2017年01月15日

ショコラ 君がいて、僕がいる 原題 Chocolat

2017年1月21日 シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー
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(C) 2016 Gaumont / Mandarin Cinema / Korokoro / M6 Films

監督ロシュディ・ゼム
製作エリック・アルトメイヤーニコラ・アルトメイヤー
原案ジェラール・ノワリエル脚本シリル・ジェリー
出演 
オマール・シー ショコラ(ラファエル・パディーヤ)
ジェームス・ティエレ ジョルジュ・フティット
クロチルド・エム マリー・グリマルディ
オリビエ・グルメ ジョゼフ・オレール
フレデリック・ピエロ デルヴォー

20世紀初頭のサーカスで人気を得たフランス史上初の黒人芸人ショコラを描いた作品。人種偏見の激しい時代、白人の芸人フティットがショコラを見出し、コンビを組み、芸で身を立て大活躍していく姿を描く。小さなサーカスから始まり、パリの有名なサーカスからお声がかかり、次第に有名になっていく二人。そんな中、ショコラは厳しい人種差別にあいながらもひたむきに芸を磨きながら生きていく。しかし、その現実から逃れるように、ショコラはギャンブルに溺れていく。身分証を持っていないため不法滞在の罪で収監もされ、拷問も受ける。そんなショコラをフティットは支えるが、次第に溝も深まっていく。
ショコラを演じたのは『最強のふたり』のオマール・シー。相方フティットを演じるのはチャールズ・チャップリンの孫であるジェームス・ティエレ。

アメリカでの人種差別というのは、今まで映画でずいぶん描かれてきたが、フランス映画で、そういうテーマを描いた作品は日本ではほとんど公開されてきてはいないのでは。それにしても、これはやはりオマール・シーという俳優が出てきたからこそできた作品かなと思った。(暁)

2015年 フランス 119分
配給 東北新社、STAR CHANNEL MOVIES
オフィシャルサイト http://chocolat-movie.jp/
posted by akemi at 22:01| Comment(0) | TrackBack(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

アラビアの女王 愛と宿命の日々  原題:Queen of the Desert

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監督・脚本:ヴェルナー・ヘルツォーク
出演:ニコール・キッドマン、ジェームズ・フランコ、ダミアン・ルイス、ロバート・パティンソン

ガートルード・ベル(1868年〜1926年)
20世紀初頭、オスマン帝国崩壊後のアラビア半島で国境線引きに関与し、アラブの民に“砂漠の女王”“イラク建国の母”と呼ばれたイギリス女性。
本作は、ガートルード・ベルが情熱を注いでアラビアの地を歩いた軌跡を、彼女の愛した男性たちを軸に描いた物語。

英国鉄鋼王の家庭に生まれ、オックスフォード大学を女性として初めて首席で卒業し、社交界にデビューしたガートルード・ベル(ニコール・キッドマン)。女性の社会進出は難しく、また、高学歴の彼女に求婚者も現れない。父は、そんな彼女に、叔父がテヘラン駐在公使をしているペルシアへの旅を勧める。テヘランでガートルードは、三等書記官のヘンリー・カドガン(ジェームズ・フランコ)と出会い、彼からペルシア語やペルシアの詩の文化を学ぶ。彼と一緒になりたいと願うガートルードだったが、身分が違うと父は認めない。父を説得しようと一時帰国している間に、ヘンリーは亡くなってしまう。
傷心の彼女は、考古学とベドウィンの研究に熱意を注ぎ、優秀な召使いファトゥーフ(ジェイ・アブド)を伴い、アラビア半島2,500キロに及ぶ砂漠縦断の旅へと出る。旅の途中、ぺトラの遺跡でT.E.ロレンス(ロバート・パティンソン)と出会う。のちにアラビアのロレンスと呼ばれる男の若き頃だ。
彼女のアラビア半島縦断に、アンマンの英国領事館は難色を示したが、ダマスカスの英国総領事であるリチャード・ダウティ=ワイリー(ダミアン・ルイス)は思いやりを持って見守る。そんなリチャードに恋心を抱くが、彼には妻がいた・・・

冒頭、カイロでイギリスの男どもがオスマン帝国領土分割について「シリアやレバノンは宗教や民族がややこしいからフランスに任そう」と話している姿が映し出されます。
自分たちの都合で考えている男たちと違って、ガートルード・ベルがアラブの民族自決を優先して国境線を引こうとしたことが描かれていました。
実際に引かれた国境線は、まさに定規で引いたようにまっすぐなところが多く、そも、オスマン帝国のもと、多様な民族や宗教の人々が複雑に絡み合って暮らしていたものを、無理矢理、いくつかの国として独立させたのがよかったのかどうかと、混迷する中東情勢を見て考えてしまいます。

本作は、ガートルード・ベルの実らなかった恋を軸に描いていますが、それでも彼女の功績の大きさを知ることのできる貴重な作品になっていると思います。
もちろん映画ですから、いろいろと脚色されたところがあります。
アラビアのロレンスことT.E.ロレンスと出会ったのは、実際にはシリアの遺跡発掘現場でしたが、映画ではヨルダンの壮大なぺトラ遺跡となっています。
ペルシアの場面では、いくつか気になるところがありました。恋仲になったカドガンと馬に乗って郊外の砂漠に行くのですが、テヘランから馬で行ける範囲に砂漠はあっても、ヤシの木はないだろうとか、馬子がアラブの風俗でペルシアの風俗ではないとか。また、鳥葬の塔で語る場面があるのですが、数層の塔になっていて、本来のゾロアスター教の鳥葬の塔は、最上部が広く平なものなので違和感があります。知らなければ、そんなものかと思ってしまう場面です。
ヨルダンのぺトラは本物ですが、ほかのアラビア半島やペルシアの場面はモロッコで撮影しているので、砂の色が違ったり、建物の形が違ったりするのは仕方ないのですが。

もうずいぶん前にペルシアやアラビアの砂漠を旅した女性の話を読んだことがあるのですが、思えばそれがガートルード・ベルだったようです。ペルシアの詩人ハーフェズの詩を英訳したり、イラクの考古学博物館開設にも力を注いだ女性がいたことをあらためて知りました。(咲)


撮影地:モロッコ、ヨルダン、英国(ウェストワイクーム公園)

2015年/アメリカ・モロッコ/128分/カラー/シネマスコープ/5.1chデジタル
配給:ギャガ・プラス
公式サイト:http://gaga.ne.jp/arabia/
★2017年1月21日(土)より新宿シネマカリテ、丸の内TOEIほか全国順次公開
posted by sakiko at 21:19| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

惑う After the Rain

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監督:林弘樹
脚本:栗山宗大
撮影:高間賢治
音楽:宮本貴奈
衣裳:黒澤和子
主題曲:手嶌葵「家族の風景」
出演:佐藤仁美(石川いずみ)、中西美帆(石川かえで)、小市慢太郎(石川誠志郎)、宮崎美子(石川イト)、斎藤洋介(石川本家・楽寿亭若旦那)

三島の信用金庫に勤めるいずみは早くに父・誠志郎を亡くし、長女の自分が家を守ると気を張って生きてきた。母・イトは洋裁や和裁の腕を生かし女手ひとつで、いずみと妹のかえでを育てあげた。活動的なかえでは東京に出てファッション誌の仕事についている。
イトといずみが住んでいるのは、料亭・楽寿亭の離れ。誠志郎は石川の分家が起こした私塾の生徒だったが、学才を見込まれて分家の養子となった。そのころ本家が営む料亭の仲居だったイトとある出会いをきっかけに結婚したのだった。
明日挙式を控えて家での最後の夜を迎えたいずみは、母から「二人の娘をこの家から嫁がせること」が父の夢だったと打ち明けられる。
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大正時代の子どもの誠志郎、昭和に入ってからの誠志郎とイト、いずみとかえでが加わって4人になった石川家。楽寿亭の離れで暮らした一つの家族の生き方を丁寧に描いています。いずみと私はほぼ同年代のようで、イトが掃除や食事作りをしたり、家族が丸いちゃぶ台を囲むようすがとりわけ懐かしいです。今少なくなりつつある、障子や襖、装飾のある欄間などの日本家屋のたたずまいが素敵です。その中で育まれる家族のつながり、互いへの思いやりなど、目には見えないものも含めて「日本のいいもの、美しいもの」がたくさん詰まっている作品でした。
林弘樹監督にお話を伺いましたので、シネジャHP特別記事にアップいたしました。(白)


2016年/日本/カラー/シネスコ/125分
配給:アルゴ・ピクチャーズ
(C)2016 みしまびとプロジェクト/ものがたり法人 FireWorks
http://madou.jp/
★2017年1月21日(土)有楽町スバル座ほか全国順次公開
posted by shiraishi at 17:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

太陽の下で 真実の北朝鮮  原題:V paprscich slunce 英題:UNDER THE SUN

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監督・脚本ヴィタリー・マンスキー
出演リ・ジンミ

北朝鮮の平壌で模範労働者の両親と共に暮らす8歳の少女リ・ジンミを、ロシア出身のドキュメンタリー映画の巨匠ヴィタリー・マンスキー監督が1年にわたって密着取材した作品。

冒頭、「北朝鮮は朝日が一番早く昇る地球の東にある美しい国」と紹介するジンミ。
授業風景、友人との会話、舞踊の練習風景、家での生活などが映し出されていく。
金日成の生誕記念「太陽節」で舞踊を披露する朝鮮少年団にジンミが入団することが決まる。両親が職場で全職員からお祝いを受ける場面を撮影する段になり、父親はジャーナリストなのに、縫製工場のエンジニアに仕立てられていることを知る。母親もまた、乳製品工場の職員を演じさせられている・・・

ベールに包まれた北朝鮮の庶民の暮らしを伝えたいと、撮影許可を得るまで2年。ようやく密着取材を始めたものの、当局の深い介入を感じた監督は、撮影前から密かにカメラに電源を入れることで、当局が理想の家族を演出した実態を映し出すことに成功したとのこと。
このことて思い出したのが、『シネマパラダイス★ピョンヤン』(2012年 / シンガポール、監督:ジェイムス・ロン、リン・リー )のことでした。
やっと北朝鮮当局から撮影許可を獲得した時の条件は二つ。
1.外出する際は、必ず案内員が同行する。
2.撮影したものは、その日毎に検閲に出す。
まさに、当局のスタンスは本作の監督が経験したのと同じ。その監視体制をいかに突破したものを撮るかが、どちらの監督も狙ったことでした。
一糸乱れぬ舞踊の様子や、金日成像に深々と礼をする人々の姿は、これまでにも観たことのある光景ですが、今回、印象に残ったのは、故障したトロリーバスを皆で黙々と引っ張る様子。従順な庶民の姿。でも、実際、胸の内はどうなのでしょう。

ジンミの教室で、敬愛する首領金日成元帥様が、日本と日本人の手下を倒した話が語られます。敵を倒したところで大きな拍手をと、前もって指示が出ます。やらせも問題だけど、この手の話を小さい時から聞かされ続けたら、日本もその協力者(韓国?)も、悪者だと心に植えつけられてしまうのも仕方ないなぁと。ジンミは、どんな女性に成長するのでししょう。10年後、20年後のジンミが知りたいと思いました。(咲)


2015年/チェコ・ロシア・ドイツ・ラトビア・北朝鮮/110分/カラー
配給:ハーク
公式サイト:http://www.taiyouno-shitade.com
★2017年1月21日(土)シネマート新宿ほか全国ロードショー
posted by sakiko at 15:22| Comment(0) | TrackBack(0) | チェコ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

東京ウィンドオーケストラ

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監督・脚本:坂下雄一郎
出演:中西美帆(樋口詩織)、小市慢太郎(橘和也)、松木大輔(田辺昌平)、星野恵亮(杉崎耕史)、遠藤隆太(中田健吾)

屋久島の町役場に勤める樋口詩織は、毎日繰り返される単調な日々にうんざりしていた。しかし今日は東京の有名オーケストラが屋久島にやってくる。同僚の橘和也は憧れのオーケストラの演奏会を企画し、ようやく実現することになって上機嫌だ。
港に到着した吹奏楽団「東京ウインドオーケストラ」は、豪華なリゾートホテルに案内され、島をあげての歓迎ぶりに何かがおかしいと思う。彼らはアマチュアの吹奏楽団にすぎず、一字違いの一流オーケストラ「東京ウンドオーケストラ」と間違えられたのだと気づいた。そのころ樋口もリーダーの杉崎の名刺を見て、自分の手違いでよく似た名前のアマチュア楽団を招待してしまったことに愕然とする。慌てて控え室を覗くと、怖気づいた団員たちが逃げ出した後だった。樋口は自転車を飛ばして彼らをつかまえ、「このまま本物ってことでいきましょう」と説得する。先払いのギャラで楽器を買ってしまった彼らもしぶしぶ同意するのだが…。

坂下雄一郎監督の商業デビュー作。小さな勘違いから巻き起こったドタバタコメディ。「もっと早く気づくでしょう、普通」と突っ込みたくなるものの、お約束のような展開にやっぱり大笑い。退屈な毎日にあきあきしていた樋口と、中学生より下手なアマチュア楽団員たちがピンチに陥って、あせりながらも精一杯頑張る様子にハラハラします。いつしか「演奏がうまくいきますように」と応援していました。ヒロインの小西美帆さんがとても魅力的です。10人の楽団員さんたちのその後も見てみたいです。
2014年の沖田修一監督作『滝を見にいく』、15年の橋口亮輔監督作『恋人たち』に続く、「作家主義」「俳優発掘」を理念に掲げる松竹ブロードキャスティングのオリジナル映画プロジェクト第3弾。(白)


2016年/日本/カラー/ビスタ/75分
配給:松竹ブロードキャスティング、アーク・フィルムズ
(C)松竹ブロードキャスティング
http://tokyowo.jp/
★2017年1月21日(土)新宿武蔵野館ほか全国順次公開
posted by shiraishi at 15:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

トッド・ソロンズの子犬物語(原題:Wiener-Dog)

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監督・脚本:トッド・ソロンズ
出演:ダニー・デビート(シュメルツ)、エレン・バースティン(ナナ)、ジュリー・デルピー(ダイアナ)、グレタ・ガーウィグ(ドーン)、キーラン・カルキン(ブランドン)

病気の男の子レミへのパパからサプライズプレゼントはダックスフントだった。レミは友達ができて大喜びするが、ママは迷惑顔だ。案の定いろいろ問題を起こし(犬にはふつうのことなんだけど)、安楽死させられることになってしまった。獣医の助手のドーンは注射する寸前、子犬を助け出して自宅に連れ帰る。一人の寂しい生活にやってきた子犬のために餌を買いに行ったドーンは、元クラスメートのブランドンと偶然に再会した。車で遠出するブランドンに誘われ、ドーンと子犬は旅に出る。

犬好きな人が『子猫物語』のような映画を期待するでしょうが、それはおおいに危険!ダックスフントの彼女は狂言回しのような役割で、いろいろな人々のところを転々とします。それが揃いも揃って“残念”な人ばかり。最初から笑っていいのだろうか?というダークな設定や台詞が出てきて、『人生スイッチ』のようなブラックコメディ好きな人のための映画だとわかります。
最初のエピソードのレミ少年は聡明で優しくて泣かせるセリフもあります。安心してると両親のブラックさに口が開いてしまったり、え〜という人にも案外いいところがあったりで、黒白背中合わせのオセロの石みたい。最後までこれが続くのですよ。意外な出演者にも注目〜!
ダックスフントは英語でウインナードッグっていうんですね。検索したら、ソーセージドッグともいうらしく、パンに挟んだ画像までありました。そういうのも笑える人向けの作品です。(白)


2015年/アメリカ/カラー/ビスタ/88分
配給:ファントム・フィルム
(C)2015 WHIFFLE BALLER, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
http://koinu-story.jp/
★2017年1月14日(土)ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー
posted by shiraishi at 13:49| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする