監督:澤田正道
プロデューサー:澤田正道、アンヌ・ペルノー
ラインプロデューサー:天田暦、ローラン・アルジャニ
撮影:ジョゼ・デエー 出演:林冨士夫
人間爆弾と言われた特攻兵器「桜花」の第一志願兵だった林冨士夫。
当時、海軍大尉であった彼は、上官からの命令で隊員の中から出撃隊員を選ぶ… その名を黒板に書き、多くの同志達を死へと送り出す役目を担っていた。そして終戦−− 林はあの時代に向き合い続けること、語り継ぐことを自身に課していく。そんな中、天皇に対し「特攻に散った若者たちへ一言も謝罪、感謝の発言が無かったことは非常に残念なことと思いました。その一言くらい言われるのが、人間天皇という事になるのではないか」と無念の思いを吐露する−−。
第67回ロカルノ国際映画祭、新人監督賞スペシャル・メンション受賞。
これまで河瀬直美作品や黒沢清作品など多くの日本映画をプロデュースしてきた澤田正道さんの初監督作品。亡き特攻隊員に語りかける林冨士夫の遺言ともいうべきドキュメンタリー。ただただ静かにカメラと対話するこのスタイルは2007年、山形国際ドキュメンタリー映画祭で観たワン・ビン監督『フォン・ミン〜中国の記憶〜』を想い起させる。当初はフランスのベルトラン・ボネロ監督にドキュメンタリーを企画していたが作品の方向性が定まらず、結果的に断念し、澤田さん自ら監督することになったそう… アメリカ軍から「バカ爆弾」と呼ばれた「桜花」は、多くの場合「桜花」を運ぶ母機が目的地に辿り着く前に撃墜され、さしたる結果を上げることなかったとか…。そして、この「桜花」の舞台は茨城県で、以前私は笠間の陶芸市へ遊びに行く時に笠間の隣り、JR友部駅に海軍航空隊記念館があると知り、寄ってみたかったのだが時間が足りず残念無念… 次回は是非訪れたい!! 筑波海軍航空隊記念館 http://www.ibarakiguide.jp/seasons/tsukuba-kaigun.html
映画の主役である林さんは、フランスでの上映初日に93歳で息を引き取った。 (千)
原題:Parole de kamikaze
2014/フランス/太秦 (C)Comme des Cinemas
公式サイト https://kamikazeouka.wordpress.com/
★8月27日より渋谷イメージフォーラムほか全国順次公開