2017年09月29日

ソウル・ステーション パンデミック   原題:Seoul Station

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監督: ヨン・サンホ(『新感染 ファイナル・エクスプレス』)
声の出演:シム・ウンギョン、イ・ジュン、リュ・スンリョン

蒸し暑い夏の夜。ソウル駅に近い安宿に長逗留している元風俗嬢のヘスンとその彼氏(ヒモ?)のキウン。宿代が払えず、キウンがヘスンの写真を勝手に出会い系サイトにアップして金を稼ごうとたくらんでいることを知り、ヘスンは部屋を飛び出す。一方、キウンは、出会い系サイトを見て連絡してきた男とヘスンを探しに町に出る。連絡してきた男は実はヘスンの父親だった。
その頃、ソウル駅の片隅でホームレスの老人が首から血を流し息絶え絶えになっていた。気づいた弟が助けを求めて奔走するが、戻ってきたら兄がいない。と、すっかり形相を変えた兄が若い男性に噛みついているのを発見する。
町をあてもなく歩いていたヘスンも、狂ったような男に襲われそうになるが、命からがら警察署に駆けこむ。だが、ここにも感染者が押し寄せてきて、安全な場所ではなかった・・・

早朝の釜山行き高速鉄道KTX内で発生した感染パニックを描いた、『新感染 ファイナル・エクスプレス』の前日譚となるアニメ作品。
先に、実写の『新感染 ファイナル・エクスプレス』の方を観たのですが、ゾンビと化した人たちの動きが、アニメで描いた本作のゾンビの動きとそっくりで笑えました。(ほんとに遭遇したら笑ってはいられませんが)
町を放浪するヘスンの声を担当しているのが『あやしい彼女』のシム・ウンギョン。
実写の『新感染 ファイナル・エクスプレス』の冒頭で、血を流しながら列車に飛び乗ってくる女性を演じているのがシム・ウンギョン。ヘスンは、結局犠牲になったのですね。

ちなみに、パンデミックとは、感染症の全国的・世界的な大流行のこと。
ほんとにこんな事態になったら、さっさと感染したほうが、逃げまどうより楽かも〜 (咲)


2016年/韓国/カラー/92分
配給:BROADWAY
公式サイト:https://pandemic-movie.com/
★2017年9月30日(土)より新宿ピカデリー他全国ロードショー!!




posted by sakiko at 21:55| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月24日

AMY SAID エイミー・セッド

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監督・脚本:村本大志
撮影:加藤陽介
音楽:jan and naomi
テーマ曲:大橋トリオ
出演:三浦誠己(朝田圭一)、渋川清彦(飯田収)、中村優子(飯田直子)、山本浩司(岡本亮介)、松浦祐也(五島春樹)、テイ龍進(木塚修司)、石橋けい(安藤美帆)、柿木アミナ(本庄エミ)ほか

大学の映画研究会のファムファタル的存在だったエミが突然人生から降りてしまった。エミが自分の恋人だと思っていた圭一は、エミが死んだ原因もわからないまま、彼女と一緒に歩むはずだった道に一人取り残されてしまう。
20年後、エミの命日に40代になった8人の男女が集まった。かつて映画論を戦わせ、将来の夢を語り合った思い出の場所はそのままだが、彼らの人生は様々な方向を向いていた。圭一はパン屋を営み、収と直子は結婚して無農薬野菜を作っている。亮介は売れない俳優に、春樹は介護士、修司はIT会社を経営、美帆はキャリアウーマンになっていた。それぞれが思い出を語りあううち、直子が「エミの死んだ理由を知っている」と口を開いた。

個性派・実力派俳優が多く所属するマネージメント会社ディケイドが、創立25周年を記念して自ら製作した作品。ディケイドのオールスター出演の青春群像劇です。8人だけの同窓会は触れたくない過去、今だから話せる秘密が顔を出していて「あるある」感がじわじわとのぼってきました。同じ時間を共有しても、立ち位置から見えていたものは少しずつ違っています。彼らの真実もいなくなったエミの真実とは違うかもしれません。注目してきた俳優さんばかりで「これから先も日本映画を豊かにしていってね〜」と内心でエールを送りました。
この試写の後に10年ぶりの同期会で故郷に帰ったのですが、自分の記憶も何十年も経つと都合よく塗り替えてしまうのだと再確認。不帰となった旧友も何人かいて、後10年したら自分もそちら側にいるかもしれません。いや、病気自慢をしているかも?「元気でいてまた会おうね」と別れましたが、実現させたいと思います。(白)


2016年/日本/カラー/96分
配給:ディケイド
(C)2017「Amy said」製作委員会
http://amy-said.com/
★2017年9月30日(土)テアトル新宿ほか全国順次公開
posted by shiraishi at 11:40| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

夜間もやってる保育園

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監督:大宮浩一
企画:片野清美
撮影:遠山慎二、前田大和
編集:辻井 潔
出演:エイビイシイ保育園の子どもたち他

待機児童が問題になっているこのごろ、多様な働き方をする親のニーズに合わせて全国には80の“夜間もやってる保育園”がある。歌舞伎町のお隣、大久保にある「エイビイシイ保育園」をはじめ、北海道から沖縄までの保育現場とそこで働く人、親の思いを紹介する。「エイビイシイ保育園」では片野清美園長の熱意のもと、オーガニック給食、多動の子どもたちへの療育、卒園後の学童保育まで行っている。

待機児童の問題は東京など都市部に集中しています。核家族で共働きが多いのに、保育所が足りない。認可を受けるに足る広さや設備がない、近隣の反対で建てる場所がない、保育士が足りない…と、ないない尽くしです。毎年保育の資格を得た若い人が誕生しても、低賃金できつい仕事であればやめていってしまいます。この作品に登場する保育士さんたちの笑顔に救われます。子どもたちの様々な表情も可愛く、こちらも思わず笑顔になりました。あっというまに成長するこの時期の子どもたちの受け皿になるだけでなく、子育ての不安や悩みにも応じてくれる保育者たちがいてくれることが、親たちにとって大きな拠り所となっています。こういう保育所がもっと増えると共に、保育士さんの処遇が良くなりますように。
大宮監督は2010年『ただいま それぞれの居場所』で介護福祉の現場を、2014年にはベトナム戦争従軍取材などで知られる報道カメラマンの石川文洋の青年期と現在を描いた『石川文洋を旅する』を企画・製作・監督。(白)


2017年/日本/カラー/111分
配給:東風
(C)夜間もやってる製作委員会
http://yakanhoiku-movie.com/
★2017年9月30日(土)よりポレポレ東中野にてロードショーほか全国順次公開
posted by shiraishi at 10:43| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月20日

福島映像祭

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日時:9/16 〜 9/22
会場:ポレポレ東中野
東京都中野区東中野4-4-1 ポレポレ坐ビル地下
http://www.mmjp.or.jp/pole2/
福島映像祭公式HP
http://fukushimavoice.net/fes/fes2017

プログラム:
9/17(日) 10:40 『Life 生きてゆく』上映後
 笠井千晶監督 舞台挨拶

9/18(月祝) 10:40 『福島 生きものの記録 シリーズ5』上映後
 岩崎雅典監督 舞台挨拶

9/20(水) 10:40『被ばく牛と生きる』上映後
 松原保監督 舞台挨拶

9/21(木) 10:40『Life 生きてゆく』上映後
 笠井千晶監督 舞台挨拶

9/22(金) 10:40 「特別プログラム」
『福島から6年、チェルノブイリから31年』
参考上映作品上映後トーク
 伊藤憲(『怪物君』監督)×本橋成一(『ベラルーシ再訪2017』監督)

すっかり遅れてすみません。
まだ上映中ですので、ぜひお出かけください!(白)
posted by shiraishi at 11:11| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月17日

僕のワンダフル・ライフ(原題:A Dog's Purpose)

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監督:ラッセ・ハルストレム
原作、脚本:W・ブルース・キャメロン「野良犬トビーの愛すべき転生」(新潮文庫)
撮影:テリー・ステイシー、ASC
音楽:レイチェル・ポートマン
出演:ブリット・ロバートソン(若き日のハンナ)、K・J・アパ(若き日のイーサン)、ジョン・オーティス、デニス・クエイド(イーサン)、ペギー・リプトン(ハンナ)、ジョシュ・ギャッドベイリー(ベイリーの声)

僕の名前はベイリー。ゴールデンレトリーバーの子犬だ。暑い日に車に閉じ込められて弱っていたところをイーサンに助けられた。それからずっと僕たちは一緒だ。イーサンが幸せになるように僕は頑張るんだと心に決めている。イーサンがハンナと恋人になれるよう応援、二人は同じ大学に進学が決まった。イーサンを嫉んだ友達のイタズラが大変な事態になってしまい、イーサンはアメフト選手の夢をあきらめ別の道へ進んだ。僕が元気づけてあげたいけど、遠くの大学に行ってしまった。犬は人間より早く年を取るので、とうとうイーサンとお別れの時がきてしまった。今のイーサンは幸せじゃない、それが心残りだった。
ところが僕はまた犬に生まれ変わった。今度はジャーマンシェパードの女の子だけどね。警察犬になって事件を解決し、殉職して…今度はコーギー犬に生まれてティナと名付けられ、飼い主の幸せを見届けてまた生まれ変わった。まだイーサンには会えない。

愛する飼い主に再会するために何度も生まれ変わるベイリーの人生、いや犬生。犬と過ごした経験のある方には号泣必至の作品です。愛犬と別れた日を思い出し、うちの●●もこうやって会いに来てくれないかしら、と思うはず。ハンカチ&ティッシュをお忘れなく。
少年→青年→壮年(老年?)と変わっていくイーサンと一緒に自分の人生も振り返ってしまいました。ここまで何匹の犬や猫たちになぐさめてもらったことか。自分は何をしてやったかしらと反省もしきりです。
ラッセ・ハルストレム監督のほかの作品に、やはり犬が登場する『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』(1985年)『HACHI 約束の犬』(2009年)がありますのでもう一度見直したくなりました。(白)


2016年/アメリカ/カラー/シネスコ/100分
配給:東宝東和
(C)2017 Storyteller Distribution Co., LLC and Walden Media, LLC
http://boku-wonderful.jp/
★2017年9月29日(金)よりTOHOシネマズ 日劇他、全国ロードショー
posted by shiraishi at 19:57| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする