2017年12月17日

バーフバリ 王の凱旋(原題:Baahubali 2: The Conclusion)

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監督・脚本:S・S・ラージャマウリ
原案:V・ビジャエーンドラ・プラサード
音楽:M・M・キーラバーニ
出演:プラバース(シヴドゥ/バーフバリ)、アヌシュカ・シェッティ(デーヴァセーナ)、ラーナー・ダッグバーティ(パラーラデーヴァ)、ラムヤ・クリシュナ(シヴァガミ)、ナーサルビッジャラ(デーヴァ)

はるか遠い昔、インドに栄えたマヒシュマティ王国。シヴドゥは自分が伝説の英雄アマレンドラ・バーフバリの息子であると知った。父の家臣だったカッタッパから父の辿った悲劇を聞く。
国母シヴァガミから王位継承の命を受けたバーフバリは、忠臣カッタッパと共に国の視察の旅に出る。クンタラ王国のデーヴァセーナ姫と出会って恋に落ちるが、彼を恨むパラーラデーヴァは2人を引き裂く策略を練っていた。パラーラデーヴァが王位につき、バーフバリと生まれたばかりの息子の命が狙われる。

今年4月に公開した『バーフバリ 伝説誕生』の続編。プラバースがバーフバリ父子を一人で演じているので、あれどっちの話だっけ?とわからなくなるのですが、周りの顔ぶれで判断してください(え?)。前編はほぼ息子バーフバリ、今回の後篇は時を遡り父バーフバリの話が半分以上で、全てを知った息子バーフバリが父の復讐にたちあがる熱い熱いストーリーです。
装備なしでも動きも力もハリウッド映画の超人なみのバーフバリ、普通死んでますって!という場面が何度あったことか。流れるような超絶アクション、奇想天外な武器や戦車、ここぞというときのスローモーションに、キメポーズ。過剰に見える演出もインド映画ならでは。数を頼んだ陣形の戦闘シーンは中国映画にも似ていますが、とにかく主人公は雨あられと降る矢にもあたりません。今回も女優さんが強くて逞しくて美しい!(白)


おさらい 
本作予告編
2017年/インド/カラー/シネスコ/141分
配給:ツイン
(C)ARKA MEDIAWORKS PROPERTY, ALL RIGHTS RESERVED.
http://baahubali-movie.com/
★2017年12月29日(金)新宿ピカデリー、丸の内TOEIほか全国順次ロードショー
posted by shiraishi at 11:39| Comment(0) | インド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月16日

勝手にふるえてろ

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監督・脚本:大九明子(おおく あきこ)
原作:綿矢りさ「勝手にふるえてろ」(文春文庫刊)
撮影:中村夏葉
音楽:高野正樹
主題歌:黒猫チェルシー
出演:松岡茉優(江藤良香:ヨシカ)、渡辺大知(二)、石橋杏奈(月島来留美)、北村匠海(イチ)、趣里(金髪店員)、前野朋哉(最寄駅の駅員)、古舘寛治(釣りおじさん)、片桐はいり(オカリナ)

ヨシカ24歳。経理部のOL。彼氏なし(24年間)。絶滅した動物が好き。中学生の同級生だったイチに10年間ずっと片思いしている。ただし脳内。現実には会社の同期の「ニ」に“人生初告られた”ところだけれど、全くタイプじゃない。イチ会いたさのあまり、同級生の名前を騙って同窓会を企画、イチ呼び出し作戦を開始する。そして再会の時がやってきた・・・。

初主役(オムニバスはあり)を射止めた松岡茉優(まつおかまゆ)さん、『ちはやふる』の若宮詩暢役で観ていたのですが、今回は脳内暴走してしまう晩生女子。クールで落ち着いた詩暢と全く違う顔を見せています。かなりアブナイ一途な乙女心、くるくる変わる表情にひきつけられます。ほとんど出ずっぱりでセリフも膨大。歌まであります。東京国際映画祭ではコンペ作品にエントリーして観客賞、松岡茉優さんは新設の東京ジェムストーン賞を受賞しました。大九明子監督とっても嬉しそうでした。
「イチ」は名前の略ですが、「ニ」はヨシカの思い入れのなさから名前も覚えてもらえず。その「ニ」がいいヤツとだんだんわかってきて「気づいてやってよ早く」と肩を持ちたくなります。渡辺大知さんは『色即ぜねれいしょん』(2009/田口トモロヲ監督)で初主演、俳優デビューしています。この純君が「ニ」になったような気がしちゃいました。周りがヨシカに負けない濃いキャラで出るたびに楽しく、中でも蜿r太郎君のコンビニ店員さんに遭遇したい、と思ったものです。(白)


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東京国際映画祭2017 オープニングにて(写真 宮崎暁美)

「イチ」のことが大好きで、ほんとは見つめたいけど、気づかれちゃダメと、視野の端で見る“視野見”という方法をマスターして、ずっと「イチ」を見ていたヨシカ。すごい技術! 思えば、高校生のころ、大好きな君を、ずっと目で追いかけて嫌がられたような記憶が。あぁ〜 恥かしい!  
つい先日、高校の同級生たちと忘年会。男女20名が集まって、あの頃は誰が好きだったなんて話で大盛り上がり。もう50年近く前のことが、まるで昨日のことのよう。あの時、告ってくれればなんて話も出たけど後の祭り。この映画の、「ニ」のように、ダメ元で当って砕けろが正解よねと。もう若くない世代にも、青春を思い出させてくれて元気の出る映画です♪ いやいや、ヨシカの隣人の片桐はいり演じるオカリナも、どうやら幸せをつかんだ様子で、青春真っ只中。大九明子監督、ほんとに楽しい映画をありがとうございます♪ (咲)


東京国際映画祭 
★観客賞受賞 大九明子監督が「わ〜!」と驚きの声をあげて登壇。

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東京国際映画祭みなと委員会より、まずはハッピが差し出され、これを纏って受賞の喜びを語るのが伝統と言われ、ちょっと恥ずかしそうに羽織る大九監督。
「予算の少ない作品で、ノミネート自体びっくり。紙を破いて投票してくださった方々に感謝します。映画にしがみついてきてよかった」と、ほんとうに嬉しそうに語りました。(写真 景山咲子)

★松岡茉優さん「東京ジェムストーン賞」受賞
来場できずビデオメッセージでの喜びの言葉。

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「第一回の賞に選んでいただいたのに、直接受け取りにいけなくて残念です、『勝手にふるえてろ』は、少ない人数で少ない時間で撮った映画なのですが、こんなにたくさんの方に観ていただけて嬉しいです。日本映画が元気になるように頑張りたいです」(写真 景山咲子)

2017年/日本/カラー/シネスコ/117分
配給:ファントム・フィルム
(C)2017映画「勝手にふるえてろ」製作委員会
http://furuetero-movie.com/
★2017年12月23日(土・祝)新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋ほか全国ロードショー
posted by shiraishi at 22:22| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月10日

花筐 HANAGATAMI

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監督:大林宣彦
原作:檀一雄作「花筐」より(講談社・文芸文庫)
脚本:大林宣彦/桂千穂「花筐」2017
撮影台本:大林宣彦「花筐」2017
製作:辻幸コ(唐津映画製作委員会会長)/大林恭子(PSC)
協力:檀太郎
出演:窪塚俊介、矢作穂香、常盤貴子、満島真之介、長塚圭史、山崎紘菜、柄本時生、門脇麦

1941年春、17歳の榊山俊彦(窪塚俊介)は両親と過ごしていたアムステルダムから一人で帰国し、佐賀県唐津の叔母(常盤貴子)の元に身を寄せる。新学期、海辺の教室では、個性豊かな同級生たちが山内教授(村田雄浩)と対峙していた。たくましい美男子の鵜飼(満島真之介)、ひょうきんな阿蘇(柄本時生)、虚無僧のような吉良(長塚圭史)・・・ 隙さえあれば、教室を抜け出し、松林で煙草を吸い、裸になって海で泳ぐ日々。俊彦は、肺病を患う従妹の美那(矢作穂香)にほのかな恋心を抱きながらも、あきね(山崎紘菜)や千歳(門脇麦)ら女友達と遊び、“不良”なる青春を謳歌していた。しかし、そんな彼らの前に、いつしか戦争の足音が近づいてくる・・・

