2017年08月20日

国連UNHCR難民映画祭2017

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開催期間:2017年9月30日(土)~-11月.12日(日)
開催都市:東京、札幌、名古屋、大阪、福岡、広島

無料ですが、事前申込みが必要です。
申込みはこちらから (地区ごとに締切日が違います)
http://unhcr.refugeefilm.org/2017/admission/

上映作品 13作品の詳細はこちらで!
http://unhcr.refugeefilm.org/2017/movies/

関連地域ごとにまとめてみました。

◆アフリカ関連
C.私たちが誇るもの 〜アフリカン・レディース歌劇団〜
 アフリカ各地から暴力や性搾取を逃れ、オーストラリアにやってきた4人の女性たち
D.とらわれて 〜閉じ込められたダダーブの難民〜
  世界最大の難民キャンプ、ケニアのダダーブ・キャンプで暮らすソマリア難民
E.ナイス・ピープル
内戦を逃れ、スウェーデンの田舎町ボーレンゲで暮らすソマリア難民
I.ウェルカム トゥ ジャーマニー(仮)
2018年正月第2弾、シネスイッチ銀座にて公開
難民申請中のナイジェリア青年を受け入れたミュンヘンの一家
K.市民
 ハンガリーで市民権を取ろうと奔走するアフリカからやってきた男 (イランの項、参照)
L.カイエ・アフリカン 〜暴力の記録〜
 中央アフリカ共和国の戦乱の中でコンゴの傭兵により暴行を受けた

◆イラン関連
B.神は眠るが、我は歌う
その首に多額の懸賞金が掛かるイラン人のミュージシャン、シャヒン・ナジャフィ。
K.市民
ハンガリーで市民権を取ろうと奔走するアフリカからやってきた男が、婚外子を身籠って逃げてきたイラン女性と出会う。故郷に電話する場面でペルシア語が聴けます。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2017で上映された作品。

◆イラク関連

J.ノーウェア・ トゥ・ ハイド 〜あるイラク人看護師の記録〜

◆シリア関連
Aシリアに生まれて
F.シリアからの叫び  
 シリア危機の全貌を検証するドキュメンタリー
G.アレッポ 最後の男たち
 2017年サンダンス映画祭ワールド・シネマ ドキュメンタリー・コンペティション部門審査員大賞グランプリ
H.希望のかなた  *監督:アキ・カウリスマキ  
  2017年 第67回ベルリン国際映画祭最優秀監督賞
  2017年12月ユーロスペースにて公開
M.アフター・スプリング 〜ザータリ難民キャンプの春〜
 シリア難民にとって最大の難民キャンプ、ヨルダンのザータリ・キャンプの生活に密着
posted by sakiko at 16:54| Comment(0) | 映画祭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

幼な子われらに生まれ

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監督:三島有紀子
原作:重松清「幼な子われらに生まれ」(幻冬舎文庫刊)
脚本:荒井晴彦
撮影:大塚亮
音楽:田中拓人
出演:浅野忠信(田中信)、田中麗奈(田中奈苗)、鎌田らい樹(沙織)、新井美羽(恵理子)、南沙良(薫)、水澤紳吾(同期男性)、池田成志(職場リーダー)、宮藤官九郎(沢田)、寺島しのぶ(友佳)、

田中信は別れた前妻友佳との娘、詩織に3ヶ月に一度会えるのを楽しみにしている。今の妻奈苗は前夫沢田との間に薫と恵理子という娘二人をもうけたが、DVに耐えかねて離婚している。バツイチ同士で結婚して4年、思春期の入口にさしかかった薫が、このごろ信と距離を取るようになった。再婚して以来、家庭第一の信は本社から倉庫へと異動させられてしまうが、奈苗に打ち明けられない。奈苗が妊娠したのを知った薫は反抗的になり、妹をいじめたり「この家いやだ。本当のパパに会いたい」と言ったりする。新しい職場で上手くいかない日々を過ごす信は、自分に頼り切りの奈苗もわずらわしくなり「別れよう」と口走ってしまう。

『しあわせのパン』(2012年)『繕い裁つ人』(2015年)など、これまでほんわかした優しい印象の作品を送り出してきた三島有紀子監督が、ドキュメンタリーのようなリアリティのある本作を作りました。脚本を尊重しつつ、俳優同士がぶつかりあって生まれた即興のセリフも取り入れたそうで、それが緊迫感のあるシーンになったのでしょう。前妻役の寺島しのぶさんが放ったセリフが浅野さんの中に残り、血のつながらない娘の薫とのシーンに出て来たセリフになっています。これには「信さん学習したね」と思いましたが、後で資料を読んで脚本でなく即興と知って感心しました。同じように子役たちが、芝居というより反応しているのです。
いわゆる“いい人”でじっと耐えている(溜めすぎると爆発する)信と逆に、いやなことはしない、やめる。そのために何でもする、妻にも子どもにも暴力を振るう沢田は最低な男に見えます。が、その言葉はたいていの男性の本音であるらしく、失笑か共感か試写室がさざめいていました。どっちの要素が多いか少ないかだけで両方が同じ人間の中にあるのでしょう。原作には信の気晴らしが書かれていますが、これは入ってなくて良かったです。なんだか気になる方は読んでみてくださいませ。(白)


2017年/日本/カラー/シネスコ/127分
配給:ファントム・フィルム
(C)2016「幼な子われらに生まれ」製作委員会
http://osanago-movie.com/
★2017年8月26日(土)テアトル新宿・シネスイッチ銀座ほか全国ロードショー
posted by shiraishi at 16:01| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

エル ELLE(原題:ELLE)

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監督:ポール・ヴァーホーヴェン
原作:フィリップ・ディジャン
脚本:デヴィッド・バーク「エル ELLE」早川書房
撮影:ステファーヌ・フォンテーヌ
音楽:アン・ダッドリー
出演:イザベル・ユペール(ミシェル)、ロラン・ラフィット(パトリック)、アンヌ・コンシニ(アンナ)、シャルル・ベルリング(リシャール)、ヴィルジニー・エフィラ(レベッカ)、ジュディット・マーレ(イレーヌ)、クリスチャン・ベルケル(ロベール)、ジョナ・ブロケ(ヴァンサン)

ミシェルはゲーム会社の辣腕社長。夫とは離婚、気の強い女に掴まった息子とも離れ、猫が家族の気楽な一人暮らしを楽しんでいる。ある日突然押し入った黒づくめの覆面男にレイプされてしまうが、一人で後始末をし友人たちとのディナーで打ち明ける。通報しないミシェルを元夫や友人たちは怪訝に思うが、周りの誰もが疑わしい。いつも監視されているようなメールや嫌がらせの電話が届くのだ。ミシェルは犯人を探し、自ら報復しようと武器を買い集める。

イザベル・ユペールは20年以上前から観ているのに、いつ見ても変わらない気がする女優さんです。芯が強くてぶれない女性という印象で、この作品ではそれに加えて“肉食系女子”でした!若い恋人を連れ込む母親を嫌っているようすも出てきますが、「いやいや貴女もそうなりそう」と内心つぶやいてしまいました。子どもの頃の体験から自分で自分を守るすべを身につけねばならなかった、と映画が進むにつれわかります。それにしてもいろいろと強い女性です。夫や息子が彼女を越えられそうもなく、情けなく見えてしまいます。初めて観たジョナ・ブロケはこの息子役でセザール賞にノミネート、先が楽しみな若手俳優です。お向かいの御主人パトリック役のロラン・ラフィットは『ミモザの島に消えた母』 (2015年)で、母の死の真相を探る兄役でしたね。コメディアンなのだそうですが、シリアスな役いけるではありませんか。
最後の重要なセリフや表情にご注意ください。(白)


2016年/フランス/カラー/シネスコ/131分
配給:ギャガ
(C)2015 SBS PRODUCTIONS - SBS FILMS - TWENTY TWENTY VISION FILMPRODUKTION - FRANCE 2 CINEMA - ENTRE CHIEN ET LOUP
★2017年8月25日(金)TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー
posted by shiraishi at 14:42| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

関ヶ原

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監督・脚本:原田眞人
原作:司馬遼太郎「関ヶ原」新潮文庫
撮影:柴主高秀
音楽:富貴晴美
衣裳:宮本まさ江
出演:岡田准一(石田三成)、有村架純(初芽)、平岳大(島左近)、東出昌大(小早川秀秋)、北村有起哉(井伊直政)、伊藤歩(蛇白/阿茶)、中嶋しゅう(赤耳)、音尾琢真(福島正則)、松角洋平(加藤清正)、和田正人(黒田長政)、キムラ緑子(北政所)、滝藤賢一(豊臣秀吉)、大場泰正(大谷刑部)、中越典子(花野)、壇蜜(妙善)、西岡徳馬(前田利家)、松山ケンイチ(直江兼続)

石田三成は幼いころ秀吉に才気を認められ、長く忠義を尽くしていた。三成は大名となり、猛将と呼ばれた島左近を破格の待遇で重臣として迎える。伊賀の忍びであった初芽は三成に命を救われ、以来“犬”となって三成に尽くし、三成は主従におさまらない思いを初芽に抱くようになる。
秀吉政権下では政務を担う文治派の筆頭である光成と、軍務を担う武断派の武将の対立は根深いものがあった。秀吉亡き後、天下を狙う老獪な徳川家康と、義を第一に思う石田三成との対立が顕在化する。
慶長5年9月15日(西暦1600年10月21日)、日本中の名だたる大名が家康が率いる東軍と石田三成率いる西軍に分かれ、関ヶ原(現在の岐阜県不破郡)で激突、その後の歴史を変える合戦の火ぶたが切って落とされた。

日本の歴史にうとくとも天下分け目の「関ヶ原の合戦」は誰も知っているのではないでしょうか。原作の司馬遼太郎「関ヶ原」(新潮文庫)は超ベストセラーです。
テレビでは1981年お正月、開局30周年のドラマとしてオールスターキャストで放映されていますが、今回初めての映画化です。原田眞人監督が25年前から構想していた本作、この年齢になるまで監督が待っていたという岡田准一さんを始め、豪華俳優陣がずらり。実年齢より20歳も年上の左近役の平岳大さん、『蠢動 しゅんどう』(2013年)の若い武士姿も似合いましたが、本作の老け作りでますますお父さんの平幹二朗さんにそっくり。先日舞台出演中に急逝された中嶋しゅうさんが、伊賀の忍び赤耳役で出演しています。
世の誰もが利に走る中、その流れに逆行して愚直なまでに信義を重んじる三成。その生き様が現代人の心も揺さぶります。(白)


2017年/日本/カラー/シネスコ/149分
配給:東宝、アスミック・エース
(C)2017「関ヶ原」製作委員会
http://sekigahara-movie.com/
★2017年8月26日(土)より全国ロードショー
posted by shiraishi at 13:50| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー

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監督:佐古忠彦(TBSテレビ報道局)
テーマ曲:坂本龍一
語り:山根基世、大杉漣

瀬長亀次郎。
敗戦後、米軍統治下におかれた沖縄で、弾圧を恐れず、米軍に不屈の精神で立ち向かった信念の人。

本作は、瀬長亀次郎の人生を通して、沖縄の戦後史に迫るドキュメンタリー。

1907年、沖縄県島尻郡豊見城村生まれ。
戦時中、毎日新聞那覇支局記者として活動。
戦後は田井等市助役として避難民の救援にあたる。
うるま新報(現、琉球新報)社長を経て、1952年、第1回立法院議員選挙で最高得票数で当選。選挙後に開催された琉球政府創立式典で宣誓拒否したことで占領軍から睨まれるようになる。
1954年10月、沖縄から退去命令を受けた人民党員をかくまった容疑で逮捕される。弁護人なしの裁判で、懲役2年の判決を受け投獄される(沖縄人民党事件)。
1956年4月に出獄後、12月、那覇市長選に出馬し米軍の妨害を受けるも当選。が、11ヵ月後、占領軍による通称「瀬長布令」により市長の座を追放される。
1970年 戦後沖縄初の衆議院議員に当選。以後7期連続当選。
1990年 衆院議員勇退
2001年 死去。享年94歳

娘の前では満面の笑みの優しい父の顔が、占領軍を前にすると鬼の形相に変わる。
そんな瀬長亀次郎さんを慕って、演説会を開くと毎回何万人もの聴衆が熱狂。
那覇市長に就任したものの、占領軍は出資銀行による那覇市への補助金や融資を凍結し妨害。多くの市民が瀬長市長を助けるため、税金を納めようと列をなした様子は圧巻。納税率は97%に達し、自主財源による公共工事再開も果たし、市政運営の危機を脱したそうだ。

太平洋戦争において、日本国内で唯一地上戦を体験した沖縄の人たち。
そして、敗戦後は27年にもわたって米軍統治下におかれていた沖縄・・・
今なお、米軍基地が居座り、何かと物議をかもしだしていることに抵抗運動をしている人たちにとって、瀬長亀次郎さんは鏡のような人だと知った。
海を隔てた沖縄のことと傍観していてはいけない、アメリカの匙加減に左右される日本に住んでいるのだからとつくづく思った。そう思いながら、自己を犠牲にして、権力に対して闘う勇気に、ただただ感服するだけの私。(咲)


2017年/日本/日本語/カラー(一部モノクロ)/ビスタ/ステレオ/107分
配給:彩プロ 
公式サイト:http://www.kamejiro.ayapro.ne.jp/
★2017年8月12日(土)より沖縄・桜坂劇場先行公開
8月26日(土)より東京・ユーロ スペースほか全国順次公開





posted by sakiko at 13:06| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする