2016年10月31日

小さな園(その)の大きな奇跡(原題:五個小孩的校長 Little Big Master)

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監督・脚本:エイドリアン・クワン
脚本:ハンナ・チャン
製作:ベニー・チャン
撮影:アンソニー・プン
出演:ミリアム・ヨン(ルイ・ウェホン)、(ルイの夫ドン)、リチャード・ン(ホ)、フィリップ・キョン(カカの父)、スタンリー・フォン(幼稚園の理事長)、アンナ・ン(チュチュのおば)、レイン・ラウ(カカの母)、サミー・リョン(チン)

香港の有名幼稚園の園長ルイは、エリート教育にすっかり疲れ退職の決意をした。結婚10周年の夜に夫のドンに伝えるとおおいに賛成し、自分の仕事の区切りがついたら世界一周旅行に出ようと提案する。ルイは手に入れた自由時間を満喫しようとするが、何かものたりない。スポーツジムで閉園の危機にある幼稚園のニュースに目を止めた。5人の園児が行き場のないまま残され、新しい園長が来るのを待っているという。給料はわずか4500香港ドル(約6万円)、ほかの職員を雇う余裕はなく、全てが園長の仕事になる。

香港の2015年興行収入No.1の作品。喧噪の香港の郊外にある小さな幼稚園で実際にあった物語を元にしています。香港でアクションでもラブコメでもない映画がヒットするのは。とても珍しいと思います。素材と脚本の良さに加えてスタッフ・キャストたちの熱意が実ったのでしょう。
ポップス・スターで、ラブコメ女王のミリアム・ヨンが廃園寸前の幼稚園で奮闘する愛と情熱いっぱいのルイ園長。博物館に勤め、ルイを支える夫ドンを香港で一番稼ぐ俳優ルイス・クー。製作にもあたっています。銃もアクションもなし、の彼をひさしぶりに見ました。落ち着いて誠実な夫像に好感度があがったはず。
そしてスターをさしおいて目を奪われるのが、5人の可愛い園児たちです。それぞれの子どもたちの家庭には転園できない理由があり、この幼稚園だけを頼みにしています。事情も丁寧に描かれていて、健気な子どもたちを応援せずにいられません。
香港映画ファンには懐かしい『五福星』(1983)ほか多数出演のベテラン、リチャード・ンとスタンリー・フォンが元気な顔を見せていて嬉しい限り。2015年アジアフォーカス福岡映画祭で観客賞を受賞しました。


2015年/香港・中国合作/カラー/シネスコ/112分
配給:武蔵野エンタテインメント
(C)2015 Universe Entertainment Limited All Rights Reserved
http://little-big-movie.com/
★2016年11月5日(土)、新宿武蔵野館リニューアル・オープニング・ロードショー!

關信輝(エイドリアン・クワン)監督&脚本の張佩瓊(ハンナ・チャン)来日ティーチインの記事はこちら
posted by shiraishi at 11:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 香港 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月30日

いきなり先生になったボクが彼女に恋をした

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監督: 朝原雄三 (『武士の献立』『愛を積むひと』)
出演:イェソン(SUPER JUNIOR)、佐々木希、佐藤正宏、ふせえり、武野功雄、カン・ドングン、吹越満
主題歌 : SUPER JUNIOR-YESUNG

東京に来て3年、輸入食品会社に勤めるイ・ヨンウン(イェソン)は、業績不振を理由にリストラを言い渡される。おまけに同棲中の恋人ユリが別の男を家に入れ、ヨンウンは住む場所も失ってしまう。最後の仕事で沖縄に出張中、会社がニセモノの健康食品を扱ったことから警察に踏み込まれ、先輩に「しばらく沖縄にいろ」と言われる。途方に暮れ公園にいたヨンウンは、川本(佐藤正宏)と小百合(ふせえり)の二人に誘われ一緒に泡盛を飲み、酔いつぶれてしまう。翌朝、目覚めたヨンウンは、川本が経営する外国語学院で韓国語講師を務める約束をしたと言われる。
断り切れず教壇に立ち、にわか韓国語教師となったヨンウン。韓流にはまった女性などにまじり、真剣な眼差しの生徒がいた。山城さくら(佐々木希)という、来年小学校にあがる息子を持つシングルマザーで、旅行会社の面接で韓国語ができると大見得を切って仮採用されたというのだ。出社早々、大きな契約が掛かった韓国の旅行会社の社長が近々来日することになり、さくらはヨンウンに休日に個人授業をしてくれないかと泣きつく。そうして猛特訓が始まる・・・

仕事のために何がなんでも習得しようと始めた韓国語。上達の鍵は、やっぱり良い先生! それがイケメンとなれば、張り合いがあるもの。
ヨンウンを演じるのは、K-POPの人気アイドルグループSUPER JUNIORのイェソン。ちょっと頼りないけれど、教えようとする意欲に燃えてくる姿が可愛いです。
山城さくらを演じる佐々木希さんも、本気で韓国語を猛特訓。
二人の恋のゆくえが、すんなりとはいかないのが、これまたいいです。ラストをお楽しみに!(咲)


2016年/日本/98分/カラー
配給:松竹メディア事業部
特別協賛:衛星劇場 開局25周年記念作品 カラー
公式サイト:http://ikinarisensei.jp
★2016年11月3日(木・祝)より全国にて公開
posted by sakiko at 22:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ぼくのおじさん

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監督:山下敦弘
原作:北杜夫
脚本:春山ユキオ(須藤泰司)
音楽:きだしゅんすけ
出演:松田龍平(おじさん)、真木よう子(稲葉エリー)、大西利空(春山雪男)、寺島しのぶ(春山節子)、宮藤官九郎(春山定男)、戸次重幸(青木伸介)

小学4年生のぼく・春山雪男の宿題は「自分のまわりにいる大人について」というテーマの作文。居候の「おじさん」の観察日記を書いて先生に提出したら、コンクールに送られることになった。おじさんはお父さんの弟で、大学の哲学の臨時講師だ。いつも万年床でまんがばかり読んでいるし、宿題もみてくれないのに雪男をこきつかう困った大人だ。
おじさんはいやいや出かけた見合いの相手に一目ぼれしたらしい。その相手のエリーさんはハワイの日系4世で、おばあちゃんの遺したコーヒー農園の後を継ぐためにハワイに戻ってしまった。おじさんはハワイに行くために俄然張り切り出すのだか、方向がどこか間違っている。

芥川賞作家、北杜夫(きたもりお/1927〜2011)原作。多岐にわたる小説、エッセイなど多くの著作を残されています。このおじさんはほぼご本人像のようで、実際に兄(精神科医・斎藤茂太)の家に居候していたときのことを元に、ユーモアたっぷりに描いています。
したまちコメディ映画祭で上映された際に企画・脚本の須藤泰司さん、松田龍平さん、大西利空(おおにしりく)君が舞台挨拶に登場しました。松田龍平さんはつかみどころのない役が似合いますが、この甥っ子をパシリやダシに使う“大人こども”のようなおじさんもなかなかはまっています。全国を放浪してはマドンナに恋心を抱く寅さんに近い匂いもするので、おじさんが独り立ちするまでのシリーズになってほしいものです。(白)


2016年/日本/カラー/シネスコ/110分
配給:東映
(C)1972北杜夫/新潮社 (C)2016「ぼくのおじさん」製作委員会
http://www.bokuno-ojisan.jp/
★2016年11月3日(祝・金)より公開
posted by shiraishi at 10:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月24日

続・深夜食堂

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監督:松岡錠司
原作:安倍夜郎
脚本:真辺克彦、小嶋健作、松岡錠司
美術:原田満生
フードスタイリスト:飯島奈美
出演:小林薫、多部未華子、余貴美子、オダギリジョー、不破万作、綾田俊樹、光石研、
松重豊、安藤玉恵、須藤理沙、小林麻子、吉本菜穂子、中山祐一朗、山中崇、宇野祥平、金子清文、平田薫、篠原ゆき子、片岡礼子、谷村美月

繁華街の裏通りで、真夜中12時から朝7時ころまで営業している小さな食堂「めしや」。中年のマスターが一人できりもりし、壁に貼られているメニューは「豚汁定食」のみだけど、「できるものは何でも」作ってくれる。マスターの人柄と居心地の良さで、通ってくる常連客は数多い。

「焼肉定食」 喪服を着るのがストレス発散になるという変わった女性・範子(河合青葉)が、通夜の席で会った渋い男性・石田(佐藤浩市)に惹かれていく。

「焼うどん」蕎麦屋の息子・清太(池松壮亮)には、子離れしない母(キムラ緑子)に内緒の年上の恋人・さおり(小島聖)がいる。

「豚汁定食」九州から上京した老女・夕起子(渡辺美佐子)は困っているという息子の電話を信じ、同僚と名乗った男性に大金を渡してしまった。迎えに来た義弟(井川比佐志)が夕起子の身の上を語る。

テレビシリーズが好評で、2014年に劇場版が公開されました。アジアでもヒットし、その国のリメイク版が作られる人気となっています。本作は待望の続編。豪華俳優陣の競演です。3つの料理をお題に、マスターと常連客、ゲストの俳優の物語が紡がれていきます。出てくるのはどれもそんなに凝っていない、けれど決まってまた食べたくなるような料理です。少し不幸せだった人があったかい料理と人情に包まれて、少し幸せになります。
☆劇場版とは別に、10月21日よりNetflixから新しく10話が配信開始になりました。(白)


2016年/日本/カラー/ビスタ/108分
配給:東映
(C)2016 安倍夜郎・小学館/「続・深夜食堂」製作委員会
http://www.meshiya-movie.com/
★2016年11月5日(土)丸の内TOEI他 全国公開
posted by shiraishi at 00:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月23日

フランコフォニア ルーヴルの記憶  原題:Francofonia

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監督:アレクサンドル・ソクーロフ( 『エルミタージュ幻想』)
出演:ルイ=ド・ドゥ・ランクザン ベンヤミン・ウッツェラート

第二次世界大戦中の1939年、ルーヴル美術館長のジャック・ジョジャールは、館内の美術品をナチス・ドイツから守るため、パリ郊外の城へ密かに運びだすよう指示する。その翌年5月、ナチス・ドイツがパリに侵攻。
将校ヴォルフ・メッテルニヒが、芸術品の管理のためジョジャールの元を度々訪れるようになる。ふたりは敵同士のため心を開いて語り合うことなかったが、美術品を守る使命で繋がってゆく・・・

ナチス・ドイツの侵攻から、いかに美術品を守ったのかのドキュメンタリーかと思ったら、それだけではありませんでした。見物人のいないがらんとした美術館で、ナポレオン1世が、「これも自分が集めてきたもの」と感慨深く美術品を眺めている。そばには、フランス共和国のシンボルの女性マリアンヌがいる。まるで亡霊のように。もちろん、当時のアーカイヴ映像も出てくるのだけど、なんとも不思議な構成。
一方で、監督の祖国ロシアのエルミタージュ美術館が、ルーヴルのように保護されず、ドイツの攻撃目標となった事も当時の映像と共に語られます。
ルーヴルに収蔵されているイラクやエジプトの遺跡も映し出され、あんなに根こそぎ現地から持ってきてしまったのかと、あらためて憤慨。持ってきたからこそ、戦争から守られたともいえるので複雑な思い。(咲)


2015年/フランス・ドイツ・オランダ/88分/5.1ch/ビスタサイズ
配給:キノフィルムズ
公式サイト:http://www.francofonia.jp
★2016年10月29日 (土)ユーロスペースほかで公開
posted by sakiko at 20:59| Comment(0) | TrackBack(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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