2016年11月06日

追憶(2015)

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(c) 2015「追憶」製作委員会


製作:奥山和由
監督:小栗謙一
キャスト 土田喜代一  升本喜年
語り:美輪明宏
ピアノ:小林研一郎
原案:升本喜年「愛の手紙」〜ペリリュー島玉砕〜中川州男の生涯(熊本日日新聞社刊)

南太平洋に浮かぶパラオ諸島の美しい小島ペリリュー島。この美しい島でかつて大激戦があった。太平洋戦争中の1944年9月、アメリカ軍の攻撃が始まり、70日に及ぶ激戦が繰り広げられ、日米合わせて1万人を超す方が亡くなった。
余りにも苛烈な戦いだったが故に、日米双方で語られる事がなくなった戦いを生き抜いた方の証言や、残された手紙、写真、映像など様々な資料から描く。
NHK、自衛隊に残る貴重な資料、米国防総省、米海兵隊歴史部、米国立公文書館に保存されている膨大な映像により、ペリリュー島の戦いが描き出される。ペリリュー島の戦いで生き残った元日本兵の墓参に同行し、兵士が眠る墓地も映し出される。また、アメリカ軍の元海兵隊兵士や、島民へのインタビューなどからも戦いの様子が浮かび上がってくる。指揮官、兵士、民間人、立場の違う人が何を思ったかという視点から、70日間に及ぶ、日米に甚大な惨劇を生んだ戦場の島を見つめる。爆撃で禿山になった島、かつて血に染まった島は美しい姿を取り戻したが、弾薬庫、戦車、司令部跡、島の至る所に戦争の痕跡が残る。
パラオ共和国は日本の委任統治の下に置かれ、多くの日本人が移住、1935年頃には島民の数より多い5万人を超える日本人が住んでいた。米軍が島に迫って来た時、日本軍は戦闘が始まる前に島民をパラオ本島へと避難させ、島の民間人の死傷者は出ていないという。パラオ共和国が親日なのは、こういった背景があるかららしい。

監督は、『日本鬼子 日中15年戦争・元皇軍兵士の告白』、知的障害者がスポーツを通じ社会参加を目指すスペシャルオリンピックスを題材にした『able/エイブル』『ホストタウン エイブル2』『Believe』など、社会問題を提言するドキュメンタリー作品を多く手掛ける小栗謙一。美輪明宏がナレーションを担当している。

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(c) 2015「追憶」製作委員会


太平洋戦争中の激戦地ペリリュー島の名前は聞いたことがあったけど、島の植物がなくなるほどの爆撃の映像が流される。あまりの激しさに驚いた。あんなに小さな島で1万人を越える戦死者があったなんて。それにもまして、その爆撃の中、洞窟などがたくさんある島では、そこに隠れていた日本兵の生存者がいたということにも驚いた。今の緑深い島の姿からは信じられないほどの戦争中の裸同然になった島の姿に、ほんとうの戦争の怖さが伝わってきた。小栗監督の作品は知られざる事実を白日の下にあぶりだしてくれる。戦争を経験している人がどんどん亡くなっている中、ぜひ、これからも私たちに警鐘を与えてくれる作品を作っていってほしい。(暁)

11月5日(土)より東京都写真美術館ホールにてロードショー/Denkikan 、千葉劇場ほか全国順次公開
日本/2015年/76分/DCP/5.1ch
公式HP http://www.tsuiokutegami.net/
企画制作プロダクション:チームオクヤマ 制作:KATSU-do
配給:太秦
製作:吉本興業
posted by akemi at 08:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

シネマハワイアンズ

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(C)レジェンド・ピクチャーズ


演出 杉山太郎 利倉亮
構成 杉山太郎 利倉亮
企画 利倉亮

公式HP http://www.legendpictures.co.jp/cinemahawaiians/

2006年に公開された映画『フラガール』のモデルである、スパリゾートハワイアンズ・ダンシングチームの現在を描くドキュメンタリー映画。『フラガール』では、フラガールたちが誕生するまでが描かれたが、この作品では「スパリゾートハワイアンズ」創業50周年記念で企画された特別プログラム「BIG MAHALO!!」が公演されるまでに密着。
福島県いわき市にあるリゾート施設「スパリゾートハワイアンズ」(旧・常磐ハワイアンセンター)でのフラガールたちのショーは、変化しながら50年にわたり続いてきた。激しいダンスの練習を続けるダンサーたちの生活が描かれる。元々、地元の人たちの働く場としてできた施設。炭鉱からの歴史、東日本大震災を経て復活を遂げた姿も描かれ、様々な人が働いている施設の状況も映し出される。
後輩を教育する元ダンサーたち(『フラガール』のモデルになったダンサーたちも出演)、ダンサーを続けるためやリーダーになるための試験まである様が描かれる。また、夢をあきらめざるをえなかった元ダンサーも映し出され、様々な人間模様とたゆまぬ訓練など、いろいろな角度から、この「スパリゾートハワイアンズ」を紹介している。ナレーションを務めたのは、いわき市で育った秋吉久美子。

『フラガール』は感動作だったけど、この作品もすごく感動した。様々な人の体験と交流、そしてたゆまぬ練習から出てくる素晴らしいダンスシーンやアトラクション。何よりも東日本大震災からの復活に向けてのチームワーク。日常のダンス練習だけでなく、50周年に向けての練習光景が素晴らしかった。まだ1回も行ったことがないけど、いつかぜひ行ってみたい。(暁)

2016/日本/カラー/93分/HD
配給トリプルアップ
劇場公開 ポレポレいわき先行公開 2016年10月29日(土)〜
11月5日〜 ポレポレ東中野、お台場シネマメディアージュなど順次全国公開
posted by akemi at 06:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月05日

種まく旅人 夢のつぎ木

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監督:佐々部清
脚本:安倍照雄
撮影:阪本善尚
音楽:田中拓人
出演:高梨臨(片岡彩音)、斎藤工(木村治)、池内博之(片岡悠斗)、津田寛治(岩渕源太郎)、吉沢悠(森川卓治)、田中麗奈(森川みのり)、井上順(高橋浩一)、海老瀬はな(片岡美咲)、安倍萌生(片岡知紗)

彩音は故郷の岡山県赤磐市から、女優になることを夢見て上京した。しかし、彩音を応援して桃農家の実家を守っていた兄が病に倒れ、夢半ばで故郷に戻ることになった。兄亡きあとは高校生の妹と二人暮らし。市役所で働きながら、兄の夢だった新種の桃「赤磐の夢」を品種登録したいと頑張っている。ある日、農林水産省の職員木村が桃のレポートを書きたいと訪れ、彩音が案内役となった。初めは木村の言動を不快に思う彩音だったが、何日かつきあううちに真剣な一面も見えてきた。

日本の第一次産業で働く人を応援する「種まく旅人」シリーズ第三弾。毎回携わる方のご苦労がしのばれ、作物を大切にいただく気持ちになります。
今回は桃の産地で市役所勤めをしながら、桃を育てている彩音と彼女を取り巻く人々のお話。若き官僚として働くうちに、目標を失いかけていた木村が、霞ヶ関を出て実際の農業に触れて最初の情熱を取り戻していく過程はありがちですが、演じる俳優さんが魅力的です。斎藤工さんが出ていても不倫はありませんので期待しないように。ひとつ気になる箇所がありました。帰る足がなくなった木村が彩音の家に一泊する場面があります。姉妹二人の家に泊まるとなると、木村はどこに寝るでしょう?普通それはないでしょ、なところだったので、もしかして別の展開のパターンがあったのか?と邪推してしまったのでありました。ぜひ劇場でお確かめを。(白)


2016年/日本/カラー/ビスタ/106分
配給:アークエンタテインメント
(C)2016「種まく旅人」製作委員会
http://tanemaku.jp/
★2016年11月5日(土)有楽町スバル座ほか全国ロードショー
posted by shiraishi at 23:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に(原題:Everybody Wants Some)

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監督・脚本:リチャード・リンクレイター
撮影:シェーン・F・ケリー
出演:ブレイク・ジェナー(ジェイク)、ゾーイ・ドゥイッチ(ビバリー)、グレン・パウエル(フィネガン)、ワイアット・ラッセル(ウィロビー)、オースティン・アメリオ(ネズビット)、ウィル・ブリテン(ビューター)

1980年9月。野球推薦で南東テキサス州立大学への入学が決まったジェイク、大人への第一歩だ。車に荷物を積みこみ、野球部の寮に向かった。期待と不安半々のジェイクを迎えたのは、一癖も二癖もある風変わりな先輩たち。寮の禁止事項もあってなきがごとし、みな一度限りの青春を謳歌していた。さっそく先輩フィネガンの案内で大学巡りツアーに出発、まずは女子寮の女の子たちの品定め、夜はディスコへと繰り出していく。ジェイクは演劇専攻の新入生、ビバリーと親しくなった。

『6才のボクが、大人になるまで。』(2014)のリチャード・リンクレイター監督が描いた80年代の青春。大学の入学式前の3日間、男子寮の先輩たちとのハチャメチャな3日間。初めて親元を離れて大人への入口に立ったジェイクの高揚感が伝わります。それにしてもこの大学生たち遊び過ぎ。野球の強豪チームということで練習風景やシゴキ場面も登場しますが、とにかくよく遊び、また遊び。いつ学ぶのだ、君たちは?と思わず親の気分に。家計をやりくりして仕送りしているんだぞ。
まあ、こんな黄金の日々は2度とないのだ、これが最初で最後とうすうすわかってるのだよね。いつまでも学生でいたかった一人のエピソードに、ちょっと共感しました。同年代に青春を過ごした人には懐かしいファッションと音楽、大人が観る青春映画。(白)


2015年/アメリカ/カラー/ビスタ/117分
配給:ファントム・フィルム
(C)2015 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.
http://everybodywantssome.jp/
★2016年11月5日(土)新宿武蔵野館、ヒューマントラスト渋谷ほかにてロードショー!
posted by shiraishi at 22:54| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月02日

溺れるナイフ

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監督:山戸結希
原作:ジョージ朝倉「溺れるナイフ」(講談社「別フレKC」刊)
脚本:井土紀州、山戸結希
撮影:柴主高秀
主題歌:「コミック・ジェネレイション」ドレスコーズ(キングレコード)
出演:小松菜奈(望月夏芽)、菅田将暉(長谷川航一朗)、重岡大毅(大友勝利)、上白石萌音(松永カナ)

15歳の夏芽は、父親が家業の旅館を継ぐことになり、東京から海辺の田舎町に引っ越してきた。母親は女将さんとして生き生きと働き、小さな弟も楽しそうだ。転校した中学では、超人気の少女モデルだった夏芽のファンのカナが何かと気遣ってくれた。夏芽は金髪に染めたコウという美少年に強く惹かれていく。コウは古くからある神社を守る長谷川家の跡取りで、神様の子どものように気まぐれで傍若無人なふるまいも許されていた。二人は付き合い始め、はちきれそうな幸せを感じる毎日だったが。

「別冊少女フレンド」に09年から13年まで長期連載された人気漫画が原作。旬の俳優たちが、鋭いナイフのような危うくも美しい青春を駆け抜けていきます。海で戯れる二人、バイクで疾走する二人が青春そのもののように美しいです。菅田将暉くん、神主を継ぐコウの独特な透明感を帯びていました。一途にコウを思う夏芽、コウと夏芽に手が届かない勝利とカナもまた切ないです。いろんな作品に出ずっぱりですが、みんなどうか身体をこわさないでとおばちゃんは心配。
ぴったりその年代の人も、はるか遠くに過ぎ去った皆さまも等しく胸がキュンとすること請け合います。山戸結希監督の作品を観たのはこれが初めてですが、原作の雰囲気をよくとらえて、原作ファンをきっと満足させるはず。これがお初の方は観終わった後、原作も手にとってみてくださいませ。(白)


2016年/日本/カラー/ビスタ/111分
配給:ギャガ
(C)ジョージ朝倉/講談社 (C)2016「溺れるナイフ」製作委員会
http://gaga.ne.jp/oboreruknife/
★2016年11月5日(土)TOHOシネマズ渋谷ほか全国ロードショー
posted by shiraishi at 10:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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