2016年05月12日

殿、利息でござる!

tono.jpg

監督:中村義洋
原作:磯田道史 文藝春秋刊「無私の日本人」所収
脚本:中村義洋、鈴木謙一
撮影:沖村志宏
音楽:安川午朗
出演:阿部サダヲ(穀田屋十三郎)、瑛太(菅原屋篤平治)、妻夫木聡(浅野屋甚内)、竹内結子(とき)、寺脇康文(遠藤幾右衛門)、きたろう(穀田屋十兵衛)、千葉雄大(千坂仲内)、橋本一郎(早坂屋新四郎)、中本賢(穀田屋善八)、西村雅彦(遠藤寿内)、堀部圭亮(橋本権右衛門)、松田龍平(萱場杢)、草笛光子(きよ)、山崎努(先代・浅野屋甚内十三郎)、友情出演:羽生結弦(伊達重村)

江戸中期、仙台藩の吉岡宿。造り酒屋の穀田屋十三郎はさびれていくばかりの町の行く末を案じている。「伝馬役」という使命を担って重い負担に耐えてきたが、藩からの助成金はない。仙台藩は度重なる中央への付け届けのため財政難に陥り、庶民へ重税を課していた。耐えかねた民百姓の夜逃げが続き、行く当てもなく残ったものはさらに困窮していくばかり。知恵者の菅原屋篤平治に相談したところ、復興の秘策として藩に大金を貸し付け、利息を取るのはどうかと提案される。しかし、この計画が明るみになれば、実行前に打ち首になってしまう。秘密裡にこれと思った人物に声をかけ、大金をつくる計画を立てた。目標金額は千両(三億円)!!売れるものは売り、コツコツと小銭も貯め続けるのだが、道は遠い…はるかに遠い。

「武士の家計簿」の歴史学者・磯田道史氏の著作「無私の日本人」所収の「穀田屋十三郎」が原作。古文書「報恩記」に庶民たちの記録として僧侶が書き残した実話だそうです。
吉岡宿の人々は足掛け8年で目標の千両を貯め、しかも口外せず、驕ることなく行動もつつしむという掟を自分たちと子孫に課したため、広く伝えられることがなかったとか。中村義洋監督はエンタメ度の高い人情劇にしたてあげ、芸達者な出演者たちが命を吹き込んでいます。逆転の発想と住民総がかりでの努力で、自分たちの町と暮らしを守った人たちに泣き笑いでした。仙台出身の男子フィギュアのプリンス羽生結弦くんが「殿」役でさっそうとお出まし。画面がぱっと明るくなります。

現代を見ると、被災地の救済は進まず、子供と老人の貧困率が上がり、奨学金で苦しむ学生が増えるなど、問題山積みです。消費税を上げた分はどこに行ったんでしょう。お上と庶民の構造は今も昔もそう変わらないのですね。昔こんな人たちがいたというのに、今は英断を下せる人材はいないのでしょうか。(白)


2016年/日本/カラー/ビスタ/129分
配給:松竹
(C)2016「殿、利息でござる!」製作委員会
http://www.tono-gozaru.jp/
★2016年5月14日(土)ロードショー
posted by shiraishi at 00:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする