2017年07月23日

ビニー/信じる男(原題:Bleed for This)

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監督・脚本:ベン・ヤンガー
撮影:ラーキン・サイプル
出演:マイルズ・テラー(ビニー・パジェンサ)、アーロン・エッカート(ケビン・ルーニー)、ケイティ・セイガル(ルイーズ・パジェンサ)、キアラン・ハインズ(アンジェロ・パジェンサ)、テッド・レヴィン(ルー・デュバ)

スーパーライト級のプロボクサー、ビニー・パジェンサはチャンピオンのロジャー・メイウェザーに叩きのめされ、さすがの鼻っ柱も折れたかに見えた。プロモーターから引退をすすめられたビニーは逆に奮起、かつては名トレーナー、今や酒浸りのケビン・ルーニーを訪ねていく。二人の猛特訓が功を奏し、二つ上の階級で挑んだビニーはジュニアミドル級チャンピオンとなった。しかし、直後の交通事故によりビニーは首の骨を折る重傷、日常生活への復帰さえ危ういと診断された。ボクサーとして再起を望むビニーは、周囲の反対を押し切って手術はせず、頭を金属の装具ハローで固定する方法を選んだ。

これが実話をもとにしているというのにまず驚きました。ひん死の重傷から生還しただけではなく、誰も予想しなかった無謀ともいえるボクシングへの再挑戦を成し遂げたとは、まるでスポ根ものヒーローです。
ビニー役のマイルズ・テラーはプロボクサーの身体を作るため12sの減量、ケビン役のアーロン・エッカートは自堕落な生活を送るトレーナーを表現するため18sの増量。いつもスマートな彼が、頭を半分剃り上げ、メタボ体形で登場したので別人かと思いました(次の仕事のため、すぐ減量したそうです)。
マイルズ・テラーは『セッション』(2014)のアンドリュー役の印象が強いせいか、まだ20代初めかと思っていましたが1987年2月生まれなので、30代でした。続いて『ダイバージェント』のピーター役、このビニー役、と、自分の身体で説得力を倍増させる俳優です。息長く活躍してほしいです。(白)


2016年/アメリカ/カラー/117分
配給:ファントム・フィルム
(C)BLEED FOR THIS, LLC 2016
http://vinny-movie.com/
★2017年7月21日(土)TOHOシネマズシャンテほか全国順次公開


posted by shiraishi at 13:45| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

静かなる情熱 エミリ・ディキンスン  原題:A Quiet Passion

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監督:テレンス・デイヴィス
出演:シンシア・ニクソン、ジェニファー・イーリー、キース・キャラダイン

アメリカを代表する女性詩人エミリ・ディキンスン(1830−1886)のベールに包まれた半生を描いた物語。

清教徒主義の影響を受けるアメリカ東部の上流階級で生まれ育ったエミリ。ある時を境に、白いドレスを身にまとい、自然に包まれた屋敷から出ることなく、1986年、55歳の生涯を閉じた。エミリの死後、妹のラヴィニアは姉の整理ダンスの引出から、清書されて46束にまとめられた1800篇近くに及ぶ詩稿を発見する・・・

エミリの詩は、彼女が生きている間にはほとんど評価されることがなかったそうですが、死後発見された詩が発行され、その後、多くの芸術家に影響を与えています。サイモン&ガーファンクルは彼女にまつわる歌「エミリー・エミリー」「夢の中の世界」をアルバムに収め、ターシャ・テューダーは「まぶしい庭へ」で挿絵を手がけ、チャールズ・シュルツの漫画「スヌーピー」の題材にもされています。ウディ・アレンもエミリのファン。
こんなにも多くの芸術家に愛された詩人エミリ・ディキンスンのことを、私は全く知りませんでした。孤独な半生を送ったエミリの胸のうちを垣間見ることのできる一作。アメリカも相当男尊女卑の社会だったことも知ることができました。(咲)


2016年/イギリス・ベルギー/英語/カラー/125分/シネマスコープ/ドルビーデジタル/DCP
配給:アルバトロス・フィルム、ミモザフィルムズ
公式サイト:www.dickinson-film.jp
★2017年7月29日(土)より岩波ホールほか全国順次ロードショー
posted by sakiko at 10:19| Comment(0) | TrackBack(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月21日

十年   英題:TEN YEARS

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映画が製作された2015年から10年後の香港を、5人の若手監督が描いた5つの物語。 

第1話『エキストラ』監督:クォック・ジョン(郭臻)
第2話『冬のセミ』監督:ウォン・フェイパン(黄飛鵬)
第3話『方言』監督:ジェヴォンズ・アウ(歐文傑)
第4話『焼身自殺者』監督:キウィ・チョウ(周冠威)
第5話『地元産の卵』監督:ン・ガーリョン(伍嘉良)

毎秋、香港で開催される中規模映画祭「香港亞洲電影節/ホンコン・アジアン・フィルム・フェスティバル」でワールド・プレミア上映され、同映画祭で2回上映された後、香港アートムービーの発信基地「百老匯電影中心/ブロードウェイ・シネマテーク」で単館公開。
口コミで動員を伸ばし、連日満席。その後、上映館数を6館に増やし、旧正月を挟んだ2016年2月12日までの8週間、香港映画としては異例の長期興行となった。製作費50万香港ドル(約750万円)のインディーズ映画の最終興行収入は、なんと600万香港ドル(約9,200万円)に。ついには、2016年の香港電影金像奨で最優秀作品賞を受賞した。

今年の7月1日で、中国回帰から20年を迎えた香港。50年間は「高度の自治」を保障する一国二制度を摘要したはずだったのに、すでにあやしい雲行き。『十年』で描いた2025年には、さらに中国本土との同化が進んでいるのではないかと危惧します。

一番印象に残ったのが、3つ目の物語『方言』。香港の人たちが本来使っていた広東語がどんどん隅に追いやられる中、普通語(中国で使われる標準中国語)が出来ないタクシー運転手の悲哀を描いた痛烈な作品。大陸から来た客から言われた行先がわからなくて、若い子から広東語読みの地名を教えられる。やがて、空港や主要ターミナルのタクシー乗り場には普通語が出来ないと入れなくなってしまう。そんなことが現実になる日もありえるかもと思わせられた一作。ほかの4作も、それぞれに考えさせられる物語でした。(咲)


配給:スノーフレイク
2015年/香港/広東語/DCP/ステレオ/104分
公式サイト:http://www.tenyears-movie.com/
★2017年7月22日(土) よりK's cinemaほか全国順次公開
posted by sakiko at 21:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 香港 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月18日

夜明けの祈り (原題 Les innocentes )

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監督:アンヌ・フォンテーヌ
製作:エリック・アルトメイヤー,ニコラ・アルトメイヤー
原作:フィリップ・メニヤル 脚本:サブリナ・B・カリーヌ
出演:ルー・ドゥ・ラージュ,アガタ・ブゼクシスター,アガタ・クレシャマザー 他

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1945年12月のポーランド。赤十字に属する若きフランス人女医マチルドのもとに、シスターが助けを求めてやってくる。修道院を訪れたマチルドが目の当たりにしたのは、ソ連兵の蛮行によって身ごもり、信仰と現実の狭間で苦しむ7人の修道女だった。そこにある命を救う使命感に駆られたマチルドは、幾多の困難に直面しながらも激務の合間を縫って修道院に通い、孤立した彼女たちの唯一の希望となっていく。

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◆2017年セザール賞主要4部門ノミネート、2016年サンダンス映画祭公式上映作品、2017年フランス映画祭出品、アンヌ・フォンテーヌ監督の最新作。 実在したフランス人女医マドレーヌ・ポーリアックの物語。1945年終戦後のソ連軍による蛮行はポーランドに限ったことではないが本当に非道… 妊娠してしまった修道女たちの命を救うことに命をかける女医マチルド。シスター・マリアが「祈りとは24時間の疑問と1分の希望」と言ったセリフが忘れられない… 絶望的な修道院の環境とは裏腹な静謐なるポーランドの風景にも心打たれます。 (千)

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(C)2015 MANDARINCINEMA AEROPLANFILM MARSFILMS FRANCE2CINEMA SCOPEPICTURES
2016/フランス・ポーランド合作/配給ロングライド
公式サイト http://yoake-inori.com/
★8月5日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開




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2017年07月16日

ローサは密告された (原題 Ma'Rosa)

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監督:ブリランテ・メンドーサ 製作:ロレート・ラリー・カスティーリョ
製作総指揮:ブリランテ・メンドーサ 脚本:トロイ・エスピリトゥ
出演:ジャクリン・ホセ,フリオ・ディアス 他

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ローサはマニラのスラム街の片隅で小さな雑貨店を家族で経営している。家計のため、少量の麻薬を扱っていたが、ある夜、密告からローサ夫婦は逮捕される。警察による麻薬売人の密告要求、高額な保釈金… ローサの子どもたちは、両親の自由を取り戻すため奔走する。

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◆主役ローサを演じるジャクリン・ホセは本作で第69回カンヌ国際映画祭で主演女優賞を獲得。 監督は第3黄金期と呼ばれるフィリピン映画界の鬼才ブリランテ・メンドーサ。私的にはラヴ・ディアス監督よりは好きかもです、ハイ。現在、同国第16代大統領ロドリゴ・ドゥテルテ氏は「麻薬を完全に撲滅する。逆らう者が望むなら、与えるのは死だ」の発言どおり「麻薬撲滅」のもと警察、自警団による超法規的な処分をおこなっている… しかし一般市民は貧困のせいで麻薬密売に手を出さざるをえない… そんなフィリピンの現在が垣間見れる作品に仕上がってました。なんとなく終始、画面がスモークしているのもマニラって、きっと日々湿度が高そうです… フィリピンは訪れたい国のひとつだったけど色んな意味で当分ムリそう…。 (千)

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(c)sari-sari store2016
2016/フィリピン/配給ビターズ・エンド
公式サイト  http://www.bitters.co.jp/rosa/
★7月29日(土)より渋谷イメージフォーラムほか全国順次公開



posted by chie at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | フィリピン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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