2017年08月06日

ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦   原題:Anthropoid

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監督・脚本:ショーン・エリス 
出演:キリアン・マーフィ、ジェイミー・ドーナン、ハリー・ロイド、 シャルロット・ルボン、アンナ・ガイスレロヴァー

第二次世界大戦中、チェコスロヴァキアを統治していたナチスの親衛隊大将ラインハルト・ハイドリヒ。
本作は、ヒトラー、ヒムラーに次ぐナチス第三の男ハイドリヒ暗殺の史実の影で暗躍した若き英雄たちの物語。

1941年12月、大英帝国政府とロンドンのチェコスロヴァキア亡命政府の指令を受け、ヨゼフ・ガブチークとヤン・クビシュの2人の軍人がパラシュートでチェコに降り立つ。森を彷徨い、プラハのレジスタンス仲間のもとにたどり着く。2人からハイドリヒ暗殺作戦「エンスラポイド(類人猿)作戦」を明かされたプラハの抵抗組織の人々の中には、係わったことが知られると、家族の身も危なくなると反対する者もいた。
やがて、ハイドリヒが次の任地に向かうらしいことがわかり、ロンドンから暗殺決行の指令がくだる。1942年5月27日、ヨゼフとヤンは、ついにハイドリヒを狙撃するが、ナチスは想像を絶する報復に出る・・・

潜伏先の隠れ家でお手伝いとして働いていた可憐な娘マリーと恋に落ち、結婚までしたヤン。無謀な暗殺作戦に反対するレジスタンス仲間もいたし、暗殺決行の指令とは別に、イギリスからはもう一通、作戦中止の伝言も届いていたそうです。
ヨゼフやヤンだけでなく抵抗組織の人たちは、作戦決行の日、自決用の青酸カリを手に家を出ています。教会にたてこもって、ナチスの報復に抵抗しますが、悲惨な最期を迎えます。自分を犠牲にしてでも、残虐なナチスの権力者を倒したいという思いに胸を打たれました。そんな勇気ある人たちの行動も虚しく、その後のナチスの血の報復命令で、1万人以上の市民が犠牲になったそうです。
プラハに旅した時、地図をみていて王宮と反対側の川沿いにユダヤ人墓地を見つけて行ってみました。ユダヤ人が多く住んでいた地区だったらしく、シナゴーグの壁一面にナチスの犠牲になったユダヤ人のお名前が記されていました。ドイツやオランダ、フランス、ポーランドだけでなく、チェコでも多くのユダヤ人が犠牲になったことを知りました。
プラハというと、「プラハの春」で、ソ連軍によって多くの市民が犠牲になったことがまず思い浮かびますが、ナチスもこの町に暗い歴史を刻んだのですね。それが、こんな出来事だったとは・・・ (咲)



2016年/チェコ・イギリス・フランス/ 120分/5.1ch/シネスコ
配給:アンプラグド
公式サイト:http://shoot-heydrich.com/
★2017年8月12日(土)新宿武蔵野館ほか全国順次公開
posted by sakiko at 18:05| Comment(0) | チェコ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月03日

リベリアの白い血   原題:Out of My Hand

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監督:福永壮志
撮影:村上涼/オーウェン・ドノバン
音楽:タイヨンダイ・ブラクストン (ex.BATTLES)
製作総指揮:ジョシュ・ウィック、マシュー・パーカー
製作:ドナリ・ブラクストン/マイク・フォックス
出演:ビショップ・ブレイ、ゼノビア・テイラー、デューク・マーフィー・デニス、ロドニー・ロジャース・べックレー、ディヴィッド・ロバーツ、シェリー・モラドほか

西アフリカ、リベリア共和国。ゴム農園で働くシスコは、過酷な労働環境の改善を求めて仲間たちと共に立ち上がる。ストをするも状況は変わらない。そんな折、出稼ぎ先のニューヨークから従兄弟のマーヴィンが一時帰国する。ニューヨークでの生活も決して楽ではないと聞かされるが、少しでも稼いで仕送りをしようと、愛する家族の元を離れ単身で自由の国アメリカに赴く。
ニューヨークのリベリア人コミュニティに身を寄せ、タクシードライバーとして働き始めたシスコは、厳しい現実と直面しながらも徐々に大都会での生活に慣れていく。
そんなある日、ジェイコブと名乗る男に声をかけられる。リベリアでの内戦の時代に、共に兵士として戦った男だった。思い出したくない過去を知るジェイコブが、執拗にシスコの前に現われるようになる・・・

ニューヨークを拠点に活動している福永壮志監督による、長編デビュー作。
本作は、リベリア部分の撮影監督を務めた村上涼さんが自主制作したドキュメンタリーから着想を得た物語。ニューヨークを拠点に映像関係で活躍する先輩であり義兄弟(妹さんの配偶者)でもあった村上涼さんが、2007年と2008年にリベリアでゴム農園の労働者を追ったドキュメンタリー。その制作を手伝ううちに、過酷な中でひたむきに働く姿に感銘を受け、当時構想していたニューヨークに住む移民の映画の主人公の背景を、リベリアのゴム農園の労働者に設定。
なお、村上涼さんは、本作のリベリア部分の撮影中にマラリアに罹り、ニューヨークに戻られた後、亡くなられました。まだ33歳という若さ。今後も活躍が期待されていただけに残念です。

リベリアのゴム園の過酷な労働環境や、ニューヨークのリベリア人のコミュニティという、日本人には縁遠い世界のことを知ることができて興味津々でした。
本作は、リベリア政府公認の映画組合との共同制作。
シスコ役のビショップ・ブレイは、過去に実際リベリアのゴム農園で働いていた方。とても誠実で温厚な人物だけど、違う面も持っていることを体現していて素晴らしいです。元兵士仲間のジェイコブに対しては、感情をむき出しにします。一方、タクシーの乗客としてリベリア人でアメリカで成功しているらしい紳士が出てきて、多額のお釣りをいらないというのですが、シスコは受け取れないと、尊厳を見せます。

リベリアという未知の世界を知ることができる一方で、平穏に暮らしていたのに、思い出したくない過去の自分を知る人物に出会ってしまったり、新天地を求めて別の場所に行ったりという、普遍的な出来事を描いた物語。世界各国で共感を得ることができる映画だと思いました。映像が素晴らしく、ストーリー展開も面白いので、ぜひ劇場でご覧ください。(咲)


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公開を前に一時帰国された福永監督に、この映画に込めた思いをお伺いする機会をいただきました。
インタビュー記事は、こちらでお読みください。

★第21回ロサンゼルス映画祭 最高賞受賞
★第65回ベルリン国際映画祭 パノラマ部門正式出品
★第31回インデペンデント・スピリット・アワード ジョン・カサヴェテス賞 日本人初のノミネート

2015年/米国/88分/リベリア語・英語/ビスタサイズ/5.1ch/カラー/DCP
配給・宣伝:ニコニコフィルム
公式サイト:http://liberia-movie.com/
★2017年8月5日(土)よりアップリンク渋谷にて公開、ほか全国順次公開予定

★地方スケジュール★
北海道 ディノスシネマズ札幌劇場 9/2(土)〜 ※初日福永監督挨拶
北海道 ディノスシネマズ室蘭  9/2(土)〜 ※初日福永監督挨拶
宮城県 フォーラム仙台  9/23(土)〜10/6(金)
栃木県 宇都宮ヒカリ座  9/16(土)〜9/28(木)
愛知県 名古屋 シネマスコーレ 9/16(土)〜9/22(金) ※初日福永監督挨拶
大阪府 シネ・ヌーヴォ  9/23(土)〜10/13(金) ※初日福永監督挨拶
香川県 ソレイユ・2  9/9(土)〜9/22(金) 
※カメラマン村上涼さん出身地 初日福永監督舞台挨拶
大分県 シネマ5  9/23(土)〜9/29(金)

posted by sakiko at 12:13| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする