2017年07月15日

ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣(原題:Dancer)

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監督:スティーブン・カンター
製作:ガブリエル・ターナ
「Take Me To Church」演出・撮影:デヴィッド・ラシャペル
出演:セルゲイ・ポルーニン、イーゴリ・ゼレンスキー、モニカ・メイソン

セルゲイ・ポルーニンは1989年ロシア ウクライナ生まれ。早くからバレエの才能を見出され、家族ぐるみの応援を受ける。一人息子にバレエを続けさせるために父も祖母も海外へ働きに出た。母は息子のために良き師と学校を探し、セルゲイもよく応えてバレエ一筋に精進してきた。キエフ・バレエ学校を経て、ついに英国の名門ロイヤル・バレエ団への留学を果たす。19歳でロイヤル・バレエ団の史上最年少プリンシパルに昇りつめながら、2年後、人気絶頂で電撃退団してしまう。体中に青いタトゥーを入れ、バレエ界きっての異端児と呼ばれた彼のバレエへの思い、迷い、失意のはてに再生するまでを紹介するドキュメンタリー。

映像はほぼ年代順。貴重なホームビデオの「ポーズを決めて得意そうな愛くるしい少年時代、家族との別れ、留学中の厳しい練習風景、友人との悪ふざけ」などなど。本人や関係者へのインタビューに加え、華やかな舞台映像、MV撮影の舞台裏、恩師や家族との再会のようすも盛り込まれています。2014年、ダンスと決別しようと踊ったホージアのMV「Take Me To Church」(演出・撮影:デヴィッド・ラシャペル)は、世界中で注目の的となりました。現在の視聴回数は2千万回を超えています。最後のつもりの映像が再起へ導くきっかけとなったとは、なんともドラマチックです。
本誌100号に来日時の会見、藝大奏楽堂プレミアイベントのレポート記事を掲載しています。(白)


2016年/イギリス,アメリカ/カラー/85分
配給:アップリンク、パルコ
http://www.uplink.co.jp/dancer/
(C)British Broadcasting Corporation and Polunin Ltd. / 2016
★2017年7月15日(土)より、Bunkamuraル・シネマ、新宿武蔵野館ほか全国順次公開

☆マスコミ向けプレス(非売品)を抽選で3名様にプレゼント!
(配給・宣伝のアップリンクより提供)
ご希望の方はシネマジャーナルfacebookに「いいね!」を押して「プレスシート希望」とメッセージをお寄せください。facebookをご利用でない方は、右の封筒アイコン“メッセージを送る”から「プレスシート希望」とご連絡くださいませ。
7月31日締め切り。当選の方のみご連絡いたします。

◆セルゲイ・ポルーニン 写真展[ビギニング・オブ・ジャーニー]
写真/ハービー・山口
会場:GALLERY X BY PARCO(渋谷区宇田川町13-17)
会期:7月15日(土)〜7月23日(日)11:00〜20:00
入場料:無料
協力:イルフォード・ジャパン株式会社
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お問い合わせ:03-6712-7505(GALLERY X BY PARCO)
公式サイト:http://www.parco-art.com/web/gallery-x/exhibition.php?id=1115
posted by shiraishi at 23:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ハートストーン(原題:Hjartasteinn)

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監督・脚本:グズムンドゥル・アルナル・グズムンドソン
出演:バルドル・エイナルソン(ソール)、ブラーイル・ヒンリクソン(クリスティアン)、ディルヤゥ・ワルスドッティル(ベータ)、カトラ・ニャルスドッティル(ハンナ)

ソールとクリスティアンは幼なじみで、何をするのも一緒の大親友だった。ソールは母親と個性的な二人の姉と暮らしている。母親がほかの男に女の顔を見せるのが嫌でたまらない。クリスティアンは支配的な父親を怖れ、気弱な母親は夫に従うばかりだ。けれどもソールにはそんなところは見せず、いつも優しい。
ソールは同級生の少女ベータが気になっているが、気持ちを伝えられない。クリスティアンが後押ししてくれて、少し前進することができた。ベータの友達のハンナがクリスティアンに想いを寄せて、4人は一緒に出掛けるようになる。

アイスランドから届く映画を何本か観ましたが、どれも心に沁みてきました。思春期にさしかかった少年たちのこの物語もその一つ。チラシ画像のこちらを見据える少年がソール、彼を見守るようなまなざしを向けているのがクリスティアンです。アイスランドを地球儀で見ると(南北が広がっているメルカトル図法の地図では大きくなってしまいます)北大西洋のグリーンランド寄りにぽつんとある島国(北海道と四国を足したくらいの広さ)です。約31万人が住んでいます。人口密度は3人/km2。
自然だけは豊かな小さな漁村で、少年たちは思春期を迎え、大人に近づいていきます。しかし大人の世界に楽しそうな要素が見当たりません。
小さな村では人の出入りが少なく、どの人も長い付き合い、家の事情もお互いに知られています。そういう村で異分子とされたら、住み続けることができません。人に埋もれてしまう都会の孤独も辛いでしょうが、狭い社会で好奇と嫌悪の視線にさらされる辛さも相当なものでしょう。通らねばならない道だと思っても、ソールとクリスティアンの友情と愛情の切なさに胸が痛みました。出演している少年たちの情報がなにもありませんが、1982年生まれの監督の青春時代の思い出が色濃く反映されているそうです。(白)


2016年/アイスランド、デンマーク/カラー/シネスコ/129分
配給・宣伝:マジックアワー
http://www.magichour.co.jp/heartstone/
★2017年7月15日(土)よりYEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次ロードショー
posted by shiraishi at 22:32| Comment(0) | TrackBack(0) | アイスランド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

《特集上映》ドゥミとヴァルダ、幸せについての5つの物語

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上映日程: 7月22日〜8月18日
渋谷・イメージフォーラム

『シェルブールの雨傘』、『ロシュフォールの恋人たち』等で知られ、1990年59歳で亡くなったジャック・ドゥミ監督と、その妻であり、89歳の今も活動を続けるアニエス・ヴァルダ監督の長編5本と短編1本の特集上映。
「ロマンチックな詩人」と称された夫ジャック・ドゥミ監督と対照的に、フランスの女性監督第一人者であるアニエス・ヴァルダ監督は、リアリストでドキュメンタリータッチを得意とする前衛作家。2015年、史上6人目となるカンヌ国際映画祭パルム・ドール名誉賞を受賞している。

上映作品
『ローラ』(1961年監督・脚本:ジャック・ドゥミ
『天使の入江』(1963年)監督・脚本:ジャック・ドゥミ
『ジャック・ドゥミの少年期』(1991年)監督・脚本:アニエス・ヴァルダ
『5時から7時までのクレオ』(1961年)監督・脚本:アニエス・ヴァルダ
『幸福〜しあわせ〜』(1964年)監督・脚本:アニエス・ヴァルダ
MIUMIUショートフィルムプロジェクト「女性たちの物語」
『LES 3 BOUTONS(3つのボタン)』(2015年)監督・脚本:アニエス・ヴァルダ

配給:ザジフィルムズ
公式サイト:http://www.zaziefilms.com/demy-varda/


『ローラ』
監督・脚本:ジャック・ドゥミ
撮影:ラウル・クタール
音楽:ミシェル・ルグラン
出演:アヌーク・エーメ
ジャック・ドミ監督 長編デビュー作。
1961年/フランス/モノクロ/88分/シネスコ

大西洋に面した港町ナント。キャバレー「エル・ドラド」の売れっ子踊り子のローラ。7歳になる息子と暮らすローラは、7年前に街を出ていってしまった恋人のミシェルの帰りを待ち続けている。アメリカ兵フランキーと一夜を共にしたのも、ミシェルに似ているからだった・・・  

美しいローラは人気者で、多くの男に言い寄られるけれど、片っ端から断ってしまいます。ミシェルを待ち続けるローラの一途な思いにほろっとさせられます。
ナントの美術学校で学んだジャック・ドゥミ監督。アメリカ兵たちの踊る姿が、港町らしい雰囲気を感じさせてくれます。


『天使の入江』
監督・脚本:ジャック・ドゥミ
撮影:ジャン・ラビエ
音楽:ミシェル・ルグラン
出演:ジャンヌ・モロー
劇場正式初公開 1963年/フランス/モノクロ/85分/ビスタ

ニースの美しい保養地、通称“天使の入江”のカジノを舞台に繰り広げられる、ギャンブルに魅せられた男と女の物語。
ジャンヌ・モローの輝く姿に出会える一作。


『ジャック・ドゥミの少年期』
監督・脚本:アニエス・ヴァルダ
出演:ジャック・ドゥミ
1991年/フランス/カラー&モノクロ/120分/ビスタ

ヴァルダが死期の迫った夫ドゥミを主題に作り上げた、ドゥミの少年期の物語。
1939年、港町ナント。ジャコと呼ばれる8歳の少年は自動車修理工場を営む父と髪結いの仕事をする母と幸せに暮らしていた。ある日、町の映画館で観た『白雪姫』に夢中になる。
第二次世界大戦の真っ最中で、父は徴兵され、ドゥミたちは疎開する。友人から映写機を借りたことをきっかけに、映画を作る喜びを知る・・・


『5時から7時までのクレオ』
監督・脚本:アニエス・ヴァルダ
撮影:ジャン・ラビエ
音楽:ミシェル・ルグラン
出演:コリーヌ・マルシャン
1961年/フランス=イタリア/モノクロ/90分

もしかして私、ガン?今は5時。医者を会うまでの2時間どうしよう…。占い師も恋人も作曲も、みんな無神経で誰も私のことをわかってくれない…。診断結果が分かる7時までの間、不安と希望を行き来しながら、夏至のパリを彷徨うポップ・シンガー、クレオの心象風景を、リアルタイムで追いかけた、キュートで哲学的なガーリームービーの金字塔。M・ルグラン、ゴダール、A・カリーナがカメオ出演。


『幸福〜しあわせ〜』

監督・脚本:アニエス・ヴァルダ
撮影:ジャン・ラビエ、クロード・ボーソレイユ
出演:ジャン=クロード・ドルオー、クレール・ドルオー

1964年/フランス/カラー/80分

「男ってなんてバカなの」「女は、何考えているのかさっぱりわからない」そんな類のテーゼを根本から吹き飛ばす衝撃的な人間ドラマ。圧倒的なストーリーテリングと緩急自在の語り口で、一組の夫婦の皮肉な物語を無邪気にみつめる。人は誰しも幸福を求める生き物、でも、しあわせって一体なに?珠玉の短編小説のような深い味わいを残すヴァルダの代表作。ベルリン映画祭銀獅子賞受賞。


MIUMIUショートフィルムプロジェクト「女性たちの物語」
『LES 3 BOUTONS(3つのボタン)』
監督・脚本:アニエス・ヴァルダ
出演:ジャスミン・ティレ
2015年/カラー/11分

農場で山羊の世話をして暮らす少女ジャスミン。ある日、郵便配達のおじいさんが大きな箱を彼女に届ける。その中には大きなドレスが入っていた・・・
posted by sakiko at 22:16| Comment(0) | TrackBack(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ハローグッバイ

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監督:菊地健雄
脚本:加藤綾子
撮影:佐々木靖之
音楽:渡辺シュンスケ
出演:萩原みのり(水野はづき)、久保田紗友(今村葵)、もたいまさこ(小林悦子)、渡辺シュンスケ(茅野耕介/茅野幸二郎)、渡辺真起子(小林早紀)

高校生の水野はづきと今村葵は同じクラスにいながら、殆ど交流がない。カレと別れたばかりのはづきの目下の心配は妊娠! まだ判明していないけれど仲間の一人がその元カレと交際中、とても打ち明けられずにいる。
目立つはづきと違って、まじめな委員長の葵。父は海外赴任中、母も仕事で忙しく顔を合わせることも少ない。食卓には現金がおいてある。いつしか万引きが癖になり、クラスメートのカバンからも小物を盗んでは隠すようになっていた。その中にはづきの妊娠検査薬があった。
たまたま帰り道で出くわしたはづきと葵は、迷子になっていた認知症らしいおばあさん小林悦子を交番へ送り届ける。葵は悦子さんがいつも同じ歌を口ずさみ、初恋の人あてらしい手紙を持ち歩いているのを知る。葵とはづきは悦子さんと一緒に、初恋の人を探すことにした。

昨年の東京国際映画祭「日本映画スプラッシュ部門」でいちはやく紹介されました。短時間で撮り、応募締め切り直前に出来上がったとか。初監督作の『ディアーディアー』(2015)とは全く違うテイストの、みずみずしく、ほっこりする作品になりました。ベテランの俳優陣が若い二人を支えて、くりかえされる渡辺シュンスケさんの優しい音楽も心地良いです。
学校のトイレで仲間の本音を聞いてしまうシーンに、同じ経験を思い出しました。自分の足りないところがわかって良かったのですが、その相手にはとても言えませんでした。
はづきと葵は同じ経験をしたけれど、その後べたべた仲良くなったりはしません。程よい距離感のまま卒業してゆくのでしょう。3人が歩く坂道や石段などロケーションもぴったり。(白)


2016年/日本/カラー/ビスタ/80分
配給:アンプラグド
(C)2016 Sony Music Artists
http://hello-goodbye.jp/
★2017年7月15日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開
posted by shiraishi at 21:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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