2017年10月01日

いただきます みそをつくる子どもたち

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監督・撮影・編集:オオタヴィン
ナレーション:石田ゆり子
出演:西福江、小泉武夫、奥田昌子、木村泰子

福岡市の高取保育園。医食同源に基づいた給食の献立は、玄米、みそ汁、納豆、旬の野菜料理。給食に使う味噌は、園児たちが毎月100キロずつ仕込み、次の園児たちが受け継いでいきます。梅ぼし、沢庵、高菜漬けなども手づくりです。西福江園長は1968年から「知育、体育、徳育の根源に食育がある」の教育理念を持って48年間園長をつとめ、後進に譲って勇退されました。高取保育園の2015年夏から2016年春までの四季に密着し、専門家たちとともに日本の伝統食に隠された先人の叡知をやさしく紐解いたドキュメンタリー。

2016年、有志の寄付金と多くの協力を得て制作された本作。全国約100ヵ所を自主上映してきましたが、このほど劇場公開にあたり新たな映像が撮影されました。内科医・奥田昌子氏や、映画『みんなの学校』で注目を集めた教育者・木村泰子氏のインタビューも追加されています。以前観た方も可愛い子どもたちの食べっぷりをもう一度どうぞ。きっとお味噌汁が飲みたくなり、帰ったらもう一つ二つ具を増やしたくなるはずです。プロデューサーの安武信吾氏は「はなちゃんのみそ汁」の原作者。長女の安武はなちゃんは、高取保育園の卒園生です。子どもたちに元気をもらい、伝統的な和食の力に目が開かれる作品です。(白)

2017年/日本/カラー/75分
配給:メジロフィルムズ
http://itadakimasu-miso.jp/
★2017年10月7日(土)東京・渋谷アップリンクほか全国で順次公開
posted by shiraishi at 20:05| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

アンダー・ハー・マウス(原題:Below Her Mouth)

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監督:エイプリル・マレン
脚本:ステファニー・ファブリツィ
撮影:マヤ・バンコヴィッチ
音楽:ノイア
出演:エリカ・リンダー(ダラス)、ナタリー・クリル(ジャスミン)、セバスチャン・ピゴット(ライル)

ダラスは大工として男性に混じって働き、仕事を終えると毎晩好みに合う相手を探して一夜を共に過ごしている。同じ相手と長く続かないのだ。ジャスミンはファッション誌の編集者として成功し、婚約者のカイルと結婚を間近に控えて幸せに暮らしていた。カイルが出張で不在のある晩、ダラスとバーで出会い、女性に惹かれる自分に戸惑う。ダラスもこれまでの相手と違ってジャスミンへの気持ちが急速につのっていく。

エリカ・リンダ―はスウェーデン出身のユニセックスのトップモデル。ダラス役を探していたマレン監督は、レズビアンで演技のできる女性を探し続け、Googleで検索してエリカの画像に釘付けになったそうです。スウェーデン人の彼女が「英語ができますように」と祈るような気持ちだったとか。セクシーで自信家のエリカはダラスにぴったり。婚約者がいながらダラスに心惹かれていくジャスミンを演じるのはカナダの女優ナタリー・クリル。揺れる気持ちを繊細に表現しました。
マレン監督をはじめ、この作品のスタッフは全て女性です。「女性の視点から語る」ことを重視して、これまでにないリアルなラブストーリーになったとマレン監督。愛は自由でどんな形でも愛は愛、自分の心に正直に生きる彼女たちの姿は心にひびくはず。レインボーリール映画祭のゲストとして来日したマレン監督のインタビューはこちら。(白)


2016年/カナダ/カラー/シネスコ/92分
配給:シンカ
c 2016, Serendipity Point Films Inc.
http://www.underhermouth.jp/
★2017年10月7日(土)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋他、全国順次ロードショー
posted by shiraishi at 20:01| Comment(1) | カナダ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

愛を綴る女(原題:Mal de pierres)

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監督・脚本:ニコール・ガルシア
原作:ミレーナ・アグス「祖母の手帖」
出演:マリオン・コティヤール(ガブリエル)、ルイ・ガレル(アンドレ)、アレックス・ブレンデミュール(ジョゼ)、ブリジット・ルアン、ビクトワール・デュボワ

南プロヴァンスの小さな村に住む若く美しいガブリエル。愛することを熱望するあまり既婚の教師に一方的な情熱を傾け、拒絶される。奔放な彼女は注目の的となり、持て余した母親は自分の農園で働くスペイン人のジョゼにガブリエルとの結婚を薦める。ガブリエルは「絶対に愛さない」ジョゼも「愛していない」と宣言して夫婦となるが、変則的な夫婦の営みはあった。流産したガブリエルに腎臓結石が見つかり、アルプス山麓の療養所に滞在することになる。そこでインドシナ戦争の帰還兵、アンドレと運命的な出会いをする。

情熱的な恋に身を焦がすエキセントリックなガブリエルが、だんだんと美しくなっていきます。元々綺麗な人が官能的に磨かれていくのが、生々しくなく品良く出ていると申しましょうか。私はルイ・ガレルのアンドレより、渋みの勝ったおじ様アレックス・ブレンデミュールのジョゼがいいです。ガブリエルは、なぜこの人の深い愛情に気づかないのか?たぶんタイプじゃないので、問題外のそとって感じなのね、ジョゼ可哀想すぎと一人納得。
ガブリエルの焦燥感、満ち足りていく様、なくしたものへの未練などなど、どの表情にも惹きつけられるでしょう。マリオンのファンは必見。プロヴァンスの美しい風景、美術や衣装も〇。(白)


2016年/フランス・ベルギー・カナダ合作/カラー/シネスコ/120分
配給:アルバトロス・フィルム
(C)(2016) Les Productions du Tresor - Studiocanal - France 3 Cinema - Lunanime - Pauline's Angel - My Unity Production
http://aiotsuzuru.com/
★2017年10月7日(土)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー
posted by shiraishi at 19:49| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ナラタージュ

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監督:行定勲
原作:島本理生
脚本:堀泉杏
撮影:福本淳
音楽:めいなCo.
出演:松本潤(葉山貴司)、有村架純(工藤泉)、坂口健太郎(小野玲二)、大西礼芳(山田志緒)、古舘佑太郎(新藤慶)、市川実日子(葉山美雪)

女子大生の工藤泉に、高校時代の恩師・葉山から電話があった。今も演劇部の顧問を続けている葉山は、部員が少ないので卒業公演の応援をしてくれないかというのだった。孤独だった泉を演劇部に誘い、居場所を与えてくれた彼を泉はひそかに思っていた。卒業式以来の再会に、当時の気持ちが再燃してしまう泉。しかし、葉山は離婚が成立していない別居中の妻がいることを打ち明ける。ほかの大学から来ていた小野玲二は泉に好意を寄せ、泉も葉山を忘れて小野の気持ちに応えようかと心が動く。

2006年版「この恋愛小説がすごい」第1位、「本の雑誌が選ぶ上半期ベスト10」第1位に輝いた島本理生の同名小説が原作。誰かがこんな恋バナをしたら、けちょんけちょんに言われそうな「何を考えてるのかよくわからない葉山先生」です。それでも泉が「壊れてしまいそうなほど好き」だったのは松潤だから。←違う!
今超売れっ子の有村架純さんと人気の二人、松本潤さん、坂口健太郎さんとのラブシーンはとっても貴重でしょう。嫉妬で壊れていく小野くんがじわじわと怖い。こんな坂口健太郎さんも初めて見ました。
原作者の島本理生さんが絶賛したというその出来具合を、どうぞ映画館でお確かめください。(白)


2017年/日本/カラー/140分
配給:東宝、アスミック・エース
(C)2017「ナラタージュ」製作委員会
http://www.narratage.com/
★2017年10月7日(土)より全国ロードショー
posted by shiraishi at 19:48| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ブルーム・オブ・イエスタディ   英題:The Bloom of Yesterday

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監督:クリス・クラウス (『4分間のピアニスト』)
出演:トラース・アイディンガー、アデル・エネル

ホロコーストの加害者と被害者の孫が出会い、恋に落ちる!
ドイツ人でホロコースト研究者のトトは頑固者。同僚と口論しているそばで教授が急逝。遺された犬のガンジーを引き取り、「ホロコーストを語る会」の開催に向け奔走する。トトの祖父はナチスの戦犯で、その罪ほろぼしに会を成功させたいと思っているのだ。そんな折、フランスからホロコースト研究者の女性ザジがやってくる。祖母がナチスの犠牲者となったユダヤ人で、親族の無念を晴らすために、なんとしても「ホロコーストを語る会」を成功させたいという。二人の目的は違うが、一緒に会の開催に向けてまい進することになる・・・

2016年・第29回東京国際映画祭のコンペティション部門で東京グランプリ(最高賞)およびWOWOW賞を受賞した作品。(映画祭上映時タイトル『ブルーム・オヴ・イエスタディ』)。
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クリス・クラウス監督(左)とカトリン・レンメさん(プロデューサー)

東京国際映画祭上映の折のQ&Aでのクラウス監督談:

ドイツでは、8歳の頃からホロコーストについて学び続けるけれど、加害者の子孫であっても、個人的痛みとして感じていないことがほとんど。被害者側とのぎくしゃくした関係を克服するには、痛みに直接向き合うことが大切です。
また、ドイツでは、ユダヤ人の生き残りはいい人に見せないといけないという風潮がありますが、そのタブーを破って、嫌味なタイプの女性を登場させました。(「ホロコーストを語る会」に登場する経験者の年老いた女性)
コメディータッチで描きながらも、ホロコーストの痛みは持続させた作りにしました。

実は、昨年、東京国際映画祭で、ホロコースト絡みなので興味津々で観た映画なのですが、ブラックユーモアについていけなくて、あまり好きになれなかった作品。
公開を前に試写状をいただいたので、もう一度観てみました。ドイツ流の笑いのツボは、違うなぁ〜と思いつつ、監督が描こうとした思いは、ずっしりと伝わってきました。
ドイツの人たちが、ホロコーストにしっかり向き合う教育を受けてきたからこそ、加害者側にも被害者側にも、公平に思いを寄せることができるのではないでしょうか。
別れた男と女のその後も、この映画のみどころ。どこの世界にもありそうで、ドキッとする人もいるのでは。(咲)


2016年/ドイツ・オーストリア/2時間3分/カラー/シネマスコープ/5.1ch
配給:キノフィルムズ / 木下グループ
公式サイト:http://bloom-of-yesterday.com
★2017年9月30日(土)Bunkamuraル・シネマ他 全国公開




posted by sakiko at 18:03| Comment(0) | ドイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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