2017年05月07日

アムール、愛の法廷   原題:L'HERMINE

amoure aino hootei.jpg

監督:クリスチャン・ヴァンサン(『大統領の料理人』『恋愛小説ができるまで』)
出演:ファブリス・ルキーニ(『恋愛小説ができるまで』『ボヴァリー婦人とパン屋』)、シセ・バベット・クヌッセン

フランス北部の町、サントメール。裁判長のミシェル・ラシーヌは、10年以下の判決を下したことのない厳格な人物。家族にも疎んじられている。ある日、娘を蹴り殺した若い父親の罪を問う裁判で、陪審員の中に、かつて思いを寄せた女性を見つける。デンマーク人の女医ディットで、6年前、入院した折の麻酔医だ。優しく接してくれた彼女に恋をし、食事にも招いたが、恋文への返事はなく、あえなく失恋したのだった。
裁判の休憩の合間にメールを送って閉廷後に会う約束を取り付ける。6年前の思いを語るミシェル。医者として優しく患者に接していただけだったディットも、少しずつ気持ちが変わっていく・・・

一つの裁判の行方と同時進行で、厳格な裁判長の恋の行方が語られます。これまで厳しい判決しか出していなかったミシェルですが、恋する心が気持ちを和ませるのか、人間味のある対応に変わっていきます。それが判断を迷う陪審員たちを導く形にもなっていきます。恋は人を変える!
それにしても、陪審員の中には、スカーフを被ったイスラーム教徒の女性がいて、彼女にアラビア語で言葉をかける男性もいます。フランスという国、移民も陪審員になることを知りました。そういえば、日本の陪審員制度、今どうなっているのでしょう? まわりに陪審員に指名された人を知りませんが、裁判に対して全くの素人が人を裁くことになったときの重責を思うと、大変な任務ですね。
さて、この7月に公開されるインド映画『裁き』も法廷を背景にした作品。こちらも、一つの裁判と同時進行で裁判官、検事、弁護士、被疑者の法廷外での暮らしが描かれています。こちらは、生活格差がくっきり。カースト制度を背景に感じます。恋が描かれる『アムール、愛の法廷』は、やっぱりフランス流?  (咲)


2015年/フランス/98分/カラー/シネスコ
配給:ココロヲ・動かす・映画社○
公式サイト:https://www.cocomaru.net/amour
★2017年5月13日(土) シアター・イメージフォーラ ムほか全国ロードショー
posted by sakiko at 18:06| Comment(0) | TrackBack(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

トンネル 闇に鎖(とざ)された男    英題:TUNNEL

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監督:キム・ソンフン
出演:ハ・ジョンウ、ペ・ドゥナ、オ・ダルス、チョン・ソギョン、パク・ヒョックォン

「6時前に帰る。ケーキは買った」と妻セヒョンに電話し、娘の誕生日で家路を急ぐジョンス。開通して1ヶ月の長いトンネルに車がさしかかる。真ん中を過ぎたあたりで、突然轟音が響き、トンネルが崩落し、瞬く間に暗闇の世界に閉じ込められる。ラジオのニュースがトンネル事故を伝える。頼りはバッテリー残量78%の携帯電話。妻に電話し、状況を伝える。やがて、救助隊長キム・テギョンから連絡が入る。崩落の惨状から、救助にはかなりの時間を要することを知るジョンス。はたして無事生還し、妻や娘に会えるのか・・・

冒頭、ガソリンスタンドで、3万ウォン分と言ったのを、年老いた店員が満タンと聞き間違え、お詫びに水のボトルを2本受け取る。この水と娘のための誕生日ケーキが命綱になることを予測させる見事な導入部分。
突然トンネルが崩壊し、コンクリートの塊に囲まれ、絶望の淵に立つ男を体現したハ・ジョンウ。
切実な思いで夫の救出を祈りながらも、救助隊や世間に気を使う妻を演じたペ・ドゥナ。
閉じ込められたジョンスに励ましの声をかけ、救助作業中止命令が出ても決して諦めない救助隊長を演じた名脇役オ・ダルス。もう、脇役ともいえない見事な救助隊長ぶり。
トンネルの中の様子を探るためドローンが飛ばされる時、報道陣のドローンも一斉に飛ばされます。災害時の報道のあり方についても考えさせられる場面。
自分もトンネルに閉じ込められたような息苦しさも感じながらの2時間強。3人の名優たちが演じた等身大の登場人物に寄り添った時間でもありました。ふぅ〜 (咲)


2016年/韓国/カラー/シネマスコープ/127分
配給:アルバトロス・フィルム
公式サイト:http://tunnel-movie.net
★2017年5月13日(土)より シネマート新宿、シネマート心斎橋他にて順次ロードショー
posted by sakiko at 15:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月03日

トトとふたりの姉(原題:Toto si surorile lui)

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監督・脚本・撮影・編集:アレクサンダー・ナナウ

ルーマニアの首都ブカレスト。その郊外に見捨てられたようなロマ・コミュニティがある。おんぼろのアパートの1室には10歳の少年トトと姉二人、アナ17歳、アンドレア14歳が住んでいる。母親は麻薬売買の罪で服役中。父親はいない。母親の弟が子どもたちの面倒を見てくれるはずだったが、ドラッグや酒を持ち込んで悪友とたむろするばかり。男たちが注射を打っているのを目にしながら、ベッド代わりの椅子で眠るトト。アンドレアはそんな家に寄りつかず、友達の家を泊まり歩いている。アナは先が不安でドラッグに手を出し、逮捕されてしまった。アンドレアは監督から渡されたカメラに向かって、誰にもいえなかった胸の内を語り始める。トトはヒップホップのダンスを知って、初めて夢中になれるものを見つけた。

子どもは生まれてくる家も親も選べません。それしか知らなければどんな環境であろうと、それが日常で生活の場になります。『ムーンライト』のシャロンは、母親が麻薬中毒・売春で薬代を稼ぐような家で育ったけれど、他人のフアンとテレサからたくさんの愛情を注がれました。
ところがこのドキュメンタリーの姉弟には、そんな大人が身近にいません。まともな仕事も希望もない大人は、酒やドラッグに浸り過酷な現実から一時でも逃れようとしています。トトの目に希望の光が灯ったことで、アンドレアが少し変わります。明るくて暖かい方へと向かうのは自然の理なのでしょう。各地の映画祭で絶賛されたそうですが、あの子たちは今どうしているのか、その後が気になります。(白)


2014年/ルーマニア/カラー/93分
配給:東風、gnome
(C)HBO Europe Programming/Strada Film
http://www.totosisters.com/
★2017年4月29日(土)ポレポレ東中野にて上映中 ほか全国順次公開
posted by shiraishi at 01:27| Comment(0) | TrackBack(0) | ルーマニア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ラストコップ THE MOVIE

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監督:猪股隆一
脚本:佐藤友治
原作:「DER LETZTE BULLE」Red Arrow International 
撮影:迫信博
主題歌:BLUE ENCOUNT「さよなら」(キューンミュージック)
出演:唐沢寿明(京極浩介)、窪田正孝(望月亮太)、佐々木希(鈴木結衣)、藤木直人(松浦聡)、小日向文世(神野晴彦)、和久井映見(鈴木加奈子)、宮川一朗太(鈴木誠)、加藤雅也(西園寺春孝)、吉沢亮(藤崎誠吾)、升毅(町田昭仁)

熱血刑事(デカ)だった京極浩介は捜査中に爆発にまきこまれ、30年間昏睡状態にあった。奇跡的に目覚めるが、自分以外はすっかり変化しており、愛妻の加奈子は浩介の娘・結衣を連れて後輩の鈴木と再婚していた。平成生まれの望月亮太と相棒(バディ)を組んで仕事に復帰するも、なにしろ感覚は30年前のまま。亮太を振り回しながら事件解決にまい進する。そんな凸凹コンビの前に、最新鋭の人工知能が発端となった事件が勃発する。

2015年、2016年に放映されたテレビドラマの劇場版。新しいキャストを加えて、オリジナルのストーリーが繰り広げられます。アナログ刑事VS人工知能、不死身の浩介も限界か?元々はドイツの人気シリーズだったそうで、日本ばかりでなく各国でリメイク版が作られているようです。ドラマを見なかった人もついていけますのでご安心ください。
唐沢寿明さんは熱すぎる浩介にぴったり。得意のギャグが「コマネチ!」とは。30年くらい前のビートたけし(今や世界のキタノ監督)さんのネタでした。若い人は知らないんですねぇ。若い亮太との漫才のような掛け合い、浩介と世間とのズレ具合が笑いの素になり、コメディ度がかなり高いです。窪田正孝くんはコメディもイケます。映画では冒頭から「な、なんだ?!」というアクションシーン、ハイテンションなコメディから泣かせるドラマにもなり、幕の内弁当のようでした。おまけにエンディングが10種類用意されていて、各劇場で週替わりでランダムに上映されます。何が見られるかお楽しみに!(白)


2017年/日本/カラー/ビスタ/105分
配給:松竹
(C)2017映画「ラストコップ」製作委員会 
Based on the German TV series “DER LETZTE BULLE”, distributed by Red Arrow International
http://lastcop-movie.jp/
★2017年5月3日(水・祝)全国ロードショー
posted by shiraishi at 00:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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