2017年12月03日

紅い襷 富岡製糸場物語

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(C)2017 富岡市/富岡製糸場映画製作委員会

劇場公開日 2017年12月2日

企画・製作:富岡市 製作総指揮:岩井賢太郎 
監修:今井幹夫、クリスチャン・ポラック
構成・総合プロデューサー:家喜正男 
プロデューサー:大谷千明樹、櫻井顕 
作:松井香奈 
監督:足立内仁章 撮影監督:間賢治(J.S.C.) 
美術:西沢和幸 音楽監督:谷川賢作
出演
水島優 吉本実憂 桐島ココ 木村夏子 ジリ・ヴァンソン 太田緑ロランス 金澤美穂 藤原希 中井ノエミ近童弐吉 木村知幸 愛華みれ 佐伯日菜子 磯部勉 高橋ひとみ
豊原功補 西村まさ彦 大空眞弓

激動の明治初期、女性たちの誇りがそこにはあった

明治政府は明治5年、群馬県富岡市に西洋と日本の技術を融合した世界最大規模の製糸工場、富岡製糸場を設立した。2014年、世界遺産に登録された富岡製糸場を題材に製作されたこの作品は、明治時代に日本の近代化を支える絹の生産に携わった女性たちの姿を描いている。
フランスから招いた“生糸の神様”に「生き血を抜かれる」という荒唐無稽な噂話が全国に広がって、工女集めに難航していると聞き、明治6年春、長野県松代の区長の娘、横田英は反対する父を松代と新しい日本の為と説得し、同郷の河原鶴らとともに富岡製糸場に工女として入場した。製糸場に到着した工女たちが目にしたのは、見たこともない美しいレンガ作りの建物とピカピカの機械。そして真摯に糸を紡ぐ先輩工女たちの姿だった。
全国から集った工女たちは、フランス人女性教師の厳しい指導のもと、繭から糸を取り出す作業から始め、糸を紡ぐまで技術を一日も早く習得し、紅い襷(たすき)を掛けることが許される一等工女になり、故郷で指導者になることを目指していた。しかし、身分や出身県による差別などの問題も出てきた。さまざまな苦労を味わいながらも、製糸業を通して日本の近代化に尽力した若き日本人女性たちの姿を描いた。長野・松代の工女、横田(和田)英の手記と取材資料をもとに作った作品。

製糸業というと「あゝ野麦峠」が有名だが、副題は「ある製糸工女哀史」。こちらは飛騨から岡谷の製糸工場に働きに出た少女たちの悲惨な姿を通して、国策で有力な貿易品であった生糸の生産を支えた工女たちの姿を伝えている。『紅い襷 富岡製糸場物語』は、その前の時代の女性たちの姿ということかなと思う。富岡製糸場で糸紡ぎをマスターした工女たちが故郷に帰って指導したということで、いずれも、そういう工女たちの働きが明治時代にあったということを忘れてはいけないと思う。(暁)

公開情報
東京都 12月2日(土)〜12月14日(木)渋谷シネパレス 
愛知県 12月9日(土)〜 名演小劇場 
宮城県 12月30日(土)〜 桜井薬局セントラルホール
埼玉県 1月6日(土)〜1月12日(金) MOVIXさいたま
公式HP https://akaitasuki.com/
(2017/100分/カラー/日本/ビスタサイズ/デジタル)
配給 パル企画 上映時間100分













posted by akemi at 21:07| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

女の一生(原題:Une vie)

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監督・脚本:ステファヌ・ブリゼ
原作:ギイ・ド・モーパッサン
撮影:アントワーヌ・エベルレ
音楽:オリビエ・ボーモン
出演:ジュディット・シュムラ(ジャンヌ)
ジャン=ピエール・ダルッサン(男爵:ジャンヌの父)
ヨランド・モロー(男爵夫人:ジャンヌの母)
スワン・アルロー(ジュリアン)、ニナ・ミュリス(ロザリ)

男爵家のひとり娘、17歳のジャンヌは親の決めた子爵ジュリアンと結婚が決まった。何不自由ない暮らし、仲睦まじい若夫婦…幸せな人生を送るはずだったが、女中のロザリがジュリアンの子を宿していることがわかった。乳姉妹だったロザリが自分の夫と密通していたと知り、ジャンヌは深く傷つく。ロザリが出て行き、ジュリアンは許しを乞い、元のさやに戻るがジュリアンの浮気はそれからも重なった。愛する母が死に、一人息子ポールは溺愛が過ぎたか、ジャンヌの期待を悉く裏切っていく。

修道院で教育を受けてきた清純な10代から数十年に渡り、運命に翻弄され続けた女性の一生。女性が主体的に生き方を選べなかった時代ではありますが、それにしても不幸の種は昔も今も変わりません。
原作の「女の一生」は1883年、モーパッサン33歳のときの作品です。Wikipediaによると両親が不仲で離婚し、母親に育てられた人だそうですが、苦難の多い女性の物語なので、もっと年取った作家の著作だと思っていました。そんなに若いときの作品だったと今回初めて知りました。20代から作家の道に進みましたが、先天性梅毒を病み苦しんだようです。43歳で没するまでに長編6作のほか、多くの中・短篇を残しています。波乱の人生だったんですね。監督・脚本は『母の身終い』『ティエリー・トグルドーの憂鬱』のステファヌ・ブリュゼ。3度目のタッグとなる撮影監督のアントワーヌ・エベルレの映像が美しいです。(白)


2016年/フランス/カラー/スタンダード/119分
配給:ドマ、ミモザフィルムズ
(C)TS PRODUCTIONS (PHOTO MICHAEL CROTTO)-AFFICHE NUITDECHINE
http://womanslife.jp/
★2017年12月9日(土)より岩波ホールほか全国順次公開
posted by shiraishi at 18:50| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ビジランテ

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監督・脚本:入江悠
撮影:大塚亮
音楽:海田庄吾
出演:大森南朋(神藤一郎)、鈴木浩介(神藤二郎)、桐谷健太(神藤三郎)、篠田麻里子(神藤美希)、嶋田久作(岸公介)、間宮夕貴(サオリ)、吉村界人(石原陸人)、岡村いずみ(亜矢)、般若(大迫護)、菅田俊(神藤武雄)

埼玉のとある町。三人の兄弟が、暴力を振るう父親にナイフを向ける。逆に袋叩きにあい、厳しい折檻を受けた。長男の一郎はその夜、着の身着のままで出奔して帰って来なかった。それから30年、町の有力者だった父親が亡くなった。次男の二郎は父親の遺した地盤を力に市会議員になり、やり手でしっかり者の妻と娘と暮らしている。三男の三郎はデリヘルの雇われ店長。
そんな折、行方知れずだった一郎が戻って来た。多額の借金で首が回らず、返済に充てるために遺産は自分のものにすると言う。一郎はあれほど嫌っていた父親とそっくりの暴力的な男になっていた。

『22年目の告白 私が殺人犯です』『SR サイタマノラッパー』(2009)シリーズの入江悠監督のオリジナル脚本。「ビジランテ」とは法や正義が及ばない世界で、自分の大切なものを守りぬく自警集団のことだそうです。二郎が自警団長ですが、団長とは名ばかりで議員の名誉職のようなもの。外国からの住人たちとの不穏な小競り合いを収められず、家では妻にリードを取られ、先行き不安な感じです。この妻役の篠田麻里子さんが、AKB時代の麻里子サマと別人(本当のところは知りませんが)の悪女っぽさぷんぷんで、二郎捨てられそう…。
一郎の大森南朋さんは期待どおり、菅田さんに負けない怖さ。そのくせ傷ついた内面が透けて見えそうな脆さもありました。そして三郎の桐谷健太さんがいい役でした!『彼らが本気で編むときは』も優しくて頼もしい役でしたが、窮地にあるデリヘル嬢を助けに行くなんざカッコ良すぎるではありませんか。3人兄弟の中で一番心根まともに育っていました。その男気に惚れます!
“とある町”は入江監督の地元、深谷でのロケだったようです。完成披露試写会の舞台挨拶では、入江監督が花束の代わりに深谷の名産「深谷ネギ」を贈呈したそうで、その晩はあちこちで美味しい鍋が囲まれたかも。暴力満載で痛いけれど、男たちの生き様に目が離せない、心に刺さる映画でした。入江監督&俳優さんに拍手。(白)


2017年/日本/カラー/シネスコ/125分
配給:東京テアトル
(C)2017「ビジランテ」製作委員会
http://vigilante-movie.com/
★2017年12月9日(土)より テアトル新宿ほか全国ロードショー
posted by shiraishi at 18:03| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ラ・ベア マッチョに恋して(原題:La Bare)

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監督:ジョー・マンガニエロ
撮影:アンドリュー・ホイーラー
音楽:Z-Trip
出演:マスターブラスター、チャニング、チェイス、トレント、DJニック・アダムス、シーザー、コール、ジョー・ミラー、アレックス、JD、オースティン

アメリカ・テキサス州ダラスにある男性ストリップクラブ「ラ・ベア」。そこで働く人気のダンサーたちの本音やショーの内側に迫ったドキュメンタリー。『マジック・マイク』(2013〜)シリーズで知られる俳優ジョー・マンガニエロの初監督作品。今も現役、大ベテランのランディをはじめ、映画を観てストリッパーに憧れて入った可愛い若手チャニング(映画にちなんだステージネーム)たちの舞台裏を見せます。

ハリウッドの人気スター、チャニング・テイタムが10代の頃にストリッパーとして働いたことがあり、その体験談を元にした『マジック・マイク』がヒットしました。へ〜〜と思いながらこのシリーズを楽しみましたが、そちらはフィクション。こちらは俳優として出演したジョー・マンガニエロがメガホンをとったドキュメンタリー。たぶん嫉妬も相まって男性の評価は低いかもしれませんが、熱狂する女性たちのコメントをよく聞いていただきたいもの。仕事とはいえ、女性にこよなく優しいイケメン&マッチョな男性ストリッパーをたっぷり観られますので、特に女性たちよ劇場へGO!それにしてもアンジェロは惜しいです…。(白)

2014年/アメリカ/カラー/ビスタ/91分
配給:パルコ
(C)2014 La Bare/3:59 Incorporated. All rights reserved
http://www.labare-movie.jp/
★2017年12月9日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田ほか全国ロードショー
posted by shiraishi at 16:32| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ルージュの手紙(原題:The Midwife)

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監督・脚本:マルタン・プロヴォ
撮影:イヴ・カペ
音楽:グレゴワール・エッツェル
出演:カトリーヌ・フロ(クレール)、カトリーヌ・ドヌーヴ(ベアトリス)、オリヴィエ・グルメ (ポール)、カンタン・ドルメール(シモン)、ミレーヌ・ドモンジョ(ロランド)、ポーリーヌ・エチエンヌ(セシール)

クレールは助産師として働き、女手一つで息子を育て上げた。子育てを終えても、お洒落や遊びに興味を持てず菜園の手入れをしながら質素な生活を送っている。そんなクレールのもとに1本の電話がかかってくる。30年前、父と自分を捨てて姿を消した継母のベアトリスからだった。酒とギャンブルが好きで自由に生きてきたが、このほど癌が見つかったという。唯一愛した男性はクレールの父親だけなので、死ぬ前にもう一度会い許してもらいたいと戻ってきたのだ。しかし父親はベアトリスが突然去った直後自殺している。ベアトリスは悲嘆にくれるが、クレールは今更という思いだった。

原題の「Midwife」とは助産師のこと。資料によると、マルタン・プロヴォ監督が生まれた時、助産婦が自らの血を輸血して命を救ったのだとか。監督は2年前母親から聞いて彼女を探したけれど見つけることができず、彼女への感謝を主人公を同じ職業にすることで表したのだそうです。
本作は二人の“カトリーヌ”の初共演になりました。カトリーヌ・フロは1956年生まれ61歳(映画の役は49歳)。セザール賞ノミネートの常連でしたが、音痴の歌姫に扮した『偉大なるマルグリット』でついに主演女優賞を獲得しました。
10代から女優をスタート、今や世界的大女優となったカトリーヌ・ドヌーブは1943年生まれ74歳。貫禄とゴージャスさが増していますね。実年齢よりずっと若くて美しいお二人です。
プロヴォ監督は『セラフィーヌの庭』(2008年)『ヴィオレット ある作家の肖像』(2013年)でも知られ、女性の心を丁寧に描かれる方です。アリとキリギリスのように正反対な生き方をしてきたクレールとベアトリスが少しずつ相手を理解し、違いを認めあう過程に共感しました。お酒が飲めず、ギャンブルをする度胸もない私はクレール寄りですが、言いたいことを言い、気ままな風か媚びない猫のようなベアトリスもまた羨ましい気がします。(白)


2017年/フランス/カラー/ビスタ/117分
配給:キノフィルムズ
(C)CURIOSA FILMS - VERSUS PRODUCTION - France 3 CINEMA (C)photo Michael Crotto
http://rouge-letter.com/
★2017年12月9日(土)よりシネスイッチ銀座ほかにて全国順次公開
posted by shiraishi at 16:25| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

オリエント急行殺人事件(原題:Murder on the Orient Express)

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監督:ケネス・ブラナー
原作:アガサ・クリスティ
脚本:マイケル・グリーン
撮影:ハリス・ザンバーラウコス
音楽:パトリック・ドイル
出演:ケネス・ブラナー(エルキュール・ポアロ)
ジョニー・デップ(エドワード・ラチェット)
ミシェル・ファイファー(キャロライン・ハバード)
ジュディ・デンチ(ドラゴミロフ公爵夫人)
ペネロペ・クルス(ピラール・エストラバドス)
デイジー・リドリー(メアリ・デブナム)
ウィレム・デフォー(ゲアハルト・ハードマン)
ジョシュ・ギャッド(ヘクター・マックィーン)
デレク・ジャコビ(エドワード・マスターマン)
レスリー・オドム・Jr(ドクター・アーバスノット)
マーワン・ケンザリ(ピエール・ミシェル)
オリビア・コールマン(ヒルデガルデ・シュミット)
ルーシー・ボーイントン(エレナ・アンドレニ伯爵夫人)
マヌエル・ガルシア=ルルフォ(マルケス)
セルゲイ・ポルーニン(ルドルフ・アンドレニ伯爵)
トム・ベイトマン(ブーク)

名探偵のエルキュール・ポアロは、エルサレムで一つの事件を解決した。ゆっくり休暇を楽しめると思いきや、イギリスでの事件解決を依頼されてしまった。豪華寝台列車オリエント急行に席が用意されていた。イスタンブールから乗り込むと、すでに満席の盛況だった。ポアロは乗客のアメリカ人富豪のラチェットから「何者かに脅迫を受けている」と打ち明けられ、警護を依頼されるがあっさりと断ってしまう。深夜オリエント急行は雪崩で脱線、立ち往生しラチェットが殺害されているのが発見される。遺体には12ヵ所もの刺し傷があった。ポアロは鉄道会社からこの殺人事件の調査を依頼された。犯人はこの乗客の中にいる、と一人ずつに事件当夜の話を聞くのだが、全員にアリバイがあることがわかる。

超有名なアガサ・クリスティの原作をすでにお読みの方は多いはず。新しい側面やアクションを加えた本作は、犯人がわかっていても楽しめます。ケネス・ブラナーは監督も兼ねて、お洒落で身の軽いポアロ役で大活躍。トレードマークの髯もよく似合いますが、あの立派な髯を乱さないために、ポアロは寝るときに特別な“カバー”をしています。初めて目にしました。ぜひご注目ください。
「その日、一等車両は容疑者で満室でした。容疑者は乗客全員」と予告編でナレーションが入ります。この容疑者たちがまた豪華。主演クラスの俳優が揃っています。出演者があまりに多いので、一列に並べてみました。名優たちの群像劇と、65ミリフィルムで撮影したというスペクタクルな画面を堪能してください。(白)


2017年/アメリカ/カラー/シネスコ/114分
配給:20世紀フォックス映画
(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation
http://www.foxmovies-jp.com/orient-movie/
★2017年12月8日(金)よりロードショー
posted by shiraishi at 15:28| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする