2016年07月16日

アルビノの木

albino.jpg

監督・撮影・編集:金子雅和
脚本:金子雅和、金子美由紀
出演:松岡龍平(ユク)、東加奈子(ナギ)、福地祐介(羊市)、山田キヌヲ(イズミ)、長谷川初範(火浦)

農作物を荒らす害獣駆除会社で働くユク。淡々と仕事をこなす彼に高額報酬の依頼が舞い込んだ。「詳細は現地で聞け」と明かされず不審に思いながら、家族の入院手術費用を稼ぎたいユクは引き受けることにする。約束の山間の村に行って他言無用と念押しされた注文は“白鹿様”と村人に呼ばれる白い鹿を秘密裏に撃つことだった。アルビノ(色素を持たない)種であることが、開発のためにマイナスだというのがその理由で、“白鹿様”と呼び大切にしている村人には知られたくないのだった。

金子雅和監督はこれまで6本の短編を発表し、他の作品の撮影もなさったりしながら自身の映画製作を続けてきました。『すみれ人形』についで2作目の長編になる本作は、生活のためにハンターになったユクを中心に、自然と人間の関係を描いた作品。架空の山と里でのストーリーにまとめています。
山里や渓流の映像が美しく、白鹿と出会う場面もファンタジーのようです。ナギとの関わりは物語を膨らませますが、ラストは自然と命とユクの締めくくりであったほうが、テーマがよりくっきりしたのでは、と感じました。時間をかけてロケハンをしたそうで、2000mの高地にある小串鉱山跡、奥地の集落は群馬県、幻想的な赤い川は米沢市の渓流、6割の撮影は須坂市。“アルビノ”は先天的にメラニン色素が欠乏して、皮膚や体毛が真っ白で生まれるものです。動物にとっては発見されやすいため生きにくく、希少ゆえに神聖視されることが多いようです。(白)


2016年/日本/カラー/86分
配給:マコトヤ
(C)kinone
http://www.albinonoki.com/
★ 2016年7月16日(土)新宿テアトルにてレイトショー上映
posted by shiraishi at 20:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

SXSW TOKYO SCREENING WEEK

SXSW(サウス バイ サウス ウェスト)とは、1987年米テキサス州オースティン在住の3人のマネージャーが、自分たちのインディーズアーティストを売り出すために意見交換したのが始まり。業界プロフェッショナルとクリエイターのためのフェスティバルであり、見本市でありカンファレンスです。毎年3月に開催されるフェスティバルは10日間でのべ10万人が参加し、アメリカ最大規模となっています。(SXSW日本公式サイトより)
フィルムフェスティバル公式出品作品上映とフェスティバル・ディレクターのジャネット・ピアソンの特別セミナーが実現!

会期:7月16日〜22日
会場:新宿 シネマカリテ http://qualite.musashino-k.jp/
チケット:16,17,18,22日はトークイベント+上映で2000円。19〜21日は1500円

●スケジュール
7月16日(土)
18:30 来日特別セミナーvol.1 ジャネット・ピアソン(SXSWディレクター)
19:15 『スーパーメンチ』(マイク・マイヤーズ監督/シェップ・ゴードン/ドキュメンタリー)ジャパン・プレミア
7月17日(日)
16;00 インディペンディント映画プロデュース特別講座 ジョン・ピアソン
18:30 来日特別セミナーvol.2ジャネット・ピアソン
19:15 『ALL THINGS MUST PASS(原題)』(コリン:ハンクス監督)ジャパン・プレミア
7月18日(月)
18:30 来日特別セミナーvol.3 ジャネット・ピアソン
19:15 『ショート・ターム』(ディスティン・ダニエル・クレットン監督/ブリーラーソン)
7月19日(火)
18:30 トークイベント 渡辺裕之(俳優)
19:15 『サケボム』(サキノジュンヤ監督/濱田岳)
7月20日(水)
19:00『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』(スチュアート・マードック監督/エミリー・ブラウニング)
7月21日(木)
19:00 『FRANK』(レニー・アブラハムソン監督/マイケル・ファスベンダー)
7月22日(金)
18:30 トークイベント「映画宣伝いまむかし」坂上直行氏、汐巻裕子氏
19;15 『ロアー(原題:ROAR)』(ノエル・マーシャル監督)

公式サイト http://tokyoscreeningweek.jp/SXSW/
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2016年07月15日

AMY エイミー(原題:Amy)

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監督:アシフ・カパディア
音楽:アントニオ・ピント
監修:ピーター・バラカン
出演:エイミー・ワインハウス、ミッチ・ワインハウス、マーク・ロンソン、サラーム・レミ、トニー・ベネット

2011年7月23日に27歳で急逝したイギリスの歌手エイミー・ワインハウスのドキュメンタリー。遺された映像から短い生涯を駆け抜けて行った歌姫にせまっていく。
1983年にユダヤ系英国人として生まれたエイミーは、10代でレコード会社と契約、20歳で発表したアルバム「Frank」が好評を得て、2006年のセカンド・アルバム「Back to black」が世界中で大ヒット、2008年にはグラミー賞で5部門受賞をはたした。

この映画を見るまで、どんな人なのかほとんど知らずにいましたが、記憶に残っている曲がありました。シンガーソングライターのエイミーが、恋人と出会ったり別れたりした中で出来上がった歌でした。「Back to black」では「遊び人の彼が別の女性のところへ行ってしまい、私は闇の中へ戻るしかない」と繰り返しています。愛に一途な彼女はなぜか困った男ばかり愛してしまい、薬物も飲酒もほとんど彼らのせい。けれどそんな人生が歌を生み出し、彼女をスターにし、結局は命を縮めてしまったのがなんとも痛ましいです。
アシフ・カパディア監督は、34歳で事故死してしまった天才ドライバー、アイルトン・セナのドキュメンタリー『アイルトン・セナ〜音速の彼方へ』(2010年)を監督し好評を博しています。この『AMY エイミー』は第88回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞し、各国でドキュメンタリーとしては異例のヒット作品となりました。(白)


2015年/イギリス・アメリカ/カラー/ヴィスタ/128分
配給:KADOKAWA
(C)2015 Universal Music Operations Limited. (C)Rex Features
http://amy-movie.jp/
★2016年7月16日(土)角川シネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー
posted by shiraishi at 22:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月10日

ファインディング・ドリー(原題:Finding Dory)

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監督:アンドリュー・スタントン
脚本:アンドリュー・スタントン、ビクトリア・ストラウス
音楽:トーマス・ニューマン
出演:エレン・デジェネレス(ドリー)、アルバート・ブルックス(マーリン)、ヘイデン・ローレンス(ニモ)、エド・オニール(ハンク)、ケイトリン・オルソン(デスティニー)
日本語吹き替え:室井滋(ドリー)、木梨憲武(マーリン)、上川隆也(ハンク)、中村アン(デスティニー)、菊地慶(ニモ)、八代亜紀

カクレクマノミのマーリンが愛する息子ニモを探してはるばる旅を続け、奇跡の再会を果たしてから1年。2匹の親友となったナンヨウハギのドリーも一緒に穏やかに暮らしていた。あいかわらず忘れんぼうだけれど、いつもドリーの心にひっかかっているもの…それは「家族」だった。小さな子どものときからなんでもすぐ忘れちゃうドリーは、いつのまにか迷子になって家に帰れなくなっていたのだ。夢をきっかけに家族の思い出が少し戻ったドリーは「両親を探しにいかなくっちゃ!」と決心する。心配性のマーリンは反対するけれど、ニモは「ドリーのおかげでパパに会えた。今度は僕たちが助ける番だよ」と言う。

2003年の夏、全米で公開された『ファインディング・ニモ』はアニメーション史上第1位のヒットを記録しました。日本では同年12月に公開、やはり洋画アニメ―ションの新記録を樹立。現在は『アナと雪の女王』(2013年)に次ぐ第2位です。この大ヒット作の続編は作られない予定だったそうですが、どうしてもドリーのことが頭から離れないスタントン監督が彼女のストーリーを完結させなくては、と思ったところから始まったそうです。そこで13年ぶりの本作は、前作で助演だったドリーが主演。別れたままの家族を探すのを今度はニモ親子が手伝います。
技術も格段に進歩しさらに美しくなった映像、新しく加わったキャラクターたちとの冒険をご家族、お友達と一緒にお楽しみください。特に変幻自在のタコのハンクには最新の技術が注ぎ込まれているそうです。吸盤の動きもとってもリアル!ヒレの片方が小さなニモ、忘れんぼうのドリー、新しいキャラたちもどこかにハンディを持っています。それが人間界とも重なって胸を熱くさせるのでしょう。そうそう、八代亜紀さんがどこに登場するのか(日本語版ね)お楽しみに。(白)


2016年/アメリカ/カラー/ビスタ/1時間43分(短編を含む)2D/3D
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
(C)2016 Disney/Pixar. All Rights eserved.
http://www.disney.co.jp/movie/dory.html
★2016年7月16日(土)全国ロードショー
posted by shiraishi at 21:36| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

いしぶみ

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監督:是枝裕和
原案:薄田純一郎
原構成:松山善三
プロデューサー:橋本佳子、佐藤宏
出演:綾瀬はるか、池上彰

昭和20年8月6日8時15分、旧制広島二中の1年生は広島市の中心部を流れる本川の土手で建物の解体作業にあたっていた。500m先の上空で炸裂した原子爆弾は、この生徒たち全員の命を奪った。一瞬で亡くなった子もいれば、苦しんだ末に亡くなった子もいる。その数321人。一人ひとりの写真や残っていた映像や写真と共に、遺族の手記にある彼らの最後のようすや言葉を、広島出身の綾瀬はるかさんが朗読する。
ジャーナリストの池上彰さんは、関係者や遺族を訪ねてインタビューし、河畔に建てられた慰霊碑に手を合わせる。

昭和44年、広島テレビで放送された「碑(いしぶみ)」は、名女優杉村春子さんを語り部として製作されました。国内外でいくつもの賞を受けています。
戦後70周年の昨年、是枝監督が特別番組として手がけた「いしぶみ〜忘れない。あなたたちのことを〜」を劇場用に再編集したのがこの作品です。
簡素な舞台にリンゴ箱が並び、中央に白いブラウスに黒いスカートの女先生風の綾瀬さんが座っています。旧制中学の1年生は12歳。まだあどけない男の子たちの笑顔の写真が後ろのスクリーンせましと並び、それを見ているだけで胸がいっぱいになりました。
生徒は最初322人と慰霊碑に刻まれましたが、のちに生存が確認された方が(当日具合が悪くて勤労動員を休んだ)、池上さんのインタビューに登場していました。引率の先生4人も亡くなられています。
広島では当時36万人の人口だったそうですが、この原爆により8月から12月の間に9万〜12万人が亡くなったと言われています。(白)


2016年/日本/カラー/HD/16:9/85分
配給:広島テレビ
(C)広島テレビ
http://ishibumi.jp/
★2016年7月16日(土)より、東京・ポレポレ東中野、大阪・第七藝術劇場、広島・八丁座にて公開。ほか全国で劇場公開
posted by shiraishi at 21:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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