:加藤亜祐美
出演:渡邉剣(水川蓉一)、天野浩成(桜井和明)、塩野瑛久(藤本浩輝)、小原唯和(水川菖太)、水石亜飛夢(岩崎竹生)、本宮泰風(吉富桔平)

広告代理店勤務の桜井は37歳。CM撮影で訪れた古民家に暮らす無口な美大生蓉一と出会う。蓉一は他人に興味がなく、同居している従兄弟たちにしか心を開かなかった。しかし、初めて会った桜井が自分の絵を理解してくれたことから、言葉を交わすようになる。19歳になる蓉一は初めて他人へ強い想いを抱いたのだった。年上の桜井はまっすぐ気持ちをぶつけてくる蓉一を好ましいと思うものの、同性であることや年の差、自分の立場を考えてしまい蓉一の気持ちに応えられない。そんなとき同じ美大生の藤本が蓉一に積極的にアプローチしてくる。

原作は2006年に連載が始まった日高ショーコさんのBLコミック。初めての恋にとまどう蓉一、大人ゆえに逡巡する桜井。性別に関わらず同じようにじれったい恋の始まりとそれからを丁寧に描いています。蓉一役はジュノン・スーパーボーイからジュウオウジャー出身の渡邉剣、桜井役の天野浩成も仮面ライダーシリーズ、藤本役の塩野瑛久はキョウリュウジャーと戦隊物出身、従兄弟たちもイケメン揃い。撮影当時まだ中学生だった小原唯和くんが可愛いです。
舞台となる日本家屋の佇まいも映画の雰囲気に一役も二役もかっています。木立に囲まれ、広い庭を眺められる縁側があって・・・こんな家に住んでみたい。いや、親が元気で待っている実家ならもっといいなと妄想してしまいました。スタッフをみると監督・脚本を始め、半分以上が女性です。BL作品未体験の方には特にお奨めの繊細な純愛ドラマです。蓉一と桜井は2人で庭に花の種を植えるのですが、さて花は咲くのでしょうか?(白)


2017年/日本/カラー/シネスコ/88分
配給:東映ビデオ
(C)2018東映ビデオ(C)日高ショーコ/幻冬舎コミックス
http://hanawasakuka-movie.com/
★2018年2月24日(土)ロードショー
posted by shiraishi at 13:31| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ハッピーエンド  原題:HAPPY END

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監督・脚本: ミヒャエル・ハネケ(『愛、アムール』『白いリボン』)
出演: イザベル・ユペール、ジャン=ルイ・トランティニャン(『愛、アムール』)、マチュー・カソヴィッツ、ファンティーヌ・アルドゥアン、フランツ・ロゴフスキ、ローラ・ファーリンデン、トビー・ジョーンズ

カレーの瀟洒な邸宅。ブルジョワジーのロラン家の3世帯が暮らしている。家長のジョルジュ(ジャン=ルイ・トランティニャン)は建設業を営んでいたが引退し、今は娘アンヌ(イザベル・ユペール)が家業を継いでいる。アンヌの息子ピエール(フランツ・ロゴフスキ)は専務として母のもとで働いているが、ビジネスには不向きな性格だ。アンヌの弟トマ(マチュー・カソヴィッツ)は家業を継がず、医師として働いている。再婚した若い妻アナイス(ローラ・ファーリンデン)との間に幼い息子ポールがいる。幼い娘のいるモロッコ人のラッシドとその妻ジャミラが、使用人として住み込んでいる。
ある日、トマの別れた妻が薬物中毒で入院し、13歳の娘エヴがこの大家族に加わる。ほどなくジョルジュの85歳の誕生会が開かれる。あることをきっかけに、ジョルジュと孫娘エヴはお互いの秘密を打ち明けあう・・・

カレーといえば、ドーバー海峡をわたってイギリスに行こうとする難民・移民が多く滞在している町。でも、ロラン家は、彼らのことなど気にかけることもなく、それぞれが自分のことしか考えていない。大家族で食卓を囲んでも、会話がはずむわけでもない。映画の冒頭も、スマホで撮った動画から始まるが、今や、目の前にいる生身の人ではなく、スマホが対話の相手。この屋敷の中では、使用人のモロッコ人一家だけが、家族のぬくもりを感じさせてくれる存在。
ハネケ監督が描いたロラン家の人々は、まさに今の社会にはびこる、自己中心で、他人に無関心どころか、他者を排除する風潮を象徴したような一家。ブラックユーモアに満ちていて、タイトル『ハッピーエンド』の意味するところは何なのか、見終わって、しばし考えてしまいました。(咲)


2017年/フランス・ドイツ・オーストリア/107分/カラー/アメリカンビスタサイズ
配給・提供:ロングライド 提供:KADOKAWA
(C) 2017 LES FILMS DU LOSANGE - X FILME CREATIVE POOL Entertainment GmbH - WEGA FILM - ARTE FRANCE CINEMA - FRANCE 3 CINEMA - WESTDEUTSCHER RUNDFUNK - BAYERISCHER RUNDFUNK - ARTE - ORF Tous droits reserves
公式サイト:http://longride.jp/happyend/
★2018年3月3日(土)角川シネマ有楽町ほか全国順次公開




posted by sakiko at 09:35| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする