2016年07月24日

ロング・トレイル! 原題:A Walk In The Woods

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(C)2015 BIG WALK PRODUCTIONS, LLC ALL RIGHTS RESERVED.


監督 ケン・クワピス
出演:ロバート・レッドフォード/ニック・ノルティ/エマ・トンプソン

英国に長年暮らしていた紀行作家ビル・ブライソン(ロバート・レッドフォード)は、家族と故郷であるアメリカ、ニューハンプシャー州に戻り穏やかな生活を送っていた。しかし、そんな毎日に物足りなさを感じ始めた頃、自宅近くに全長3500キロという北米有数の自然歩道「アパラチアン・トレイル」があることに気がつき、踏破を思いついた。しかし、妻は一人で行くことに難色を示したため、旅の同行者を募った。名乗り出たのは友人から話を聞きつけたカッツ(ニック・ノルティ)。40年ぶりの再会だった。
彼の破天荒さに心配を隠せない妻をよそに、二人は意気揚々と出発。しかしシニア世代のビルとカッツの前に、予想外のハプニングが続出。見た目も性格も正反対の二人は、最初は不協和音。体力の衰えという現実も立ちはだかる。熊にも遭遇してしまう。しかし、トレッキングしている人たちとの交流、大自然の光景など、彼らの冒険はだんだんと旅の醍醐味を味わってゆく。果たして二人はこのロングトレイルを踏破することができるのか…。
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(C)2015 BIG WALK PRODUCTIONS, LLC ALL RIGHTS RESERVED.
長年、第一線で活躍してきた名優が、自身の半生を投影したような役を好演。旅は人生の縮図と感じさせてくれる。多くは山の中を行く道だけど、行きかうトレッカーも多く、山小屋もある。時々、食料調達のために街へも行く。そういう形で長旅を続けられる条件が整っているから、このロングトレイルへ行く人々がいるんだなと思った。
チベットでは五体投地で祈りを捧げながら1年もかけて旅を続ける人もいれば、登山のように挑戦のために山に登る人もいる。人は様々な目的のために旅を続ける。
そんな映画がいくつか公開され、私も子供の頃からの夢、世界一周にそろそろ挑戦したいなと思い始めている。(暁)

*7月30日から、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開
原作: 「ビル・ブライソンの究極のアウトドア体験―北米アパラチア自然歩道を行く」
ビル・ブライソン著(中央公論新社)
2015年/アメリカ/104分
公式HP http://www.long-trail.com/
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2016年07月23日

ケンとカズ

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監督・脚本:小路紘史
撮影:山本周平
出演:カトウシンスケ(ケン)、毎熊克也(カズ)、飯島珠奈(早紀)、藤原季節(テル)、高野春樹(藤堂)

腐れ縁のケンとカズ。市川市の小さな自動車修理工場に勤めているが、覚せい剤の密売にも手を出している。恋人の早紀が妊娠し父親になる日も近いケンは、これをきっかけに汚い仕事から手を引き、子どもためにも真っ当に生きたいと思い始めている。
ある日カズの実家を訪ねたケンは、カズの母親が認知症だと知ってしまい、知られたくなかったカズの怒りを買う。カズはもっと実入りをよくしようと、今の元締めを裏切って敵対する人間と手を組もうとしていた。自分を密売に誘ったケンを決して手放そうとせず、ケンはしかたなく最後の仕事にしようと決心するのだが。

昨年の東京国際映画祭 日本映画映画スプラッシュ部門で作品賞に輝いた作品。小路紘史監督も出演者もお初の方ばかり。映画祭でいちはやく観ていた(美)さんのイチオシ作品だったので、試写を楽しみにしていました。
観るとまあ、なんと熱い作品だったことか。俳優さんたち画面いっぱいのアップにも負けていません。覚せい剤やら暴力やら痛い場面はあるし、決してお近づきになりたくない人ばかりだし…なのに目が離せなくなります。短編作品が元になっているそうですが、どのシーンにも緊張感がみなぎっていて、監督と俳優さんの力を感じました。舞台で活躍されていた方が多いせいかなじみがなかったけれど才能のある方々が揃ったんですね。これからもっと世に出てほしいものです。
試写が終わって出たら、ケンさんとカズさんが並んでいらして「わ!」とびっくり。もちろん凶暴な光などない好青年でしたよ。(白)


2014年/日本/カラー/アメリカンビスタ/96分
配給:太秦
(C)「ケンとカズ」製作委員会
http://www.ken-kazu.com/
★ 2016年7月30日(土)渋谷ユーロスペースより全国順次公開!
posted by shiraishi at 10:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ラサへの歩き方〜祈りの2400km 原題 岡仁波斉

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監督・脚本:張楊(チャン・ヤン) 
撮影:郭達明(グオ・ダーミン) 
出演:チベット巡礼の旅をする11人の村人たち

チベット自治区の東の端にあるプラ村から西に1200km先にある聖地ラサを経由して、さらに1200km西のカイラス山まで、2400kmを五体投地で巡礼に出る村人たち。ラサに巡礼したいと思っていたのに行けないまま亡くなった兄。弟のヤンベルは思い残すことなく自分は死ぬ前にラサに行きたいと思う。叔父の思いをかなえようと兄の長男ニマは考えた。それならば私もラサに行きたいと願い出た村人たち。老人、妊婦、そして幼い少女を含め総勢11人で巡礼に。五体投地とは、両手・両膝・額(五体)を地面に投げ伏して祈る、仏教でもっとも丁寧な礼拝の方法で、チベットでは五体投地で礼拝しながら、長い時間をかけて聖地巡礼する人々が今もいる。
プラ村の人たちも、テントやストーブ、寝具や食料を積んだトラクターと共に1年かけて巡礼を続ける。途中、妊婦の出産や、落石で怪我人が出たり、車に追突されてトラクターが壊れてしまうなどの出来事もあったが、そのたびに助け合いながら聖地を目指す。途中で出会う人々との交流、さりげない会話や行動の中から「他者のために祈る」というチベット仏教の考え方を知った。過酷な巡礼の道中、祈り、歩く、テントを張って眠るというシンプルな映像の繰り返しの中から、チベットの人たちの生き方が伝わってくる。実際の村人が自分自身の役を演じ、五体投地で巡礼するドキュドラマ。
『こころの湯』『胡同のひまわり』『帰郷』『グォさんの仮装大賞』の張楊監督が20年来のチベットへのあこがれを映画化した。
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漢族である張楊監督が描いたチベット族の人たちのラサ巡礼。中国政府はチベット族の宗教や習慣、文化へ制約をしているが、一般の国民の中には、張楊監督のようにチベットの文化に興味を持つ人も多い。また、チベットの景色を撮って写真集を出している漢族の写真家もいる。56の民族があるという中国の多様性。
私もいつかラサに行ってみたい(暁)。


まさにドキュメンタリーのようなのに、本作は張楊監督が細部まで書き込んだフィクション。監督が思い描いていた登場人物を、老人から若者、さらに妊婦まで、奇跡的に一つの村の3家族で構成することができたそうです。だから、なおさらドキュメンタリーのように見えるのでしょう。
トラクターが事故で壊れて修理するために車で先のほうに移動した時には、また事故地点まで戻って五体投地を続けます。ズルをすることは、自分の中で許されないこと。
ラサにたどり着いたものの、事故があったりしてカイラスに行くお金がなくなってしまいます。それを知った宿の女主人が自分のかわりに10万回の五体投地をしてくれれば宿代はいらないと言ってくれます。
1991年にラサを訪れたことがあります。大勢の人が祈るチョカン寺で、見よう見真似で五体投地をしてみましたが、地面に身体を投げつけるという祈りの方法は生易しいものではないことを実感しました。それを他人の代わりに10万回! 
そういえば映画を観ていて気になったのが、夜、チョカン寺の正面の祈りを捧げる場が閉ざされていたことです。私が行った時には、広場に面してお寺はオープンで、門などなかったと記憶しています。
ポタラ宮の前も綺麗に整備され、立派なホテルも増え、私が見たラサとはまるで違った姿になっています。鉄道が通じて楽にラサに行けるようになったところで、信心深いチベットの人たちには、それはありがたいことではないでしょう。
大谷寿一監督の『天空の大巡礼を行く』(チベットの東の聖山アムニ・マチェンの12年に一度行われる大巡礼を追ったドキュメンタリー)で、巡礼路の3分の1位に沿うように高速道路を建設中で、チベットの人たちが五体投地で巡礼しているそばで工事が進んでいる様子が映し出されていました。
観光誘致はできるかもしれないけれど、チベットの人たちの心を踏みにじるような開発に胸が痛みます。(咲)

*2016年7月23日〜 シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

配給 ムヴィオラ
115分/中国/2015/COLOR/チベット語/DCP/16:9/ DOLBY 5.1 
 英語題 PATHS OF THE SOUL
公式サイト  www.moviola.jp/lhasa
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2016年07月22日

めぐりあう日(原題:Je vous souhaite d'etre follement aimee)

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監督:ウニー・ルコント
脚本:ウニー・ルコント、アニエス・ドゥ・サシー
撮影:カロリーヌ・シャンプティエ
出演:セリーヌ・サレット(エリザ)、アンヌ・ブノワ(アネット)、ルイ=ド・ドゥ・ランクザン(アレックス)、フランソワーズ・ルブラン(ルネ)、エリエス・アギス(ノエ)

理学療法士をしているエリザは、養父母に育てられた。養父母には感謝しているが、了解を得て専門機関へ実の母親の調査を頼んでいた。しかし依頼が頓挫してしまったので、生まれ故郷へ息子のノエを連れて引っ越してきた。夫は快く思ってはいないが、エルザはどうしても自分で見つけたい。
ノエの通う学校で給食の世話や掃除の仕事をしているアネットは、ほかの子と違うことでからかわれるノエが気になる。背中を痛めたアネットはエルザの診療所に通い、よく話すようになった。

初長編『冬の小鳥』(2010)で日本にお目見えしたウニー・ルコント監督。再び自身の体験を元に、母と娘の物語を描きました。監督自身と思えるエリサ役のセリーヌ・サレットの表面は静かで内に情熱を秘めている雰囲気が、映画祭で舞台挨拶に立たれた監督と重なりました。
エリサが理学療法士で患者の肌に触れる職業であることが、アネットとアリサの何かを呼び覚まし物語を推し進める力になっています。息子ノエ役の男の子も重要なポイントになります。前作で少女役のキム・セロンが強い印象を残し、その後の活躍につながりましたが、このエリエス・アギスも楽しみです。(白)


2015年/フランス/カラー/ヴィスタ/104分
配給:クレストインターナショナル
(C)2015 ? GLORIA FILMS ? PICTANOVO
http://crest-inter.co.jp/meguriauhi/
★ 2016年7月30日(土)岩波ホールほか全国順次ロードショー
posted by shiraishi at 10:28| Comment(0) | TrackBack(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ロスト・バケーション(原題:The Shallows)

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監督:ジャウム・コレット=セラ
脚本:アンソニー・ジャスウィンスキー
撮影:フラビオ・ラビアーノ
出演:ブレイク・ライブリー(ナンシー)

医学生のナンシーは亡き母が教えてくれたビーチを訪れる。一緒に来るはずだった友人は二日酔いでダウン、ホテルで寝ている。現地の男性の車に乗って一人でやってきたビーチは、サーフィンには最適、知る人の少ない秘密の場所だ。せっかくの夏季休暇、しばらくは気がかりを忘れて思い切り楽しもうと海に飛び込む。しばらく波と遊んだ後、ナンシーはビーチにはいないはずの巨大なサメに追われる。足にけがをし、その場をなんとかしのぐが、岸は近くてもサメがいるうちは海に入れない。引き潮の間は岩礁の上にいられても、満潮になれば沈んでしまう。砂浜に見える人影に助けを呼ぶのだが…。

「美女とサメ」という夏には定番の映画です。ほぼ一人で出ずっぱりのブレイク・ライブリーは『旅するジーンズと16歳の夏』(2005)で注目され、テレビドラマ「ゴシップガール」(2007〜2012)で人気を得ました。『アデライン、100年目の恋』(2015)ではミステリアスな美女アデラインで主演しています。ライアン・レイノルズと2012年に結婚していて、すでにママですがこのスタイルの良さ(178pと長身)!
この作品ではスレンダーな体に水着でサメと格闘。医学生という設定がミソで、このサバイバルは彼女だからこそ、と納得。ジャウム・コレット=セラ監督の采配のもと、独りぼっちの海でサメから生還するまでをスピーディに見せています。教訓=どこかへ行くときは家族や周りの人に行き先を知らせましょう。(白)


2016年/アメリカ/カラー/シネスコ/86分
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
(C)2016 Sony Pictures Digital Productions Inc. All rights eserved.
http://www.lostvacation.jp/splash/
★ 2016年7月23日(土)公開
posted by shiraishi at 10:23| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする