2016年07月03日

ハリウッドがひれ伏した銀行マン  原題:Hollywood Banker

hollywood.jpg

監督・脚本:ローゼマイン・アフマン
登場する人々:フランズ・アフマン
アンニャ・アフマン、 スティーブ・ブルーム、ケヴィン・コスナー、ガイ・イースト、ハロルド・フリードマン、デレク・ギブソン、ヨーラン・グローバス、メナヘム・ゴーラン、ピーター・ホフマン、ロス・ジョンソン、 アーノルド・コペルソン、マーサ・デ・ランレンティス、ブルース・マクナル、ジョン・ミラー、スカイラー・ムーア、バックリー・ノリス、スティーヴン・ポール、ミッキー・ローク、ジョン・シュルマン、フレッド・サイドウォーター、ピエール・スペングラー、オリヴァー・ストーン、ジェームズ・トーマ、アンディ・ヴァイナ、ポール・ヴァーホーヴェン

フランズ・アフマン。1933年生まれ、オランダ人の銀行マン。
彼のもとに、映画会社トップから製作資金集めに奔走するプロデューサー、監督に至るまで、多くの映画人が面会を求めてきたという。
「なぜ成功したのか知りたい。ただの銀行マンなのに」とつぶやくフランズ・アフマン。

大学卒業後、ロッテルダムのスレーブブルク銀行に入社。エンタテインメント事業部を立ち上げ、映画プロデューサー、ディノ・デ・ラウレンティスとともに、映画配給会社に対し、作品の配給権を作品完成前に販売することで、その対価を制作費に充当することができる「プリセールス」というシステムを開発する。これにより、新興の映画会社の映画製作が盛んになり、各国のインディペンデント配給会社もアメリカ映画の大作を手がけることが可能になった。ひとりの銀行マンが編み出したシステムが世界の映画市場を大きく変えたのだ。
1987年、第59回アカデミー授賞式で、『プラトーン』のプロデューサーであるアーノルド・コペルソンが「本当に必要とする時にフィリピンのジャングルに資金を用意してくれた」とフランズへの謝辞を述べた。
「ジャングルに金を届けた男と言われたけれど、ロッテルダムからマニラに送金しただけ」と笑うフランズ。
フランズが融資した映画は、実に約900本。『キングコング』(1976年版)、『ダンス・ウィズ・ウルブズ』『眺めのいい部屋』『ドライビング Miss デイジー』『氷の微笑』等々、数多くの名作が並ぶ。

この映画を作ったのは、娘であるローゼンマイン・アフマン。
2010年、ニューヨークに住んでいた彼女は、父が末期癌との知らせを受け、オランダに帰る。回顧録を残したいという父の思いを、娘は映画という形で残すことに決める。製作途中で父は亡くなり、まさに遺志を継いだ形で、関係者に取材を続け、父のたどった道を映画に収めている。
すらっとしたフランズ・アフマンは、いかにも堅実な銀行マンという雰囲気の穏やかな紳士。時折見せる笑顔は父親らしい愛情に満ちている。
銀行を引退した後は、オランダ国際映画祭の会長を12年にわたって務めている。ほんとうに映画を愛した方なのだと実感させられた。こういう方がいて、多くの映画が世に生み出されたことに私も感謝したい。そして、監督経験のないローゼンマイン・アフマンにとって、映画を作り上げるのは、いかに大変な作業だったことだろう。お父様への深い愛を感じた。(咲)


2014年/オランダ/82分/カラー/ビスタ
配給:アークエンタテインメント / 東北新社 STAR CHANNEL MOVIES
公式サイト:http://www.hollywoodbk.com
★2016年7月16日 (土)ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー.
posted by sakiko at 21:22| Comment(0) | TrackBack(0) | オランダ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

暗殺   原題:暗殺  英題:Assassination

ansatsu.jpg

監督:チェ・ドンフン(『10人の泥棒たち』)
出演:チョン・ジヒョン、イ・ジョンジェ、ハ・ジョンウ、オ・ダルス、チョ・ジヌン、チェ・ドクムン、

1911年、京城(現ソウル)。ソンタクホテルで会食中の寺内総督を狙う暗殺事件が起こる。同席していた親日派の実業家カン・イングクは総督の命を救う。一方、反日感情を抱くカン・イングクの妻は暗殺犯の独立運動家ヨム・ソクチン(イ・ジョンジェ)を逃がす。そのことを知ったカン・イングクは妻を殺害する。その騒動の中で、カンの双子の娘の一人が行方不明になってしまう。
1933年、中国・杭州。日本からの独立を目指す韓国臨時政府。独立運動家キム・ウォンボン(チョ・スンウ)と警務隊長となったかつての暗殺実行犯ヨム・ソクチンは党首の命を受け、日本政府要人と親日派を暗殺する為、独立軍最高のスナイパーのアン・オギュン(チョン・ジヒョン)、速射砲((チョ・ジヌン)、爆弾専門家(チェ・ドクムン)の3名を上海に呼び集め暗殺団を結成する。襲撃実行は、京城の三越百貨店での対日協力者カン・イングクの娘の結婚式。ところが暗殺計画は日本側に筒抜けだった。しかも、何者かが巨額の報酬でハワイ・ピストルと呼ばれる殺し屋(ハ・ジョンウ)に暗殺団3名の殺害を依頼していた・・・

韓国では、日本よりの独立から70年を迎えた2015年夏に公開され、韓国映画史上歴代7位の1270万人を動員する大ヒット。韓国の芸能ニュースでイ・ジョンジェやハ・ジョンウのインタビューを観て、これは是非観たいけど、抗日ヒーローを描いたドラマ「カクシタル」が日本で放映されないこともあって、日本公開は無理かなと諦めていた作品。
観てみたら、本作は支配者である日本人よりも、祖国を裏切った対日協力者に焦点をあてていて、これならば日本公開も納得の内容。
イ・ジョンジェ演じるヨム・ソクチンは、独立政府の警務隊長でありながら、日本の密偵でもあるという役どころ。さすが演技派イ・ジョンジェ、そこかしこで、上手い!とうならせてくれます。「なぜ裏切った?」と聞かれて「まさか独立すると思わなかった」とひょうひょうと答える姿に惚れ惚れ! 
怪しい殺し屋のハ・ジョンウも、いつもながらグッとくる魅力。殺し屋の相棒の爺や役のオ・ダルスも、登場するだけで笑わせてくれます。暗殺団の速射砲役のチョ・ジヌンも、人間味溢れて好感が持てます。臨時政府の重鎮役のチョ・スンウは、出番は少ないのに、存在感があって、美味しい役どころ。抗日派を支えるアネモネ・カフェのマダム役のキム・ヘスクも貫禄たっぷり。
でも、なにより本作では、最近ママになったチョン・ジヒョンの華麗なアクションが素晴らしい。双子役で、スナイパーとしてのキリリとした姿と別に、結婚式を迎えるしとやかなお嬢様の姿も見せてくれます。
抗日が背景にあるけれど、まさしく韓国らしいダイナミックな娯楽大作。(咲)


2015年/韓国/139分/5.1ch/デジタル/カラー
配給:ハーク
公式サイト:http://www.ansatsu.info
★2016年7月16日、シネマート新宿、シネマート 心斎橋ほか全国順次公開
posted by sakiko at 18:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

カンパイ!世界が恋する日本酒

kanpai.jpg

監督:小西未来 
エグゼクティブ・プロデューサー:駒井尚文、スージュン  
プロデューサー:柳本千晶 
出演:フィリップ・ハーパー、ジョン・ゴントナー、久慈浩介

日本初の外国人の杜氏、英国人フィリップ・ハーパーさん、
英語で日本酒を語る米国人ジャーナリスト、ジョン・ゴントナーさん
世界に日本酒を宣伝する《南部美人》五代目蔵元、久慈浩介さん
日本酒の魅力を世界に伝える3人を追ったドキュメンタリー。

観た後、きっと日本酒を飲みたくなる!
国際的になった日本酒の魅力を、3人を通じて描き出したのは、ロサンゼルス在住の映画ジャーナリストである小西未来氏。
取り上げた3人それぞれが魅力的なのですが、中でも《南部美人》蔵元の久慈さんの語り口にぐっと惹かれました。さらに久慈さんがユダヤの食餌規定に沿ったコーシャ認定を取ったということがとても気になりました。このことは映画には描かれていなくて、公開を前にロサンゼルスから一時帰国した小西監督にインタビューの機会をいただき、久慈さんがユダヤ人のお金持ち相手に開いた試飲会の様子もお伺いすることができました。(咲)

DSCF6031 kanpai.JPG
インタビューは、特別記事でどうぞ!

配給:シンカ
特別協力:食べログ 後援:日本酒輸出協会
2015年/日・米/日本語・英語/95分/カラー
公式サイト:http://kampaimovie.com
★2016年7月9日(土)シアター・イメージフォーラム他全国順次公開
posted by sakiko at 18:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ラスト・タンゴ(原題:Un tango mas)

last.jpg

監督・脚本:ヘルマン・クラル
撮影:ヨー・ハイム、フェリックス・モンティ
音楽:ルイス・ボルダ、セステート・マジョール
出演:マリア・ニエベス、フアン・カルロス・コペス、パブロ・ベロン
アレハンドラ・グッティ(マリア・ニエベスの壮年時代)
アジェレン・アルバレス・ミニョ(マリア・ニエベスの青年時代)
パブロ・ベロン(フアン・カルロス・コペスの壮年時代)
フアン・マリシア(フアン・カルロス・コペスの青年時代)

アルゼンチンタンゴの魅力を世界的に広めたマリア・ニエベス(80歳)とフアン・カルロス・コペス(83歳)。14歳と17歳で出会い、時には愛しあい、時には憎しみをもち、50年近くも一緒にタンゴを踊ってきた彼らが歩んだ愛と葛藤の歴史。何度も別れを繰り返しながらも、また手を取り合って踊ってきた二人だったが、今は一緒には踊っていない。
現在の2人の証言や、若いダンサーによる再現ドラマとダンスシーン、時にはディスカッションを通して、官能的で情熱に満ちたタンゴの魅力が映像に描かれる。監督の師であるヴィム・ヴェンダース監督を製作総指揮に迎えて製作された。

昨年(2015年)、山形国際ドキュメンタリー映画祭の折に来日したヘルマン・クラル監督にインタビューさせていただきました。シネジャHP特別記事にアップいたしました。(暁)

2015年/アルゼンチン、ドイツ合作/カラー//85分
配給:アルバトロス・フィルム
(C)WDR / Lailaps Pictures / Schubert International Film / German Kral Filmproduktion
http://last-tango-movie.com/
★2016年7月9日(土)より)Bunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー
posted by shiraishi at 16:39| Comment(0) | TrackBack(0) | アルゼンチン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

森山中教習所

moriyama.jpg

監督:豊島圭介
原作:真造圭伍
脚本:和田清人、豊島圭介
撮影:藤石修
音楽:グッドラックヘイワ
主題歌:星野源「Friend Ship」
出演:野村周平(佐藤清高)、賀来賢人(轟木信夫)、岸井ゆきの(松田千恵子)、音尾琢真(本田智則)、ダンカン(上原威一郎)、根岸季衣(上原都紀)、麻生久美子(上原サキ)、光石研(中島重臣)

佐藤清高は車の免許がほしい大学生。自転車で夜道を走っていてヤクザの車にはねられてしまった。口封じに乗せられ目がさめた清高は、運転していた若い男が高校時代の同級生・轟木信夫だと気がつく。家の事情で高校を中退していた彼がヤクザに?!
無免許だった轟木が受講する森山中教習所に、組長の指示でお詫び代わりにと清高も通えることになった。非公認の私設教習所は家族が経営していて、受講生はあやしげな人間ばかり。清高は助手席で指導してくれる上原家の娘サキにすっかりのぼせてしまう。

元中学校だった森山中(もりやまちゅう)教習所でのひと夏は、大きな事件がおきるわけでもありませんが、どこかなつかしくてほっこりするような空気に満ちています。野村周平さんと賀来賢人さんの二人がW主演。上原一家のほのぼの加減が素敵。どんぶり飯を軽々と平らげる元カノの千恵子役・岸井ゆきのさんもとても可愛いです。
高校生のときに別れて以来、再会した二人はノーテンキな大学生とクールなヤクザになっていました。子ども気分が抜けてない清高が、いろいろと訳アリなようすの轟木の気持ちをほぐしていき、轟木が年齢相応の笑顔を見せるところがいいです。深く考えているわけではなく、したいことをしている清高と好対照の驫木の二人は、これから先交わりそうもない別々の道を行きます。でもきっとずっと友達。
公式HPで原作漫画が試し読みできます。(白)


2016年/日本/カラー/ビスタ/103分
配給:ファントム・フィルム
(C)2016 真造圭吾・小学館/「森山中教習所」製作委員会
http://moriyama-movie.com/
★2016年7月9日(土)より新宿バルト9ほか全国ロードショー
posted by shiraishi at 16:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

フィレンツェ、メディチ家の至宝 ウフィツィ美術館3D・4K(原題:Firenze e gli Uffizi 3D/4K)

uffizi.jpg

監督:ルカ・ビオット
出演:サイモン・メレルズ、アントニオ・ナターリ、マルコ・チアッティ

2月に公開した『ヴァチカン美術館4K3D 天国への入口』の製作陣が、メディチ家歴代のコレクションを収蔵するフィレンツェ、ウフィツィ美術館を紹介するドキュメンタリー。全体が美術館のようなフィレンツェの街の空撮は圧巻。様々な角度から芸術家たちが残した名画や彫刻にせまり、美しい映像でイタリア・ルネッサンスを間近に感じさせてくれる。

銀行業で巨万の富を築いたメディチ家のコジモ1世が建てた行政庁舎がこの美術館の元です。“ウフィツイ”はイタリア語でオフィスのことだそうです。
映画冒頭に登場するロレンツォ・デ・メディチはコジモの孫で、20歳でメディチ家の当主になった人物。遺産を引き継いで当時の芸術家、建築家をバックアップしたそうです。ミケランジェロ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ボッティチェリなどなど、1点海を渡って来ただけでも展覧会は激混みになりそうな作品ばかりです。日本にいながらにしてすぐそこで見ているような贅沢な時間を過ごせました。日本語版ナレーションは小林薫さん。(白)


2015年/イタリア/カラー/ビスタ/97分
配給:コムストック・グループ
(C)2015 SKY ITALIA SRL - all rights reserved
http://uffizi4k3d.com/
★2016年7月9日(土)よりシネスイッチ銀座ほか全国公開
posted by shiraishi at 13:41| Comment(0) | TrackBack(0) | イタリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする