2017年05月14日

メッセージ(原題:ARRIVAL)

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監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
原作:テッド・チャン「あなたの人生の物語」ハヤカワ文庫刊
脚本:エリック・ハイセラー
撮影:ブラッドフォード・ヤング
音楽:ヨハン・ヨハンソン
出演:エイミー・アダムス(ルイーズ・バンクス)、ジェレミー・レナー(イアン・ドネリー)、フォレスト・ウィテカー(ウェバー大佐)、マイケル・スタールバーグ(ハルパーン捜査官)、マーク・オブライエン(マークス大尉)、ツィ・マー(シャン将軍)

ある日、地球上の12ヵ所に宇宙から来たと思われる飛行物体が現れた。巨大な楕円形をしたそれは、中空に静止し何の働きかけもない。目的も意図もわからず、各国は不安と混乱の中にあった。言語学者のルイーズ・バンクスのもとに、アメリカ軍のウェバー大佐が協力要請に訪れる。ルイーズはウェバー大佐が聞かせた異星人の発する音声に言語学者としての興味を惹かれる。その言語を解読することに力を注ぎ、ついに物理学者のイアンらと飛行物体の中の異星人との接触を試みる。

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品は『灼熱の魂』 (2010)、『プリズナーズ』『複製された男』(2013)、『ボーダーライン』 (2015)と公開されていて、いずれも強い印象を残しました。この作品もSFでありながら同時にルイーズのドラマも描いていて、思いがけないラストに観終わった後もう一度観直したくなりました。
原作は短編であっというまに読み終えてしまいましたが、脚本とプロダクションデザインで不安と期待が入り混じった「未知との遭遇」をスクリーンに繰り広げてくれます。異星人の言語(視覚されたのはまるで前衛書道みたいです)をこうやって理解することが本当に可能なのでしょうか??わくわくします。いやその前に人間同士もっとなんとかならんの?とも思うのですが。作中でも各国の様々な対応が観られます。
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は SF映画の金字塔ともいえるあの作品の続編『ブレードランナー 2049』の監督にも抜擢、公開は10月末です。楽しみですね。その前にぜひこの作品をお見逃しなく。(白)


2016年/アメリカ/カラー/シネスコ/116分
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
http://www.message-movie.jp/
★2017年5月19日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 21:56| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2016/17 ロイヤル・オペラ『蝶々夫人』

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(C)ROH. PHOTO BILL COOPER

作曲:ジャコモ・プッチーニ
演出:モーシュ・ライザー/パトリス・コーリエ
指揮:アントニオ・パッパーノ
出演:エルモネラ・ヤオ(蝶々夫人〉、マルセロ・プエンテ(ピンカートン)、スコット・ヘンドリックス(シャープレス領事)、カルロ・ボッシ(ゴロー)

バレエ、オペラともに世界最高の名門歌劇場、英国ロイヤル・オペラ・ハウスの人気公演の舞台映像を『英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2016/17』と題して上映される9本目の作品。

上空から見た英国ロイヤル・オペラ・ハウス。
そこに続々と集まる人々。
開演前の楽屋。
ナビゲーターの女性による解説で、プッチーニが3年かけて作りあげた渾身の作も、1904年の初演は失敗に終わり、1幕目が長すぎるなどの批判をもとに練り直して上演。それが評判をよび、現在も演じられていることが語られる。
そして、いよいよ1幕目。
長崎の港を見晴らす丘に立つ家。アメリカ人士官ピンカートンと結婚することになった蝶々さんは15歳。裕福な士族の娘だったが、父親がお上の命で切腹し家が没落、芸者となった。結婚仲介人ゴローの口利きで現地妻を娶るピンカートンの行為を、アメリカ総領事シャープレスは軽率だと忠告するが意に介さない。そんなことも知らず、キリスト教に改宗し、親族とも縁を切って、ピンカートンを信じて結婚する蝶々さん。やがて、ピンカートンは任期を終えて帰国する。

10分の休憩をはさんで、第2幕の前に、また解説。
蝶々さんを演じたアルバニア人のエルモネラ・ヤオの練習風景も。

3年後。ピンカートンが帰ってくるのを信じて待つ蝶々さん。女中のスズキに、彼の乗った船が入港したと眼を輝かせて告げるが、夜になっても彼はやってこない。寝ずに待っている蝶々さんの傍らには3歳になる男の子が寝ている。早朝、ようやく蝶々さんが横になった頃、ピンカートンがアメリカ人の妻ケイトを伴ってやって来る。後ろめたさに逃げるピンカートン。ケイトは、蝶々さんの息子を引き取り、アメリカでわが子として育てると進言する。息子の幸せを願う蝶々さんは承諾し、父が切腹した時の短剣で自害する。

ロイヤル・オペラの音楽監督アントニオ・パッパーノが、 明るく興奮に満ちた少女から、愛によって自己を犠牲にする女性へと変化する蝶々のドラマチック な心の旅を指揮する。

あまりにも有名な「ある晴れた日に」の歌と共に、知っているつもりだった「蝶々夫人」ですが、オペラを全編通して観たことはありませんでした。解説付きの本作を通じて、日本を舞台にした物語が、どんな風に演じられているのかを知ることができ、興味津々。
日本人からみると、衣装がどこかおかしいとか、室内にある仏像を拝んでいるとか、違和感があるのは否めません。まぁご愛嬌。映画だと、顔がアップになるので、日本人役なのに西洋人の顔であることや、年齢が設定年齢と違うことなどが気になりますが、微妙な表情がよく見えて、それはそれで利点でしょう。舞台だと、遠くから見て、きっとそれらしく見える演技者たちの実力。

長崎のグラバー園にあるリンガー邸で、戦前のヨーロッパで蝶々夫人を演じて名を馳せた喜波貞子(Teiko Kiwa)さんの展示を見たのを思い出しました。長崎に住む母親から送ってもらった着物やかんざしなど装飾品の数々が目を引きました。ヨーロッパで使われていた衣装に違和感を覚えて、本物にこだわり、取り寄せたのでしょう。

一途に夫を愛する純情な蝶々さんの悲恋物語。(若いですからね)
まったくひどい男だと思うけど、こんな輩はどこの国にもいるでしょう。
百年以上にわたって上演し続けられている「蝶々夫人」。外国人は、きっと異国情緒に惹かれるのでしょう。
それにしても、長崎があんなにも風光明媚なところと、原作者も、プッチーニも知っていたでしょうか。グラバー邸のあるのは南山手で、蝶々さんの家のある東山手ではないのですが、グラバー邸に佇むと、いかにも蝶々さんの舞台という思いがします。あの景色を毎日眺められるなら、待っていられるかな。(咲)


配給:東宝東和
公式サイト:https://www.tohotowa.co.jp/roh/
★2017年5月26日(金)より全国順次公開 
posted by sakiko at 20:48| Comment(0) | TrackBack(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

夜に生きる  原題:Live by Night

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監督:ベン・アフレック(『アルゴ』)
原作:デニス・ルヘイン(「ミスティック・リバー」)
出演:ベン・アフレック、エル・ファニング、ブレンダン・グリーソン、クリス・メッシーナ、シエナ・ミラー、ゾーイ・サルダナ、クリス・クーパー

1920〜30年代、禁酒法時代のアメリカ。ジョーは、ボストン警察幹部の父に反発するかのように、幼馴染の仲間3人で強盗を繰り返していた。アイルランド系とイタリア系のギャングが敵対する中で、組織に属することなく無法者を貫いていたが、エマという女性と恋に落ちたことから状況は一変する。エマはアイルランド系ギャングのボスのホワイトの愛人だった。ボスの知るところとなり、ジョーは強盗事件の犯人として刑務所に入ることになる。3年後、出所したジョーは、イタリア系ギャングのボス、ペスカトーレに雇ってもらう。復讐するには敵対する組織に入ってのしあがるしかないと考えたのだ。フロリダでラム酒の闇取引で力をつけていくジョー。ラム酒の原料の糖蜜を仕切る女性グラシエラに心を癒されたジョーは、彼女との間に息子を授かるが・・・

冒頭、ジョーが政府の命で英仏戦争に参戦し、無駄死にしていく兵士たちを目の当たりにしたことから、もう誰の命令も聞かないと決めたことが語られます。無法者となった所以。物心ついた息子を連れて映画館にいったジョーが、この子はもう戦争に巻き込まれるようなことはないだろうとつぶやくのですが、スクリーンにはヒトラーの姿が・・・。映画本編の前のニュース映像でしょうか。ギャングの抗争が描かれているのに、反戦のメッセージをずっしり感じた映画でした。夜に生きると決めた男の信念もしっとりと心に染み入りました。(咲)

2016年/アメリカ/129分/スコープサイズ/5.1chリニアPCM+ドルビーサラウンド7.1(一部劇場にて)
配給:ワーナー・ブラザース映画
公式サイト:http://yoruni-ikiru.jp/
★2017年5月20日(土)丸の内ピカデリー 新宿ピカデリー、大阪 ステーションシティシネマほか、全国ロードショー
posted by sakiko at 09:45| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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