大林宣彦監督が、1977年のデビュー作『HOUSE/ハウス』よりも前に書き上げていた幻の脚本を映画化し、『この空の花』『野のなななのか』に次ぐ戦争3部作の最終章として撮り上げた青春群像劇。原作は、昭和11年(1936年)に文芸誌に発表された檀一雄の純文学「花筐」。翌年、日中戦争が勃発。処女短編集「花筐」出版記念予告日に檀一雄は召集令状を受け取り、戦地へ赴いている。
映画では、時代を大林監督自身が経験した1941年に設定。

「青春が戦争の消耗品だなんてまっぴらだ」という言葉に、戦争前夜の若者の葛藤が象徴されている、
クランクイン直前に癌で余命3ヶ月を宣言された監督の、まさに命を振り絞って作り上げた作品には、敗戦を経験した作家として、語り継がなければいけないという思いが溢れている。
ここに描かれている青年たちは、お国の為に戦うという綺麗ごとをいうわけでもない。今を楽しみ、将来を夢見るいつの時代も変わらない若者たち。「戦争はいやだ」という大林監督の率直な言葉が胸に迫る。

そして、この映画の魅力はロケ地の唐津。冒頭の松林の向こうに海が見える教室。あんな教室で学びたい! 世捨て人のような吉良が暮らす家は、海辺の屋敷。かつて唐津を訪れた時に、海辺に広い庭園に囲まれたゆったりとした日本家屋の宿がいくつか並んでいて、その一つで昼食をいただいたのを思い出した。窓から海の向こうに唐津城を見晴らせる落ち着いた和室での至福のとき。祭の時期ではなかったが、唐津くんちの記念館では、赤い鯛の形の屋台が目をひいた。また訪れたくなった。(咲)


2017年/日本/カラー/DCP/アメリカンビスタ/169分
配給:新日本映画社
公式サイト:http://hanagatami-movie.jp/
★2017年12月16日 (土) 有楽町スバル座ほか全国順次ロードショー




posted by sakiko at 21:04| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ヒトラーに屈しなかった国王 原題 Kongens nei

2017年12月16日より、シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー

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c 2016 Paradox/Nordisk Film Production/Film Vast/Zentropa Sweden/Copenhagen Film Fund/Newgrange Pictures

監督:エリック・ポッペ
製作:ピーター・ガーデン
製作総指揮ヘンリク・ツェイン
出演:
イェスパー・クリステンセン:ホーコン7世
アンドレス・バース:オラフ
モ・クリスティアンセン
カール・マルコビクス:クルト・ブロイアー
カタリーナ・シュトラー:アンネリーゼ・ブロイアー
ツバ・ノボトニー:マッタ

第二次世界大戦時の1940年4月9日、ナチス・ドイツ軍がノルウェーの首都オスロに侵攻。ドイツ軍の攻撃に交戦するノルウェー軍だったが、圧倒的な軍事力によって、主要な都市は相次いで占領されていく。降伏を求めてくるドイツ軍に対しノルウェー政府はそれを拒否した。ノルウェー国王のホーコン7世は、政府閣僚とともにオスロを離れるが、ヒトラーの命を受けたドイツ公使は、ノルウェー政府に国王との謁見の場を設けるように、最後通告をつきつける。翌日、ドイツ公使と対峙した国王は、ナチスに従うか、国を離れて抵抗を続けるか、家族のため、国民のため、国の運命を左右する究極の選択を迫られるが、家族と離ればなれになっても、ナチスに抵抗することを選んだ。
ナチスドイツに抵抗を続けることは、北欧の小国ノルウェーにとって国の滅亡にも繋がりかねない。歴史に残る重大な決断を下した国王ホーコン7世の運命の3日間を描く。本国ノルウェーで3週連続1位の大ヒットを記録し、アカデミー外国語映画賞ノルウェー代表作品にも選出された。
ホーコン7世(1872-1957)は、デンマーク国王フレゼリク8世とルイーセ妃の次男。1905年にノルウェーがスウェーデンとの同君連合を解消して独立した時、国民投票によりノルウェー国王に即位。日本との縁も深く、八甲田雪中行軍遭難事件のお見舞いとして、1909年に明治天皇にスキー板を贈呈し、日本とノルウェーのスキー交流が始まったという。

ナチスドイツに関わることは映画でたくさん描かれてきたが、ノルウェーの 状況を描いた作品を観たのは初めてだった。ナチスに抵抗したということで絶賛はされたけど、そのおかげで戦争が長引いたというのは否めない。その間、国王は国外にいたというのが気になる(暁)。

配給:アット エンタテインメント 後援:ノルウェー王国大使館
c 2016 Paradox/Nordisk Film Production/Film Vast/Zentropa Sweden/Copenhagen Film Fund/Newgrange Pictures



posted by akemi at 21:00| Comment(0) | ノルウェー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

アランフエスの麗しき日々   原題:Les beaux jours d'Aranjuez

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監督・脚本:ヴィム・ヴェンダース
原作:ペーター・ハントケ「アランフエスの麗しき日々 夏のダイアローグ」(論創社)
出演:レダ・カテブ、ソフィー・セミン、イェンス・ハルツ、ニック・ケイヴ

古い家に置かれているジュークボックスから流れてくる昔懐かしい曲。
書斎では、男がタイプに向かっている。
庭先の町を見晴らす木陰には、男と女が座っている。
男が女に初体験のことを聞く。
相手は男じゃなかったと語る女。
子ども時代の話から、男と女の本質の違いなど、とりとめもない会話が続く中、男がアランフエスに行った思い出を語る。
タホ河が流れる小さな町。夏の宮殿があるが、自分が観たかったのは、農夫の家。
でも、それは王宮より手入れが行き届いているもう一つの宮殿にすぎなくて、壁の農夫を描いたフレスコ画から来ている名前とわかった。
板小屋を期待していたのかなとつぶやく男・・・

女性の語る内容が、小難しくて、いかにも部屋でタイプを打っている男が作り出した言葉という感じ。女性の心からの言葉じゃない作り物。彼女がなんとも堅い話をしているのに、男は初体験のことをまた尋ねたりと、なんともかみ合わない会話劇。
そして唐突に語られるアランフエスの思い出。
タイトルからスペインのアランフエスを期待していたら、見事に裏切られました。思い出話に出てくるだけ。
木立ちに囲まれた高台に建つ古い家は、遠くにパリの町が見晴らせる位置にあって、望遠鏡で眺めたときに、パリの高層ビルが連なっているのが、ぼぉ〜っと見えます。
手打ちのタイプライターに、ジュークボックスと、いつの時代?と、くらくら。
そして、唐突にピアノの弾き語りをする男。有名なミュージシャン、ニック・ケイヴ。(すみません、私は知らなかった!)
なんとも不思議な余韻の残る映画。
なにより、男を演じたレダ・カテブが渋いです。
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2016年の東京国際映画祭コンペティション部門で『パリ、ピガール広場』が上映された折に来日したレダ・カテブ(上記写真)にぐっと惹かれました。父親はアルジェリア出身の俳優マレク・エディーヌ。レダ・カテブ自身は1977年フランス・イヴリ=シェル=セーヌ生まれ。
ジャック・オーディアール監督作『預言者』でのジプシー青年ジョルディ役で注目を集めたそうですが、『預言者』では、タハール・ラヒムにしか目がいきませんでした。
そのほか、『愛について、ある土曜日の面会室』『不機嫌なママにメルシィ!』にも出ていたそうなのですが記憶になく・・・ 11月25日から公開されている『永遠のジャンゴ』でも、伝説のジャズギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトを素敵に演じていて、ちょっとマイブームのレダ・カテブなのです。(咲)


2016年/フランス・ドイツ・ポルトガル/97分/カラー/DCP
配給:オンリー・ハーツ
公式サイト:http://aranjues.onlyhearts.co.jp/
★2017年12月16日(土)よりYEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開



posted by sakiko at 20:00| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする