2017年04月30日

まるでいつもの夜みたいに〜高田渡 東京ラストライブ

2017年4月29日 東京・アップリンク渋谷で公開
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監督・撮影・編集:代島治彦
出演:高田 渡、中川イサト、中川五郎
語り:田川 律
題字・絵:南 椌椌
ピアニカ演奏:ロケット・マツ
整音:田辺信道、滝澤 修
宣伝美術:カワカミオサム

タカダワタルハ、イキテル!
2005年、56歳で亡くなったフォークシンガー高田渡。北海道ツアー中の2005年4月4日に倒れ、その12日後に亡くなったという。それから12年になる。
「自衛隊に入ろう」「生活の柄」「ブラザー軒」「ごあいさつ」などの曲が知られているが、1968年、関西フォークキャンプで「自衛隊に入ろう」を唄い注目された。自作の他、明治・大正・昭和の演歌師や山之口貘や金子光晴など詩人の現代詩に曲をつけたスタイルを確立。また、アメリカの民謡曲に自身の詞を重ねたりと、そんな独自の手法で歌を作り出し、40年近く全国各地で歌い続けた。2004年に公開された『タカダワタル的』で高田渡を知った人もいるかもしれない。独自のスタイル、雰囲気を持ったライブで知られる。
『まるでいつもの夜みたいに〜高田渡 東京ラストライブ』は、倒れる1週間前の3月27日に東京、高円寺の居酒屋で行われたライブの模様を記録したもの。約30人ほどの観客の前で披露した東京でのラストライブの映像を中心に構成。ライブに出かけるところから、終わって帰るところまでの貴重な記録です。渡さんの飄々とした姿を観ることができる。
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まさか、亡くなってから12年もたって、また高田渡の映像を見ることができるとは思ってもみなかった。私にとって、なんだか縁のある歌い手なのである。高校時代、バイトして初めて買ったレコードが高田渡と五つの赤い風船カップリングのLPだったし、その後、下北沢や吉祥寺のライブにも何度か行った。
そして、武蔵野市に引越した1980年代以降、近所で時々、渡さんが歩いているのを見かけた。時にはギターを背負い、あるいは酒屋で酒を買っていたりで(笑)、近所に住んでいるんだなと思っていた。そして1990年代に引越したアパートが、なんと高田渡さんが住んでいたアパートだった。引越した当日、水道が出なくて困っていたら、仙人のような風貌の渡さんが出てきて「確か水道の元栓はここだったな」と言って、元栓を開けてくれた。まさかの渡さんの登場でビックリした。その後のエピソードなどはスタッフ日記で紹介しています。8年くらい同じアパートの住民で、高田家の斜め上の部屋に住んでいた。もうそのアパートは取り壊されてしまったけど、この映画の最後、なんとアパートの取り壊しの日の映像まで出てきてびっくり。それに、映画の冒頭、渡さんがアパートから出発するシーンで、かつて私の部屋だった窓が出てきて思わずのけぞってしまった(笑)。
 ライブでは、前年に亡くなった坂庭省吾さんのギターを初めて弾いたそう。思わずギターと指運びに目が釘付け。でも坂庭省吾さんが亡くなっていたことを知らなくて、この作品で知った。高田渡さん以外には、中川イサトさんと中川五郎さんが登場し、渡さんの人となり、追悼の文章などを語っていた。
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小室等さん

 映画が公開された5月7日、小室等さんがゲストの時に観にいった。その時、小室さんが語っていたけど、このギターは、後に競売にかけられ、高田渡さんが一回弾いたというプレミアがついて、100万円もの値段で落札されたとのこと。この日、小室等さんはトークだけでなく、「コーヒーブルース」「生活の柄」など高田渡さんの歌も歌ってくれた。実は、このライブで高田渡さんは、いつも最後に「生活の柄」を歌っていて飽きちゃったから今日は歌わないと言って「夕暮れ」という曲を歌った。それはそれでよかったんだけど、でもやっぱり「生活の柄」が聴きたかったなと実は思っていたので、この曲が聴けて嬉しかった。
 この曲は高田渡ファンのバイブルみたいな曲だけど、私は渡さん以外の人が歌うこの曲とタイミングが合うらしく、小室等さん以外に、大杉漣さん、モロ師岡さんが歌っているのを見たことがある。大杉漣さんは『タカダワタル的』を観にいった時(2004年)、ゲストで来ていて歌ってくれた(ちなみに「漣」という芸名は、渡さんの息子の高田漣さんの名前からと言っていた)。モロ師岡さんが歌っているのを見たのは今年(2017年)4月頃偶然見たTV番組の中。高田渡さんのファンだというモロ師岡さんが「生活の柄」の原点を訪ねて沖縄に行くという内容で、那覇・栄町市場にある酒処「生活の柄」に行き、マスターと二人でこの歌を歌っているシーンが流れた。そして、今回、小室等さんの歌うこの曲を聴いた。どうも、この曲と縁があるらしい。皆さん、それぞれ味がありましたが、やはり高田渡さんが歌う、この歌をもう一度聴きたいと思う私です(暁)。


2017年/カラー・B&W/デジタル/74 分
配給協力:アップリンク、TONE 
製作・配給:スコブル工房
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代島治彦監督
posted by akemi at 20:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

トモシビ 銚子電鉄6.4kmの軌跡

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出演:松風理咲、前野朋哉、植田真梨恵、有野晋哉、富田靖子/井上順 他
監督:杉山泰一(「の・ようなもの のようなもの」)
原作 : 吉野翠『トモシビ〜銚子電鉄の小さな奇蹟〜(TO文庫)』

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走る、走る。想いを乗せて―。高校生の椎名杏子(松風理咲)は、父を亡くし、母(富田靖子)と二人で銚子の街で暮らしていた。彼女が企画した<銚子電鉄と高校生ランナーとのレース勝負>が、地元メディアにも注目され、地元の期待も高まる中、最後のランナーが決まらず焦る杏子。時を同じくして、人生に疲れ果て、ふと銚子を訪れた一人の女性キミエ(植田真梨恵)の美しさに目をとめる電車撮り鉄青年の熊神(前野朋哉)。荒れた生活を送るキミエを世話する羽目になった熊神だったが、キミエを少しずつ理解し、徐々に2人の距離も近づいていく。一方、銚電の名にかけてもその勝負に負けられない銚子電鉄側では、万全の準備を期していたが、まさかの部品故障が発生。運転士の磯崎(有野晋哉)がレースを諦めかけた時、母と親しくする磯崎を疎ましく思っていた杏子が言い放つ…。そして、レース当日、それぞれの想いを乗せて、走る、走る。

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旧国鉄団地生まれ国鉄団地育ちの隠れ鉄子です。お向かいさんは元新宿駅長、裏のオジサンは元東京駅駅長などなど、そんな環境で育ったので、幼馴染もほぼ全員テツヲタです。ただ旧国鉄=現JR なので私鉄は余り詳しくなく… 銚電も未乗車でした… 千葉県でも赤字路線てあるんですね、驚きました、 地域に愛されている電車 なんとか生き残って走り続けて欲しい!! ぜひとも乗りに行きたくなる映画です、乗りに行きます!! (千)

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配給:トモシビパートナーズ 配給協力:アーク・フィルムズ 
制作:クリーク・アンド・リバー社
(c)2017 トモシビパートナーズ 2017/日本/96分 
Facebook:tomoshibi.choshi 
Twitter:tomoshibi_tw
公式サイトhttp://tomoshibi-choshi.jp/
★2017年5月20日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開
(5月6日イオンシネマ銚子、イオンシネマ幕張新都心 先行ロードショー)


 
posted by chie at 15:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

マンチェスター・バイ・ザ・シー    原題:Manchester by the Sea

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監督・脚本: ケネス・ロナーガン
出演: ケイシー・アフレック、ミシェル・ウィリアムズ、カイル・チャンドラー、ルーカス・ヘッジズ、グレッチェン・モル、カーラ・ヘイワード、C.J.ウィルソン

アメリカ・ボストン郊外でアパートの便利屋として働くリー・チャンドラー。ある日、兄のジョーが倒れたとの連絡を受け、故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーに車を飛ばす。心臓が悪く、余命長くても10年と言われていた兄。大急ぎで駆け付けたが、1時間前に息を引き取ってしまっていた。
兄の息子で16歳のパトリックと共に弁護士のもとを訪れたリーは、兄が遺言で自分をパトリックの後見人に指名していたことを知る。弁護士から、学業途中のパトリックのために、この町に移り住むよう告げられる。だが、リーには、故郷のこの町に、帰ってきたくないつらい過去があった・・・

集合住宅で、水まわりの修理やペンキ塗りなど、手際よくこなすリーですが、無愛想で、バーで女性に声をかけられても素っ気無く、どこか世を捨てたような投げやりな男。兄の危篤で、久しぶりに帰った故郷。この町で何があったのかが、少しずつ明かされていきます。
一方、甥のパトリックも、両親は離婚、父親は急逝と、試練のときを迎えますが、精一杯、高校生活を楽しもうとする姿が痛々しいです。
幸せに暮らしていたのに、思わぬ出来事が人生を一変させてしまう・・・  誰しもに起こりえること。それをどうしたら乗り越えることができるのか?  心の痛みを分かち合い、寄り添える人がいることがなによりの解決策でしょうか。 観終わって、しみじみとした余韻の残る物語でした。(咲)


☆アカデミー賞主演男優賞、脚本賞受賞。

2016年/アメリカ/137分/カラー/シネスコ
配給:ビターズ・エンド/パルコ
公式サイト:http://manchesterbythesea.jp/
★2017年5月13日(土)シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
posted by sakiko at 11:20| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

笑う招き猫

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監督・脚本:飯塚健
原作:山本幸久「笑う招き猫」
撮影:山崎裕典
出演:清水富美加(高城ヒトミ)、松井玲奈(本田アカコ)、落合モトキ(蔵前真吾)、荒井敦史(大島洋次)、浜野謙太(和田栄)、前野朋哉(土井亮)、角田晃広(永吉悟)、岩松了(岩倉丈治)

高城ヒトミと本田アカコは、出会って7年、漫才のコンビ「アカコとヒトミ」を組んで5年。喧嘩しては仲直りの繰り返し、結婚も気になる年頃になった。鳴かず飛ばずで将来に暗雲がたちこめてきたある日、先輩芸人とのトラブルがきっかけで、チャンスが巡って来た。緊張して臨んだ舞台が思いのほかウケたり、いじめに遭っている中学生と知り合ったり、なんだかいい方に転がって来た…のか?

原作は山本幸久氏の同名小説。小説すばる新人賞受賞作。同じキャスト、別のストーリーのテレビドラマ全4話もあるようですが、そちらは未見。初共演の清水富美加(ヒトミ)、松井玲奈(アカコ)二人が躓きながらも夢へとひた走る姿に胸打たれます。ノンストップで撮影されたというラストは観ているだけのこちらも盛り上がりました。事務所や苦楽を共にするマネージャー、ほかの芸人さんたちとの交流など業界の内側が見られるのも面白かったです。原作で気に入っていた“頼子さん=ナカコのお婆ちゃん”が登場しないのがちょっと残念でした。主演作の公開を控えたまま、清水富美加さんが突如引退してしまいましたが、作品の中のヒトミとアカコに会いに行ってください。(白)

2017年/日本/カラー/127分
配給:DLE
(C)山本幸久/集英社・「笑う招き猫」製作委員会
http://waramane.jp/
★2017年4月29日(土)全国ロードショー
posted by shiraishi at 01:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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